会社が銀行から融資を断られるのには「理由」があります。
次の融資を断られないように、銀行に理由を聞いて特定しておきましょう。という、お話です。
聞いてみなけりゃ、わからない。
会社が銀行から融資を受けようとしたけれど、けっきょく、断られてしまった… でもまぁ、しかたないか。そういうこともあるよな。
で、終わりにしてはいませんか?
やめましょう。たまたま断られただけだ、みたいな考え方はやめましょう。なぜなら、融資を断られたのには「理由」があるからです。
その「理由」を特定して、解消できなければ、次の融資もまた断られてしまいます。じゃあ、どうするか?
銀行(の担当者)に聞きましょう。今回、断られた理由はなんですか? と、聞きましょう。
いやいや、聞いても教えてくれないし。と、思われるかもしれません。たしかに、教えてくれないケースもあります。でも、教えてくれることもあります。
だから、まずは聞いてみること。それでもダメなら、聞いてみたときの銀行のようす・反応から推測できることはあるものです。
というわけで。そのあたりのポイントをまとめてみます。こちらです↓
- 理由にもいろいろある
- 銀行の歯切れが悪いなら
- 税理士・コンサルから聞いてもらう
それではこのあと、順番に見ていきましょう。
融資を断られたら銀行に理由を聞いて特定しておく、ためのポイント3選
《ポイント1》理由にもいろいろある
融資を断られたら、銀行に「理由」を聞いて特定しておくためのポイント。1つめは、「理由にもいろいろある」です。
理由はひとつではないからこそ、いろいろあるからこそ聞いてみましょう。
銀行から融資を断られる理由、と言うと。すぐに思い浮かぶこととして、「決算書」があります。決算書の内容が悪い(赤字続き、とか)、だから断られた。みたいな。
たしかに、「決算書の良し悪し」は融資の可否をわける、だいじな要素です。ただし、そればかりではありません。決算書の内容が良くても、断られることはあります。
たとえば、「ブラック情報」です。
社長個人の「信用情報」に問題がある。クレジットカード利用代金の支払が遅れているとか、多額のカードローンがあるとか。
会社について言えば、過去に銀行への返済が遅れたことがあるとか。家賃の支払が遅れていたり、税金の支払いが遅れていたり…
こういうことがあると、「決算書の良し悪し」とは別に、融資を断られる原因になりえます。貸したおカネをちゃんと返してくれるか、不安だからです。
ちなみに。「決算書の良し悪し」にしても、「どこ」が問題なのかを聞いてみるのがよいでしょう。利益が問題というケースもあれば、資産内容が問題というケースもあるからです。
具体的に「問題」を教えてもらえれば、会社は「改善の取り組み」に役立てることができます。銀行が決算書をどういうふうに見ているのか、「銀行の見方」を理解するのにも役立てることができるでしょう。
というわけで。銀行から融資を断られる「理由」にもいろいろあるのです。次の融資のために、ぜひともその理由を銀行に聞いてみる、特定しておくようにしましょう。
《ポイント2》銀行の歯切れが悪いなら
融資を断られたら、銀行に「理由」を聞いて特定しておくためのポイント。2つめは、「銀行の歯切れが悪いなら」についてです。
融資を断られたら、銀行に「理由」を聞きましょう、と言いました。けれども、どうにも銀行の「歯切れ」が悪い、ということがあります。
その場合に考えられることとして、「銀行との確執」が挙げられるところです。
ここで言う「確執」とは。過去になにかしら、銀行と会社とでやりあったことがある… みたいな。
比較的よく見聞きするのは、担当者とのあいだで「言った言わない」の争いになり、上司や支店長まで出てくる騒動になったとか。
社長の銀行に対する態度が横柄・傲慢で、銀行担当者が理不尽なあつかいをされたことがあるとか。
また、じぶんのところ融資を、ほかの銀行の融資で突然に借り換えられた、といったこともあるでしょう。
そういう「確執」について、銀行は必ず「記録」に残しています。たとえ、担当者が変わろうと、支店長が変わろうと。あの会社とは、過去にあんなこと・こんなことがあったんだ、と記録されています。
その記録がある限り、銀行が「確執」を忘れることはなく(社長が忘れていても)、融資が断られる理由になる可能性もあるのです。
融資を断られた「理由」を銀行にたずねると。その理由が「数字(決算書の良し悪し)」に関することであれば、比較的教えてくれる傾向があります。
いっぽうで。さきほど挙げたような「確執」のハナシ、つまり、「数字以外」のこととなると、あまり教えてくれない。歯切れが悪くなります。
言いにくいからですね。過去の確執を、融資を断った理由として挙げようものなら、またあらたな確執をつくりかねません。
なので、言いにくいことは言葉を濁して、「大人の対応」ということが多くなる。と、理解しておくとよいでしょう。
《ポイント3》税理士・コンサルから聞いてもらう
いましがた、銀行には言いにくいことがある、という話をしました。ただ実は、「確執」に限らず、銀行はそもそも「理由」を言いにくいものだ、という部分もあります。
なぜなら、理由を明らかにすることが、のちのちトラブルに発展することもあるからです。
たとえば。今回、融資を断られた理由を銀行にたずねたところ、銀行が「利益が少ない(融資金額に対して)」と答えたとします。
そこで、会社はがんばって利益を増やしました。そのうえで、ふたたび融資を依頼したところ、またしても断られてしまったとしたら。
社長としては、「言われたとおり、利益を増やしたのに!」と怒りたくもなるでしょう。実際に、怒り出して銀行ともめることもあります。
だから、銀行は融資を断る「理由」を、そもそも言いたがらないのです。
理由はあくまで、そのときの理由であって。ときが経てば、状況は変わります。ほかの理由だって出てきます。以前の理由を解消したからといって、こんどは融資を受けられるとは限らない。そう考えておきましょう。
それでも、融資を断られた「理由」を知ることは、次の融資を受けられる可能性を高めるのは確かです。理由を聞いて、問題を解消できれば、融資に近づきます。
でも、銀行はそもそも理由を話したがらない。じゃあ、どうしたらいいか?
ひとつの方法として、「顧問税理士や融資コンサルタントから聞いてもらう」ことが挙げられます。
銀行も社長に対して直接は言いにくくても、あいだに税理士やコンサルが入ることで、言いやすくなるところがあるようです。税理士やコンサルが、社長に噛み砕いて伝えてくれるだろう、という期待もあるでしょう。
ただし、これは銀行とコミュニケーションがとれている、銀行との信頼関係ができている税理士やコンサルに限られます。
ふだんはまったく接点がないのに、融資を断られた理由を聞きに、突然あらわれた税理士やコンサルを、銀行が警戒するのは当然です。
という点には気をつけて、「税理士やコンサルから聞いてもらう」ということも検討してみましょう。
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まとめ
会社が銀行から融資を断られるのには「理由」があります。次の融資を断られないように、理由を特定・解消しておきましょう。
そのためにはまず、銀行に「理由」を聞いてみること。それでもダメなら、聞いてみたときの銀行のようす・反応から推測できることはあるものです。
- 理由にもいろいろある
- 銀行の歯切れが悪いなら
- 税理士・コンサルから聞いてもらう