Final Cut Proでのカット編集。早くてラクちんにしたいなら、ショートカットキーのカスタマイズがおすすめです。というお話をしていきます。
キーボードオンリーでじゅうぶん。
2020年4月から、YouTube動画の投稿をはじめて1年半ほどになります。以来、動画編集には「Final Cut Pro」を使い続けてきました。
わたしは、撮影した動画を「カット編集(ムダな部分を切り取って削除する)」して仕上げるスタイルなのですが。それはそれで、手間のかかる作業ではあります。
そこで、一時期は「左手デバイス」をつかってもいました↓
左手のみで作業ができるうえに、時短にもなって、これはこれで選択肢のひとつになるでしょう。が、左手デバイスがない環境だったらどうするのか?
出先で編集をするときに、デバイスを追加で持ち歩くのはメンドーです。また、デバイスが壊れてしまうこともありえます。けっこう高いので、買い直すのもねぇ… それに、もう売っていなかったらどうするか?
というわけで、ショートカットキーです。Final Cut Proはショートカットキーを「カスタマイズ」できるので、これを利用してみよう! というお話をしていきます。早くてラクちんです。
ちなみに。マウスをつかってカット編集はやめましょう。遅いうえに疲れます。Final Cut Proでのカット編集ならば、キーボードオンリーでじゅうぶんです。
まずは「おすすめのカスタマイズ」から
カット編集の手順は、のちほどお話しするとして。まずは、ショートカットキーのカスタマイズについてお話ししておきます。
ショートカットキーを初期設定のままにしていると、どうしても作業が遅くなりそうなので。カット編集に必要なショートカットキーを、「ホームポジション」に近いところに集中させます。
すると、作業は早くてラクちんになるものです。具体的なカスタマイズがこちらになります(いちぶは、初期設定のままですが)↓
初期設定 | カスタマイズ後 | |
次のフレームに移動 | 右矢印 | I |
前のフレームに移動 | 左矢印 | U |
逆再生 | J | J(初期設定のまま) |
停止 | K | K(初期設定のまま) |
順方向に再生 | L | L(初期設定のまま) |
ブレード | command+B | F |
削除 | delete | D |
前のクリップを選択 | command+左矢印 | ; |
次のクリップを選択 | command+右矢印 | ’ |
これらのショートカットキーをつかって、どのようなカット編集をしていくか。具体的な手順を、このあとお話ししていきます。
ショートカットキーをつかったカット編集の手順
わたしがカット編集をするときには、まず、複数の「動画ファイル(クリップ、と呼びますね)」をひとつにまとめるところからはじめます。
まとめたい動画ファイルを選択したうえで、option+Gを押して「複合クリップ」をつくってみましょう。1本の動画ファイルとしてまとまるはずです。
それから、もうひとつ。前準備として、「ズームイン(command+^)」をしておくとよいでしょう。ズームインによって、タイムライン(Final Cut Proで編集をする場所)の表示を拡大することができます。
拡大しておくと、ピンポイントでのカットがしやすいですね。逆に、拡大していないと、カットしたい場所でうまくカットできない… ということが起きやすくなります。
ここまでできたら、あとは動画のアタマから再生しつつ、カット編集をはじめていきましょう。以下、手順は次のとおりです↓
- Lキーで、順方向に再生を開始
- カットしたい場所の「始点」でKキーを押して、再生を停止
- Fキーで、ブレードする(カットする)
- Lキーで、ふたたび再生を開始
- カットしたい場所の「終点」でKキーを押して、再生を停止
- Fキーで、ブレードする(カットする)
- ;キーで「削除したいクリップ(カットした始点と終点のあいだ)」を選択
※;キー(前のクリップ)と ’キー(次のクリップ)を使って選択するクリップを変更できます - 選択したクリップを、Dキーで削除
と、以上なのですが。
実際には、カットしたい場所の始点で、いちどでピタリと停止できることはないでしょう。あるていど先まで再生されたところで、「いまのところカットしたいな」と考えるはずです。
そこで、逆再生(Jキー)が必要になります。Jキーを押して、行き過ぎた場所から、カットしたい場所の始点まで戻りましょう。戻ったら、Kキーで停止。Fキーでブレード、という流れです。
しかし、これもまた、そううまくはいかないでしょう。逆再生して停止したけれど、その場所が思った場所とはちょっとズレている、ということはあるものです。
そこで必要になるのが、「Iキー(次のフレームに移動)」と「Uキー(前のフレームに移動)」になります。これらのキーを押すたびに、フレームを前後に動かすことが可能です。要は、コマ送り・コマ戻しができます。
これによって、カットしたい場所にしっかりと「再生ヘッド」をあわせることができるはずです。ショートカットキーをカスタマイズしているので、左手・右手ともに「ほぼホームポジション」のまま。
慣れると、かなりの高速で作業できるようになります。
なお、順方向に再生する際にLキーを使っているのは、倍速再生が可能だからです。Lキーは押すたびに再生スピードを上げることができます。ゆえに、再生ヘッドを早く移動したいときは便利です。
順方向の再生にはスペースキーを使う人が多いかもしれませんが、時短のためにはぜひ、Lキーを使いましょう(スペースキーは倍速再生できません)。これは、逆方向に再生するJキーをいっしょ。Jキーを押すたびに逆再生スピードが上がります。
キーボード上では、「J(再生)・K(停止)・L(逆再生)」の順に並んでいますから覚えやすく、直感的に操作できるのもいいですね。
そういう意味では、「U(前のフレームに移動)・I(次のフレームに移動)」と「;(前のクリップを選択)・ ’(次のクリップを選択)」も、覚えやすく直感的に作業できるようカスタマイズしています。
「U(前のフレームに移動)・I(次のフレームに移動)」は、それぞれ「左矢印キー・右矢印キー」でも操作はできますが、矢印キーはホームポジションを崩しますのでおすすめできません。
同じ理由で、「;(前のクリップを選択)・ ’(次のクリップを選択)」も、矢印キーを使わないようにカスタマイズしました。
カット編集で多用する「ブレード」や「削除」は、初期設定のままではなく、左手ホームポジションにカスタマイズしたことで、早くてラクちんを実現できます。
まとめ
Final Cut Proでのカット編集。早くてラクちんにしたいなら、ショートカットキーのカスタマイズがおすすめです。というお話をしてきました。ご参考になるようでしたら、幸いです。