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地域金融機関が『地域』に敏感なこと3つ

地域金融機関が『地域』に敏感なこと3つ

地域金融機関は「地域」に対して敏感である。これを理解していると、会社の融資はより受けやすくなります。

というわけで、地域金融機関が「地域」に敏感なことを3つ、お話ししていきます。

目次

地域金融機関だけに。

地域金融機関とは、特定の地域を「営業エリア」とする金融機関を言います。具体的には、地方銀行(第二地方銀行を含む)、信用金庫、信用組合、農業協同組合など。言い換えると、都市銀行や政府系金融機関を除いた金融機関が「地域金融機関」です。

そんな地域金融機関について。地域金融機関は「地域」に対して敏感である、というお話をしていきます。具体的にはこちらです↓

地域金融機関が「地域」に敏感なこと
  1. 営業エリアが地域限定
  2. 地域貢献がミッション
  3. 地域の評判が気がかり

これらを理解しておくことには、会社が融資をより受けやすくする効果があります。そこでこのあと、地域金融機関が「地域」に敏感なことを3つ、確認していきましょう。

地域金融機関が「地域」に敏感なこと3つ

営業エリアが地域限定

都市銀行や政府系金融機関が「全国展開」であるのに対して、地域金融機関は「地域限定」です。

地方銀行の場合には、特定の都道府県およびその近隣。信用金庫・信用組合の場合には、さらに狭い地域を営業エリアにしています。

このため、会社が融資を受けようとするのであれば、自社の本店や支店などが、その地域金融機関の営業エリア内になければいけません。つまり、営業エリアから外れていると、融資を受けられないのです。

したがって、地域金融機関からの融資を考えるときにはまず、自社の周辺に地域金融機関があるかどうかを調べることになります。

方法としては、Google Mapをつかって、「地域名+金融機関」のワードで検索をしてみるといいでしょう。その地域周辺にある、地方銀行や信用金庫・信用組合を検索できるはずです。

住み慣れた場所にもかかわらず、わざわざGoogle Mapで検索をするのは、わたしたちが意外と地域金融機関を見落としているからです。とくに信用金庫・信用組合は目立ちにくく、ふだん気づいていないことがあります。

ちなみに。年間売上高が 10億円くらいまでの会社は、都市銀行からの融資を考える必要はありません。地方銀行や信用金庫・信用組合、あわせて政府系金融機関からの融資でじゅうぶんです。

むしろ、都市銀行からの融資は不向きであることを覚えておきましょう。都市銀行は、そもそも大企業向けの銀行です。自社の周辺に地域金融機関がどうしてもない…という場合を除いて、都市銀行からの融資は避けるようにしましょう。

にもかかわらず、都市銀行から融資を受けることにはデメリットがあります。そのあたり、詳しくはこちらの記事もどうぞ↓

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地域貢献がミッション

地域金融機関は共通して、「地域貢献」をミッションとしています。

営業エリアが地域限定であるため、地域の会社や住民からの預金があってはじめて商売が成り立つわけですから、おのずと地域に還元・地域に貢献せざるをえない立場にあると言えるでしょう。

この点で。地域金融機関は、「地域に貢献する会社」をより強く支援する傾向があります。営業エリア内にある会社のなかでも、地域に貢献する会社ほど支援をする。

これは、地域金融機関が「地域貢献」をミッションとしていることに起因します。地域貢献度が高い会社を支援すれば、地域がより活性化される。すると、地域金融機関の商売も繁盛します。だから、地域に貢献する会社をより支援しよう、となるわけです。

したがって、会社が地域金融機関から融資を受けようとするのであれば、自社の地域貢献ぶりをアピールするのが良いでしょう。融資が受けやすくなるはずです。

では、どのようにアピールすればいいのか?

たとえば、売上先一覧を銀行に提示する。売上先が、地域金融機関の営業エリアとかぶっていれば、地域貢献のアピールになるところです。仕入先についても、似たようなものでしょう。仕入を通じて、地元活性化に協力しているとも言えます。

なお、自社の商売(業種)が、地域の主要産業にかかわるものであったりすると、地域貢献度が高いことのアピールになるでしょう。地域の新聞や広報誌などに、自社のことが掲載された記事を提示するのも有効です。

また、住所別の社員数を提示するのも、アピールの1つになります。従業員の多くが、地元に住んでいるようであれば、会社は雇用を通じて地域貢献していることになるからです。

さらには、社員の平均賃金を提示することも考えてみましょう。近隣地域の平均賃金と比べて、自社の社員の平均賃金が高いようであれば、それもまた地域貢献だと言えます。

RESAS(地域経済分析システム)というWEBサービスをつかえば、だれでも無料で、各都道府県の平均賃金を調べることが可能です。そういった資料も印刷をして、自社の平均賃金の資料といっしょに銀行へ提示すると良いでしょう。

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地域の評判が気がかり

地域金融機関は、「地域の評判」が気がかりです。言うまでもなく、地域に悪評が立てば、商売に悪影響が出てしまうから… というのが理由になります。

都市銀行であれば、特定の地域で少々の悪評が立ったとしても、その他地域があるわけですが。営業エリアが限られる、地域金融機関はそうもいきません。ある意味、逃げ場がないのです。

この点で。地域金融機関は、都市銀行ほど「ドライではない」と言えます。つまり、会社が厳しいときにでも、すぐに融資を打ち切ったり、融資を引き上げたりはしにくい、ということです。

あまりにドライな対応をすると、「あの銀行はヒドい、冷たい」といったウワサになりかねませんから。地域金融機関は、比較的穏やかな対応をとることが多くなります。

また、なかでも信用金庫や信用組合は、その傾向がより強いと言っていいでしょう。同じ地域金融機関である地方銀行に比べると、信用金庫や信用組合は営業エリアがより狭いからです。

いずれにせよ、「ドライではない」のは、融資を受ける会社としてはメリットになります。事業には良いときもあれば悪いときもあるものです。悪いときに支えてくれる金融機関があれば、会社は助かることでしょう。

以上をふまえて、都市銀行よりも地域金融機関からの融資を考えてみる。地域金融機関のなかでも、信用金庫や信用組合からの融資も考えてみる。とくに、小規模な会社ほど信用金庫・信用組合がおすすめです。

銀行選びのコツは、会社の規模感に合った銀行を選ぶこと。そのあたり、詳しくはこちらの記事もどうぞ↓

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まとめ

地域金融機関は「地域」に対して敏感である。これを理解していると、会社の融資はより受けやすくなります。

というわけで、地域金融機関が「地域」に敏感なことを3つ、押さえておきましょう。

地域金融機関が「地域」に敏感なこと
  1. 営業エリアが地域限定
  2. 地域貢献がミッション
  3. 地域の評判が気がかり
地域金融機関が『地域』に敏感なこと3つ

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