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美しすぎるコーヒードリッパー対決!フラワードリッパーvsクリスタルドリッパー(V60も参戦)

美しすぎるコーヒードリッパー対決!フラワードリッパーvsクリスタルドリッパー(V60も参戦)

美しすぎるコーヒードリッパー、「フラワードリッパー」と「クリスタルドリッパー」について。比較対象の「V60」をまじえて、それぞれの違いをお話ししていきます。

目次

条件をそろえて、いざ尋常に勝負。

こんにちは、コーヒー好き税理士のモロトメジョーです。きょうもコーヒー、してますか?

さて、ハンドドリップをするときに、必要になるコーヒー器具と言えば「ドリッパー」です。ただ、ひとことで「ドリッパー」といっても、数え切れないほどいろいろあります。

そんなドリッパーたちのなかから、きょうは「美しすぎるドリッパー」を2つ選んで、お話をしていくことにしましょう。その2つとは、「フラワードリッパー」と「クリスタルドリッパー」です。

もうすでに、ネーミングから美しさがにじみ出ています。かたや「フラワー(花)」、かたや「クリスタル(水晶)」です。加えて比較対象として、コーヒードリッパー界(?)のエース「V60」をまじえての対決となります。

ただし、注意点として。今回は「抽出時の条件」をそろえることとしました。

具体的には、豆の種類(ブラジル サントス No.2)、挽き目(中挽き)、焙煎度(中深煎り)は同じ。豆(粉)の量は 20g、投入する湯量は 320g、湯温は 90℃、蒸らしは 30秒、湯を注ぐスピード・ペースは一定、といった具合です。

本来、そのあたりはドリッパーの特性を見ながら変えるべきだ、と考えれば。抽出時の条件をそろえるのはおかしい、との見方もあるのでしょうが。ドリッパーごとの違いを見極めるうえでの「便宜的」な方法、と見ていただけましたら幸いです。

なお、対決とは言っても、とくに「勝ち負け」を決めるものではなく。「みんな違ってみんないい」の精神で、それぞれの良さや違いなどを中心にお話をしていくスタイルですのであしからず。

というわけで。まずは、その結果がこちらになります↓

フラワードリッパークリスタルドリッパーV60
メーカー三洋産業キーコーヒーハリオ
味わいこく深い、まろやかあっさり、さわやかキレ、スッキリ
抽出速度超高速高速高速(〜低速)
おすすめ浅煎り浅煎り〜中煎り中煎り〜深煎り
1杯あたりの
推奨豆量
8〜12g10g8〜12g
難易度上級初級中級〜上級
価格719円549円356円

以上を結論として、対決のようすについて見ていきましょう。

ルックス対決

まずは、各ドリッパーのルックス(見た目)から。その美しさに酔いましょう。ひとまず、3つのドリッパーを並べてみます。はじめに真横からのようすがこちらです↓

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左から、フラワードリッパー、クリスタルドリッパー、V60

続いて、真上から見たようすがこちらになります↓

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左から、フラワードリッパー、クリスタルドリッパー、V60

いずれのドリッパーも一様に、それぞれの輝きを放っています。やはり、美しい。それぞれの美しさについて、順番に見ていくことにしましょう。見た目ばかりではなく、いずれ、その「機能美」にも驚きます。

咲きほこれ、フラワードリッパー

フラワードリッパーをつくっているのは、三洋産業です。

この会社、世界で初めて、円すい型のペーパーフィルターを開発しました。そんな三洋産業の、「コーヒーの旨味を最大限に抽出できる円すいドリッパーをつくりたい!」という熱い思いから生まれたのがフラワードリッパーです。

まずは、真上から見てみましょう↓

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リブが花びらのよう

まるで、花が咲いたかのよう。これが、フラワードリッパーたるゆえんです。ドリッパー内壁に刻まれた「リブ(溝)」は、「フラワーリブ」と呼ばれ、表面をえぐられたように「深い溝」をつくっています↓

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えぐられたように深い溝

この深い溝こそが、ほかのドリッパーとの決定的な違いです。これにより、ペーパーフィルターとドリッパーとの「張り付き」が最小限に抑えられるんですね。結果として、ペーパーフィルターとドリッパーとのあいだに「すきま」ができます。

その「すきま」が何をもたらすのかは、またのちほど。

さいごに、真横からの一枚も↓

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持ち手がキュート

持ち手の「曲線」がステキすぎます。フラワードリッパーとしての「油断のなさ」がうかがえるところです。ファン歓喜のルックスと言ってよいでしょう。

永遠の輝き、クリスタルドリッパー

続いては、クリスタルドリッパーです。「カギ」のロゴマークで有名な、キーコーヒー(KEY COFFEE)がつくったドリッパーになります。

そのキーコーヒーによれば、クリスタルドリッパーは「コーヒーを熟知したキーコーヒーの技術の結晶」なのだとか。「結晶」と「クリスタル」をかけたのか、どうなのか? たぶん、かけたのでしょう。

まずは、真横から↓

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輝きを放ち続ける

やべぇ、マジ輝いてる。これでも、プラスチック(ポリカーボネート樹脂)なんだぜ。もはや、美術品の域だろう。と、思わず興奮してしまうわたしは、ちょっとおかしいのでしょうか。いや、そんなことはないはずです。

だから、真上からも見てみましょう↓

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ドリッパーとは思えぬ複雑さ

うわっ… マジすげぇ。どうなってんのこれ。っていうか、ドリッパーとして必要なんだろうかこれ? と、むしろ心配になったりしてしまいます。でも、きちんと「理論」があるんですよね。この「ダイヤカット形状」に↓

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象徴的なダイヤカット

と、こんな感じで、クリスタルドリッパーの内壁面には、スゴい数の凸凹がほどこされています。この凸凹の「頂点(尖り)」よって、ペーパーフィルターを「たくさんの点」で支えるカタチです。

う〜ん、このあたりが唯一無二。これがどんな味わいを生み出すのか、楽しみになります。

世界よ、これがV60

さいごに、V60です。日本ではじめて耐熱ガラスを開発した会社、ハリオがつくりました。

2005年に発売されたV60は、コーヒーの世界を震撼させます。特徴的な見た目もさることながら、衝撃を与えたのがドリップの自由度。使い手に応じて、さまざまな味わいを作り出せるドリッパーとして注目されるようになったのです。

そのあたりはまたのちほど語るとして、ルックスを確認してみましょう。フラワードリッパーやクリスタルドリッパーのような「華やかさ」はありませんが、凛とした佇まい、洗練されたスタイルに美しさがあります↓

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飾らないエースの風格

このように、らせん状に「リブ」が刻まれています。一般的なドリッパーのリブは「直線」が多いなか、V60のリブは「らせん」であり、「曲線」。このリブが、V60特有の使い勝手、味わいを生み出すことになります↓

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特徴的ならせんのリブ
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溝自体は浅め

なお、V60については、有名3大ドリッパーである「メリタ・AF-M 1×2」と「カリタ・102D」との違いも記事にしています。よろしければ、そちらもどうぞ↓

味わい対決

続いて、味わい対決です。いくら美しくても、味がおいしくなければ、ドリッパーとしては役に立ちません。

もちろん、3つのドリッパーどれも、おいしくないなんてことはないわけですが。ルックス同様、味わいにも違いがありますので、そのあたりを確認していきましょう。

こく深さのフラワードリッパー

本対決における3ドリッパーのなかで、もっとも「こく」を打ち出すのがフラワードリッパーだと言えます。ちなみに、あくまで、わたしの個人的感覚ですから。オマエは間違っている! と言われたら、そうかもしれませんです。

でもまぁ、味の感じ方も人それぞれ。その感じ方の違いを、ああでもないこうでもない言い合ってみたり、比べてみたりするのもコーヒーの楽しさだったりします。結局、コーヒーはうまい。って、なんのハナシしてたんだっけ?

フラワードリッパーの「こく」のハナシです。さきほど、ルックスのところで見たように、フラワードリッパーは「深くえぐられたリブ」に特徴があります。これにより、ペーパーフィルターとドリッパーとに「すきま」ができるのでしたよね。

言い換えると、豆(粉)が膨らむ「スペースが大きい」ということです。コーヒーの粉はお湯を加えると膨らむわけですが、じゅうぶんに膨らむことができると、豆が持つ本来の旨味をより抽出できる、と言われています。

その最たるものが「ネルドリップ」です。ネルドリップとは、「ネル」と呼ばれる布製のドリッパーでコーヒを淹れる方法になります。

そんなネルドリップの味わいが、「こく深さ」や「まろやかさ」であり。フラワードリッパーはネルに近い味わいを出せるドリッパーとして、ほかのドリッパーとは一線を画すると言ってよいでしょう。

潔くさわやかなクリスタルドリッパー

クリスタルドリッパーの味わいを端的に言うのであれば、「さわやか」で「あっさり」です。このあとお話ししますが、クリスタルドリッパーには、抽出速度が「速い」という特徴があります。

誤解を恐れずに言えば、コーヒーは速く抽出するほど、コーヒーの成分を抽出しにくくなりますから、その分だけ、あっさりとした感じの味わいとなるものです。

また、抽出の早い段階では酸味が、遅い段階では「苦味」が優位になります。この点で、抽出が速いクリスタルドリッパーは、どちらかと言えば「酸味」が立つので、さわやかさを感じやすくなるのでしょう。

もちろん、ダイヤカットの形状もまた、味わいに関与しているわけですが。いずれにせよ、3つのドリッパーのなかでは、もっとも「さわやか」であり、「あっさり」だと感じたところです。

これぞ王道のV60

V60の味わいは、キレがあって、スッキリ。スッキリと言っても、けして「薄い」という意味ではなく、苦味も酸味もほどよくあるなかで、後味の残りが少なめ。そういう意味で、キレがある。これぞ王道なV60です。

個人的には、いちばん好きなドリッパーなので、淹れなれているし飲みなれているし。若干、ひいき目があるかもしれない… とは思いますが。多くの人に好き嫌いなく、受け入れられる味わいなのではないでしょうか。

なお、さきほどもチラッと書きましたが、V60は「ドリップの自由度」が売りでもあります。その自由度によって、いろいろな味わいを出せるのも魅力のひとつです。

3つのドリッパーのなかでは、淹れる人によって、もっとも味わいが変化するドリッパーだと言えます。

見た目はわからぬ、でも味の違いはわかるかも

ちなみに、淹れおわったコーヒはこちらになります↓

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左から、クリスタルドリッパー、フラワードリッパー、V60

違いはさっぱりわかりませんね。ですが、妻にシャッフルしてもらい飲み比べてみたところ、「なんとか」言い当てることができました。まぁ、運がよかっただけかもしれませんが。でも、味や香りなどに違いがあることは、飲み比べてみるとわかるはず。というくらいの「違い」はあります。

抽出速度

続いて、抽出速度について。少量のお湯を入れて、いったん蒸らしたあと。残りのお湯を投入して、淹れおわるまでのスピードはいかほどか。前述の味わいにもかかわるところです。各ドリッパーについて、順番に確認していきましょう。

目にも留まらぬ、フラワードリッパー

3つのドリッパーのなかで、抽出速度がいちばん速いのがフラワードリッパーです。繰り返しになりますが、その理由は「深くえぐられたリブ」にあります。

ペーパーフィルターとドリッパーとのあいだに「すきま」ができるために、お湯が速く落ちるんですね。これはもう、ほんとうに、圧倒的に速い。目にも留まらぬ、はさすがに言いすぎですが。他を寄せつけない速さと言ってよいでしょう。

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フラワーリブが「すきま」をつくる

でもなぜ、それだけ速くて、きちんと「こく」が出るのか? これもまたリブが理由でしょう。リブによってできた「すきま」によって、豆(粉)がじゅうぶんに膨らむことから、コーヒーの成分をしっかり抽出できているのだと思われます。

速いけど、こく深い。恐るべし、フラワードリッパー。美しいだけはありません。

高速安定のクリスタルドリッパー

3つのドリッパーで比べると、おそらく2番めに速いのがクリスタルドリッパーです。ただ、V60とは競る感じにはなりますので、淹れ方によっては3番手になる可能性はある。そんな感じです。

だとしても、一般的なドリッパーのなかでは、高速の部類に入ります。フラワードリッパーが速すぎるんですね。

それはそれとして、クリスタルドリッパーの抽出速度の特徴といえば、その「安定性」でしょう。ほどこされた「ダイヤカット」に沿ってお湯が流れるとのことなので、たくさんのお湯を注いだとしても、落ちるスピードは一定に近づきます。

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ダイヤカットに沿って湯が落ちる

自由度は低いけれど、高速安定。結果として、だれが淹れても「さわやか・あっさり」なコーヒーができあがるのではないか? というのが、わたしの考えです。

淹れ手の自由自在、V60

3つのドリッパーのなかでは、もっとも遅い抽出速度になるのがV60。とはいえ、ドリッパー全体のなかでみれば、「高速ドリッパー」と呼ばれています。

実際、速いんですよね。とくに、「出足」が速い。ところが後半、ドリッパー内の湯量が少なくなってくると減速します。これも「意図」したつくりなのでしょうが。V60は、先行逃げ切りタイプの速さです。

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らせんのリブがお湯を導く

これに対して、フラワードリッパーは後半追い込み型です。後半に向かって、スーッと伸びてくる感じ。クリスタルドリッパーは、淡々と速い。同じドリッパーなのに、いろいろ違いがあっておもしろいですよね。

そんなV60は、再三のお話ですが、ドリップの自由度が高いのが特徴になります。ゆっくりじっくり低速で淹れることもできれば、高速で淹れることもできる。結果、味わいを自由に変えられるのも、V60のおもしろさです。

おすすめのシーン

スペシャルティコーヒーなら、フラワードリッパー

コーヒー豆の分類として、「スペシャルティコーヒー」というものがあります。要は、「最高品質」のコーヒーがスペシャルティコーヒーです。そんなスペシャルティコーヒーと言えば、「浅煎り(焙煎度が浅いもの)」が定番でしょう。

そんな浅煎りコーヒーは、短時間の抽出でしあげるのがセオリーです。逆に、抽出時間が長くなると、酸味を含めてキツい味になってしまうから。粉を細かめに挽いて、少し熱めのお湯(90℃超)で淹れるのがよいでしょう。

こういった淹れ方をするにあたって、超高速のフラワードリッパーは最適だと考えます。

浅煎り〜中煎りは、クリスタルドリッパー

クリスタルドリッパーもまた高速の部類ですから、浅煎りに適しているといえるでしょう。とはいえ、フラワードリッパーよりは一段遅くはなりますので、中煎りくらいまでのコーヒーを淹れるのによいのでは? と、考えています。

前述したとおり、クリスタルドリッパーはわりと「あっさり」の味わいですから。深煎りのコーヒー(ふつうは苦味が強く出ます)を、あえてやわらかい感じで飲みたい場合などにも、よいかもしれません。

しいていえば深煎りを、V60で

どんなシーンでも、どんと来い。が、V60です。浅煎りでも中煎りでも。ここでは、しいていえばということで、深煎りのシーンを推しておきます。ほかの2つのドリッパーとの違い、として。

フラワードリッパーやクリスタルドリッパーと比べるのであれば、深煎りの特徴をいちばん引き出せるのはV60でしょう。なんといっても、抽出速度のコントロール幅が大きい。高速ドリッパーにもかかわらず、じっくり濃いめの深煎りを楽しむことができます。

難易度

これまでの話をふまえて、それぞれのドリッパーを使うにあたっての難易度に触れおきます。あくまで、わたし基準ですけれど。

難しすぎるぜ、フラワードリッパー

気がついたら、お湯が落ちきっているほど速いフラワードリッパー。さながら暴れ馬のごとくで、あつかいが難しいドリッパーだと言えます。また、ドリップする以前の難しさもあるでしょう。

つまり、どれほどの焙煎度の豆を使うか、挽き目はどうするか。湯温はどうするか。このあたりはほかのドリッパーであっても考えるわけですが、抽出速度が速い分だけ、より念入りに考える必要があるでしょう。

ドリップ前・ドリップ時の両面で、難易度上級と位置づけることとします。

初心者歓迎、クリスタルドリッパー

見た目の高貴さとはうらはらに、来る者拒まず、初心者歓迎といえるのが、クリスタルドリッパーです。ダイヤカットの内壁によって、流れ落ちるお湯のスピードが一定化するため、だれが淹れても味わいが安定しやすくなります。

これからハンドドリップをはじめる、というような場合には。クリスタルドリッパーをおすすめしたいと思います。

奥深き、V60

ドリッパーはいっぱいあるけれど、まずどれを買ったらいいかわからない… というのなら。V60を買っておけば、間違いないでしょう。なんだか投げやりに聞こえるかもしれませんが、V60があればなんとかなります。たぶん。

自由度が高いだけにカンタンなドリッパーではないものの。ハンドドリップの楽しさ・難しさを存分に味わえるのがV60だと言えます。いろいろな淹れかたを試しながら、コーヒーの奥深さを楽しみましょう。

というわけで、難易度としては中級以上で。

まとめ

美しすぎるコーヒードリッパー、「フラワードリッパー」と「クリスタルドリッパー」について。比較対象の「V60」をまじえて、それぞれの違いをお話ししてきました。

いちおう「対決」と銘打ちましたが。どのドリッパーにも「個性」があります。みんな違って、みんないい。その違いを理解しながら、じぶんに合ったドリッパー、場面に応じたドリッパー選ぶにあたって、本記事がご参考になれば幸いです。

美しすぎるコーヒードリッパー対決!フラワードリッパーvsクリスタルドリッパー(V60も参戦)

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