「無刻印」のキーボードはつかいはじめて2年になりました。
そんなわたしが、無刻印キーボードの「メリット」と「デメリット」についてお話をしていきます。
チカラ技でも無刻印にこだわり続けた日々。
2019年の春から、「無刻印」のキーボードはつかいはじめて2年になります。無刻印、つまり、キーボードの表面に「印字」がない。
愛機 MacBook Proは、「ブラックアウトステッカー」なるアイテムをつかって無刻印化を決行↓
その後、タッチバーに文字が表示されているのに納得がいかず、「BetterTouchTool」なるアプリをつかって、チカラ技で無刻印化しました↓
最近では、外付けキーボードとして、「HHKB Professional HYBRID Type-S US 無刻印/墨・英語配列」を導入。無刻印の「沼」にハマったといっていいでしょう↓
そんなわたしが、無刻印キーボードの「メリット」と「デメリット」についてお話をしていきます。
無刻印キーボードには興味があるけど、実際のところどうなんだろう? じぶんは使いこなせるだろうか? と、お悩みの方々のご参考になるようでしたら幸いです。
それでは、いきましょう。
無刻印キーボードのメリット3つ
【メリット1】自己効力感が高まる
無刻印キーボードの「メリット」を期待している人のために、あらかじめ言っておきます。はっきり言って、無刻印キーボードには、実用的なメリットはほとんどありません。
メリットがまったくない、とまでは言わないにしても。ほとんどない、と言っていいでしょう。わたしもかつては、無刻印キーボードのメリットを信じていたクチなので。夢を壊すようで申し訳ない。
それでも、いざ無刻印にしてから後悔するのもツラいでしょうから。いつわらざる事実をお伝えしようと、考えたしだいです。と、前置きはこれくらいにして。
このあと3つのメリットをお伝えしますが。実用的なメリットとしては、これが唯一ではないか。それは、「自己効力感が高まる」です。
ちなみに、「自己効力感」と似た言葉に「自己肯定感」があります。まず、自己効力感とは「オレ(ワタシ)はできる!」という感情です。いっぽう、自己肯定感とは、できる・できないにかかわらず「じぶんを受け入れる」という感情になります。
そのうえで、無刻印キーボードのメリットは、自己効力感が高まる。要は、「キーボードに印字などなくても、オレ(ワタシ)は入力ができるんだっ!」みたいなことですね。
自己効力感が高まると、ほかのこと・あたらしいことにチャレンジしやすくなります。もはや、キーボード自体の直接的なメリットではないわけですが。チャレンジできる人生はすばらしい。
というわけで、1つめのメリットとして挙げておきます。
【メリット2】ドヤれる(実は自己満足)
ここからはもう、期待しないでください。実用的とは言い難いメリットが2つ、そのあとにはデメリットが3つ続きます。途中で心折れて、無刻印キーボードを断念する人が増えることでしょう。
それでも、「デメリット上等!人生これ挑戦なり!」と意気込むあなたには、無刻印キーボードがおすすめです。たぶん。
ハナシを戻して、無刻印キーボードのメリット、2つめ。それは、「ドヤれる」です。世の中を見渡したときに、「無刻印派」は少数派です。もちろん、「刻印派」と比べてです。
なので、無刻印派は、みずからのキーボードを前に、「どうだ!オレ(ワタシ)は無刻印だぞっ」とドヤれる。ドヤりたい人にとっては、メリットと言ってもいいでしょう。
もっとも、ドヤられたほう(刻印派)は「なんとも思っていない」かもしれず。
それよりなにより、「うわ、なにこの人。無刻印とかヤバっ。オマケにドヤ顔。なんか厨二病感がスゴいんですけど」と、ドン引かれている可能性もなかなかに高いです。
そう考えると、無刻印派のドヤりは「自己満足」に過ぎず。もはや、メリットとすら言えません。でもね、わかるよ。無刻印キーボードは美しい。わたしにはわかる。わかる人とのみ、思いを共有するが吉。
【メリット3】セキュリティが高まる
無刻印キーボードのメリット、3つめ。それは、「セキュリティが高まる」です。
無刻印キーボードで入力する人の「手元」を見たときに、多くの人は「何の文字を入力しているのか」はわからないでしょう。無刻印ゆえに。
だとしたら。パスワードのように秘匿性の高い情報を入力しているときには、セキュリティが高まると言えます。
…って、いやいや、そんな場面ある? と、思われたあなた。正解です。そんな場面はほとんどないでしょう。情報を盗むなら、もっと別の方法があるでしょうし。
というわけで。もはや「数合わせ」とも言える、3つめのメリットなのでした。
無刻印キーボードのデメリット3つ
【デメリット1】タッチタイピングの習得は期待できない
いよいよここからは、無刻印キーボードのデメリット。無刻印へのあこがれを打ち砕く、デメリットを3つお話していきます。
まず、1つめは「タッチタイピングの習得は期待できない」です。無刻印なのだから、イヤでもタッチタイピングせざるをえない環境になります。これで、タッチタイピングを習得できること間違いなし!
と、わたしも思っていました。でも、無刻印キーボードのおかげで習得できることはない、と言っていいでしょう。なぜなら、現時点でタッチタイピングができる人でなければ、無刻印の時点で挫折します。
どこがどのキーなのかわからないうえに、無刻印では「救いがない」からです。よって、無刻印キーボードを選択するのであれば、「現時点でタッチタイピングができる」ことが前提になります。
つかう頻度が少ない記号などはともかく、ふつうの文字入力がタッチタイピングできない状況で無刻印キーボードに挑むのは、個人的には「勇気ではなく無謀だ」という意見です。
まぁ、止めはしませんし、止められもしませんが。まずは、タッチタイピングをあるていどマスターしたところで、無刻印キーボード。これなら、タッチタイピングの「上達」は見込めるものと思います。
とはいえ、タッチタイピング中はキーボードを見ていないわけですから。そうなると、無刻印だろうが刻印だろうがどっちでもいいハナシで。無刻印キーボードでなくとも上達はできるよねぇ、という元も子もない結論に落ち着きます。
【デメリット2】パスワード入力でしくじりがち
わたしは「あるていどタッチタイピングができる」くらいのレベルです。ふつうの文字入力は、あるていどのスピードで、あるていど正確に入力できます。
が、あまりつかわない「記号」となると、だいぶあやしい。実際、記号をおりまぜたパスワードを入力するときなどは、しくじることがありますね。はい。
このとき、いくらキーボードを眺めても「答え」はありませんから。正しく入力できるまで、がんばるほかないのはデメリットです。
おまけに、いちどホームポジションから手が離れると、事態は混迷を極めます。ふだんは問題なく入力できている文字さえも、どのキーなのかがわからなくなる。
あれっ、「W」ってどこだったっけ? とか考えながら、となりの「E」を押してしまったり。ですから、いちどホームポジションに手を置いてみないと入力ができないのもデメリットです。
まぁ、もしかしたら、そのうち「見える」ようになるのかもしれません。無刻印を極めれば、見えないはずの刻印も、この目には見えるようになるのかもしれない! そういうこと言ってると引かれますよ。
【デメリット3】他人がつかうには苦労する
あまり多くはないかもしれませんが、じぶんのパソコンやキーボードを「ちょっと他人につかわせる」ということもあるでしょう。
ところが、無刻印キーボードは、刻印派にとっては「実用に耐えないシロモノ」です。そんなシロモノを強要したところで、相手は苦労するばかりです。
実際、わたしの無刻印キーボードを妻がつかう機会もありますが。「えいっ!」と言いながら、思っていた文字とは違う文字を2度、3度と入力しているのを目の当たりにしています。
とはいえ、これは妻の「能力」に問題があるからではなく。タッチタイピングもできる能力はありますので、あくまで「慣れ」の問題と言ったところでしょう。
タッチタイピングできる人でさえ、その状況なのですから。タッチタイピングができない人からしたら、「ふざけんなっ!」です。ただのイヤがらせにしかなりません。
というわけで、いちおう、そういう状況も想定して。はたして、このパソコン、このキーボードは、無刻印でもよいのだろうか? と利用シーンをイメージしておくと、後悔が少なくなるのではないでしょうか。
まとめ
「無刻印」のキーボードはつかいはじめて2年。そんなわたしが、無刻印キーボードの「メリット」と「デメリット」についてお話をしてきました。
デメリットばかりが目立つフシはありますが。それでも、無刻印へのあこがれが消えない人ならば、きっと無刻印キーボードをつかいこなすことができるはずです。
ちなみに。わたし自身は、これから先も、無刻印を選択できるのであれば選択をするでしょう。むしろ、無刻印が選択できないパソコンやキーボードは買わないかもしれない… とすら考えています。