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過剰在庫・保証協会の枠なし・要仕入資金→銀行融資を受けるには?【事例に学ぶ】

過剰在庫・保証協会の枠なし・要仕入資金→銀行融資を受けるには?【事例に学ぶ】

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過剰在庫、信用保証協会の保証枠は無い。仕入資金が必要だけれど、なかなか銀行からは融資が受けられない… それでも銀行融資を受けるにはどうしたらよいか?

実際の事例から汎用性・再現性が高い要素を抜き出してお話ししていきます。

じぶんがこの会社の社長だったらどうするか?

実際の事例から学ぶ銀行融資・銀行対応、今回は…

常時、在庫を必要とする物品販売業をいとなむ会社がありました。過去、見込み違いによって売れ残ってしまった在庫が積み重なり、「過剰在庫」の状況です。

とはいえ、仕入をしなければ売上は立たず、仕入資金を必要としています。過剰在庫の影響もあって、手元資金は少なく、融資を受けたいところですが、なかなか銀行の理解が得られません。

銀行としては、過剰在庫に対する融資をするわけにもいかず、融資をしたらしたで「また過剰在庫になるのではないか?」との不安があります。過剰在庫になれば、貸したおカネの返済が滞るかもしれない。

では、銀行の安心材料として信用保証協会の保証付き融資ならどうか? ところが、保証枠(限度額)はすでにいっぱいとのこと。現状では、保証付き融資を受けることができません。

まずは、じぶんがこの会社の社長だったらどうするか。対応をイメージをしてみたうえで、このあとのお話を確認していただければと思います。それでは、いってみましょう。

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過剰在庫・保証協会の枠なし・要仕入資金→銀行融資を受けるには?

過剰在庫の状況で、信用保証協会の保証枠は無い。仕入資金が必要だけれど、なかなか銀行から融資が受けられずにいた会社の事例があります。この事例から、汎用性・再現性が高い要素を抜き出したのがこちらです↓

本事例における汎用性・再現性が高い要素
  • 在庫の処分、目標在庫の設定
  • 受注リストの提示、販路の拡大
  • 社長の個人資産の開示、担保提供の検討

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

在庫の処分、目標在庫の設定

冒頭でもふれたとおり、銀行から融資を受けるにあたって問題になっているのは「過剰在庫」です。この状況を解消する必要があります。

とはいえ、時機を逸した商品もあり、すべてを正規の値段で売り切るのは難しい。でも、もしかしたら、いつかまた売れるようになるかもしれない。ゆえに、倉庫でホコリをかぶったまま放置… ということだったようです。

が、結局いままで売れなかったのですから、思い切って処分することにしました。二束三文と言える値段にはなってしまいましたが、引取先を見つけて売却。正常な在庫量に戻すことができました。

なお、融資を依頼する銀行には事前に、在庫を処分する旨の説明をしています。すべてを正規の値段で売るのはムリであること。二束三文とはいえ、現金化することができるメリットがあることなど。

そのうえで決算書上は、在庫処分にともなう損失(通常の売上総利益との差)は、「特別損失」に切り分けて表示。今回限りの損失であることを明示しました。これであれば、在庫処分にともなう減益で銀行を驚かせるのを避けられます。

これで、「過去の過剰在庫」は解消したわけですが。銀行としては、「未来の過剰在庫」が心配でしょう。過去に見込み違いを起こしているのだから、また見込み違いを起こすのではないか? という心配です。

そこで、事例の会社では「目標在庫量」を設定することにしました。各商品ごとに、過去の販売実績をベースに、適正と思われる在庫量を検討。これを目標在庫量として、それ以上の在庫量にならないように、管理する体制にしたのです。

この点、銀行に対して資料(商品ごとの目標在庫量)を提示しながら、「今後また、過剰在庫になるようなことはない」という説明をしました。

加えて、期中は定期的に試算表を提示して、目標在庫量と実績在庫量との比較・検証についても報告する旨を銀行と約束。結果、融資を受けられるようになったことから、一連の対応によって、過剰在庫に対する銀行の心配をやわらげる効果があったと考えています。

受注リストの提示、販路の拡大

銀行には、「未来の過剰在庫」に対する心配がある、という話をしました。これに対して、事例の会社では、あわせて別の対応もしています。ひとつは、受注リストの作成・提示です。

各商品ごとに受注先・受注量(実績+見込み)がわかる「受注リスト」を作成しました。商品が在庫のままにはならず、販売されるであろうことを、銀行にアピールするための資料です。

もちろん、会社としても、受注リストを参考に仕入量をコントロールできるので、銀行のためだけにつくった資料というわけでもありません。

また、いままでは「リアルでの卸売」という販路のみでしたが、ネット販売も開始。販路の拡大によって、過剰在庫になりにくい環境をつくる取り組みについても、銀行に伝えていきました。

結果、銀行は、事例の会社の商品・商売に対する理解を深めたようで、販売先を紹介(ビジネスマッチング)してもらえるようになったのもメリットです。

銀行はいま、ビジネスマッチングにもチカラを入れています。マッチングによって、融資先の商売がよくなれば、銀行もまた融資を増やして成長することができるからです。

ただ、マッチングをしてもらうにも、自社の商品・商売を銀行がわかっていなければできません。そんなの銀行はわかっているだろう、と思われるかもですが。意外と、わかっていないものです。

なにを売っているか、くらいはわかっているかもしれませんが。同業他社との違い、同種商品・サービスとの違い、顧客はだれか・エンドユーザーはだれか、販路はどうなっているか、など。

決算書からだけではわからないことも多く、ふだんのコミュニケーション(対話)が不足していると、伝わらないものです。ぜひ、機会をつくって、自社の商品・商売を銀行に伝えていきましょう。

そのときのツールとしては、ローカルベンチマークがおすすめです。くわしくはこちらの記事もどうぞ↓

会社が銀行に『事業内容』をあらためて伝えるべき3つの理由

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社長の個人資産の開示、担保提供の検討

事例の会社では、信用保証協会の保証枠がいっぱいであったため、プロパー融資を受ける必要がありました。プロパー融資は、会社が返済をできないときには、銀行が100%損をかぶる融資であり、銀行にとってはリスクが高い融資です。ゆえに、借りにくい。

なので、ひとつの方法としては担保を提供することです。不動産や定期預金など。ですが、担保を提供したい社長もなかなかいないでしょう。できれば、担保提供は避けたいものです。

ちなみに、事例の会社には、担保提供できるような資産はありませんでした。代わりにしたのが、社長の個人資産の情報開示です。社長個人名義の資産を一覧にして、融資を受けようとしている銀行に提示しました。

具体的には、預金(銀行名・支店名・金額)、不動産(種別・所在地・固定資産税評価額、抵当権の有無)、株式・投資信託(証券会社名・支店名・時価)、生命保険(保険会社・解約返戻金)です。

中小企業にあっては、会社と社長とは一体であり、社長個人の資産・負債を、会社の資産・負債とあわせて見るというのが、銀行の考え方になります。

ゆえに、社長に個人資産があるのであれば、情報開示することも検討してみましょう。

なお、実際に担保提供するかどうかは別の話です。担保提供しなくても、資産の存在がわかれば、銀行は社長個人の資産を返済原資として評価します。もちろん、担保提供を求められるケースもありますが、イヤなら断ればいい話です。

いずれにせよ、銀行にとって、なにかしらの安心材料があると、融資は受けやすくなります。なにか安心材料がないかを検討してみましょう。

別の事例として、「外為取引」を銀行に提供するというケースもありました。輸出入をしている会社では、外貨の両替、外国への送金、貿易取引(信用状の発行・手形決済など)の外為取引が発生します。

これらの取引を銀行が扱う際の「手数料」は、銀行にとって大きな収入源です。ゆえに、外為取引を提供してくれる会社に対して、銀行は融資に積極的になる傾向があります。銀行にとっては、継続的な手数料収入はひとつの安心材料です。

輸出入をはじめる場面では、外為取引を提供しつつ、その銀行から融資を引き出すようにしてみるとよいでしょう。

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まとめ

過剰在庫、信用保証協会の保証枠は無い。仕入資金が必要だけれど、なかなか銀行からは融資が受けられない… それでも銀行融資を受けるにはどうしたらよいか?

実際の事例から、汎用性・再現性が高い要素を押さえておきましょう。自社の銀行融資・銀行対応にも、役立てる場面があるはずです。

本事例における汎用性・再現性が高い要素
  • 在庫の処分、目標在庫の設定
  • 受注リストの提示、販路の拡大
  • 社長の個人資産の開示、担保提供の検討

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