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【決定版】融資を受ける会社の、銀行への試算表の渡しかた

【決定版】銀行への試算表の渡しかた
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銀行が融資審査をするうえで、「参考ていど」にしているのが試算表。参考ていどであったとしても、参考になるのであれば、より参考にしてもらえるように。そのための「渡しかた」についてお話をしていきます。

目次

参考ていどにでもなるのなら。

融資を受けている会社が、銀行に渡す書類として、「決算書」と「試算表」とがあります。どちらも、「数字」を記載しているのが共通点です。

ところが、一般的に、銀行が融資審査をするうえで重視しているのは決算書。試算表は「参考ていど」、とのハナシがあります。たしかに、決算書と試算表の「重み付け」としてはそのとおりでしょう。

ただ、参考ていどであったとしても、「参考になる」のもまた事実。だとしたら、会社は「銀行にとって、より参考になる試算表」を提供したいものです。

この点で、ポイントは、試算表の「渡しかた」にあります。同じ試算表でも、渡しかたによって、融資を受けやすくすることもあれば、受けにくくすることもある。と、考えておきましょう。

そこで、銀行への試算表の渡しかたについて、お話をしていきます。

ちなみに、当ブログではなんどかふれてきた話でもありますが、今回はその総まとめ。いままでふれていなかったことも含めての「決定版」として。具体的にはこちらです↓

【決定版】銀行への試算表の渡しかた
  • 四半期にいちど(あるいは毎月)
  • 資金繰り表といっしょに
  • 前期比・月次推移を添えて
  • 計画対比も添えて
  • これからの商売の話をしよう

それではこのあと、順番に見ていきましょう。


【決定版】銀行への試算表の渡しかた

四半期にいちど(あるいは毎月)

まずは、試算表を銀行に渡すタイミングから。融資を受けようとするときに、銀行から言われたら渡す。はっきり言って、それは「最悪の渡しかた」になります。

基本的に、銀行は「試算表を信じていない」からです。試算というぐらいですから、内容としては「仮」の数字であって精度が低い。ヘタをすると、「粉飾(利益の水増し)」されている。

というのが、多くの銀行員の見方で間違いないでしょう。ですから、言われて渡すような試算表については、「はいはい、試算表ね」と、まさに「参考ていど」になってしまうのです。

ではどうしたら、試算表を信じてもらえるのか。ひとつの方法が、試算表を「定期的に渡すこと」になります。定期的に渡すということは、前回渡したものとの「整合性」が必要です。

さかのぼって数字を直した場合(訂正にせよ、粉飾にせよ)、前回と今回の試算表とを比較することで、銀行も把握ができるようになります。また、試算表と決算書との整合性も同様です。

試算表では粉飾して利益を出しておきながら、決算書では結局赤字… という会社があります。そういう会社の試算表は信じてもらうことができません。いっぽうで、試算表と決算書との整合性がとれる会社の試算表は、銀行からの信用が高まります。

信用度が高い試算表であれば、より参考にされるようになるのは当然です。ゆえに、銀行が信用度をはかれるように、試算表を定期的に提示しましょう。目安は、「四半期にいちど」です。

銀行担当者に会社まで取りに来てもらうことを想定していますので、銀行側の負担感を考えると、そのくらいがちょうどよいでしょう。なお、いまどきはメールでのやりとりができる銀行も増えていますから、「毎月メールで送る」のも選択肢のひとつです。

毎月のほうが、四半期よりもさらに整合性が問われます。それでも毎月渡せるということは、整合性に自信があることのあらわれ。銀行からの信用も、より高まるというものです。もし、整合性がとれていなければ、逆効果になるのは言うまでもありません。

資金繰り表といっしょに

試算表を渡すときには、資金繰り表といっしょに渡すようにしましょう。よく言われることに、「利益はウソをつくが、おカネはウソをつかない」というハナシがあります。

いうなれば、利益とは「試算表」であり、おカネとは「資金繰り表」です。試算表は「粉飾」ができますが、資金繰り表の「粉飾」は難しいものがあります。資金繰り表であつかう「預金の残高」は、記録が明確に残るものでもあり、ウソがつきにくいからですね。

だとすると、資金繰り表と試算表とを見比べることによって、試算表の粉飾を見抜けるかもしれない、と考えられるでしょう。実際、銀行もそのような見方をしています。

資金繰り表は、おカネの動きや残高を把握するツールであると同時に、「粉飾発見ツール」でもあるのです。そんな資金繰り表は、銀行にとって役立つものですし、資金繰り表を素直に渡してくる会社は「粉飾の可能性も少ないだろう」との評価もあります。

なお、銀行の渡す資金繰り表は、「3ヶ月ていどの実績と、向こう1年ていどの予測」としてつくるのがおすすめです。

実績がない資金繰り表は、予測の検証が難しくなります。すると、「予測は良いように描いただけ」と見られかねません。また、予測の期間が短すぎると、「季節変動(1年周期での変化)」が見えないために、資金繰り予測としては不十分です。

また、つくった資金繰り表は、毎月試算表ができたタイミングで、ひと月分の「更新」をします。対象になる月を、ひと月ずつずらして、内容をあたらしくしていくということです。

このあたりに注意しながら、試算表を資金繰り表といっしょに渡しましょう。

前期比・月次推移を添えて

試算表を銀行に渡すときに、「対象の期間分」だけの試算表を渡している会社が多いようです。たとえば、3月決算の会社があったとして、いまが7月だとしたら。期首の4月から6月分の決算書を渡す、といった具合です。

結論として、「同対象期間の前期比」と、「4月〜6月の毎月の月次推移」の試算表を添えるようにしましょう。前期比も、月次推移も、会計ソフトがあれば難なく印刷できるはずです。

ではなぜ、それら前期比や月次推移まで渡す必要があるのか?

ひとつは、粉飾の疑いを晴らすためです。たびたびの話になりますが、粉飾は銀行にとっての関心事です。なぜなら、それくらい試算表の粉飾は多いからでもあります。

この点で、前期比や月次推移があると、やはり「整合性」がはかりやすくなるため、粉飾があれば、それを見抜ける確率が上がるものです。だから、前期比や月次推移の資料は、銀行にとってありがたいものになります。

それから、もうひとつ。前期比や月次推移があると、「業績の変化」がわかりやすくなるのもメリットです。たとえば、同じ売上高 1,000万円でも、前年も 1,000万円なのと、前年は 500万円なのとでは、まるで状況が違うことはわかるでしょう。

同じように、前月や前々月と比べてみて… という見方もできます。前期や前月などと比べて、業績が良くなっていれば、銀行としては融資がしやすいわけですから、業績の変化がわかる前期や月次推移の資料は重要です。

繰り返しになりますが、会計ソフトで難なく印刷できる資料なのですから、次回からはぜひ、試算表には「前期比・月次推移」を添えて渡すようにしましょう。

計画対比も添えて

試算表に添えるものとして、もうひとつ。「計画対比」が挙げられます。これは、「計画があれば」ということにはなりますが。ここで言う「計画」とは、事業計画(経営計画)です。

あたらしい期がはじまる前に、向こう1年の事業計画書を作成する。そのなかには、「数値計画」が含まれます。その数値計画と、実際の数字(試算表)との差異はどうなのか?

これを、「計画対比」として書類にまとめます。たとえば、いまが2月であれば。まずは、2月の計画値(計画書の数字)を、勘定科目ごとに縦に記載する。そのとなりに、2月の実績値(試算表の数字)を記載する。さらに、そのとなりには、計画値と実績値との差額を記載する、という書式です。

では、この計画対比があるとどうなのか?

ひとつは、単純に「計画的な会社だなぁ」という評価があります。すべての会社が、計画書をつくっているわけではなく、どちらかと言えば少数派です。また、計画書をつくっていたとしても、毎月、計画対比で確認をしている会社となると、超少数派だと言ってよいでしょう。

銀行もそれを知っていますから、計画対比を渡せるような会社には一目置いているものです。

それから、もうひとつ。計画対比があると、粉飾発見に役立つという面もあります。また、粉飾か… ということではありますが。それはそれとして、粉飾をすれば、どこかしらの数字が歪むものです。

いっぽうで、計画値については粉飾を前提にしていませんから、歪みがありません。ゆえに、計画値と実際の数字とを比較することで、実際の数字の歪みはより目立ちやすくなります。

そう考えると、計画対比を渡せるということは、「粉飾がない、という自信がある」ことのあらわれだとも言えるでしょう。

これからの商売の話をしよう

試算表を渡すときに、「はい、どうぞ」と渡しておしまいにしてはいないでしょうか。試算表を渡すにあたって、せっかく銀行と話ができる「機会」があるのなら、ぜひ「これからの商売の話」をしましょう。

これからの商売の話とは? 会社の今後の方向性や、今後の業績見込み、さらには、自社の商売の内容について、などです。とくに「商売の内容」については、あまり話をしていない会社もあるようですから気をつけましょう。

言うまでもありませんが、会社がどんな商売をしているのかは、銀行にとって「だいじな融資判断の材料」のひとつです。カンタンに言えば、会社は「だれに・なにを・どのように売っているのか?」。

これは、言い換えると「ビジネスモデル」にあたります。ビジネスモデルの良し悪しが、「会社の将来を決める」と言っても過言ではありません。仮にいまは利益が出ていないとしても、ビジネスモデルがよければ、いずれ近々、利益が急増することはあるわけです。

逆もまたしかり。いま利益が出ていても、ビジネスモデルが悪ければ(偶然性が高い、衰退傾向にあるなど)、いずれ近々、利益が急減することもあります。

当然、銀行はそのあたりにも関心を持っていますから、会社は折を見て、自社の商売について話をすることが大切です。ところが、その「折」がなければ、なかなか話もできません。

試算表を定期的に渡すという、せっかくの機会があるのであれば、ぜひそのときに、商売の話をするようにしてみましょう。

とはいえ。なかには、商売のことにはあまりふれずに、決算書の数字ばかりで考えようとする銀行(員)があるのも現実です。そこは話をしながら、あまりピンときていないようなら、身を乗り出して話を聞いてくれるような銀行を探すのもよいでしょう。

そういう銀行は、融資ばかりではなく、ビジネスマッチングやコンサルティングを通じて、会社の事業を本気で支援してくれる可能性が高いと言えます。さまざまな会社があるように、銀行もさまざまです。


まとめ

銀行が融資審査をするうえで、「参考ていど」にしているのが試算表。参考ていどであったとしても、参考になるのであれば、より参考にしてもらえるように。そのための「渡しかた」についてお話をしてきました。

せっかく試算表を渡すのであれば、融資を受けやすくする渡しかたができるようにしましょう。

【決定版】銀行への試算表の渡しかた
  • 四半期にいちど(あるいは毎月)
  • 資金繰り表といっしょに
  • 前期比・月次推移を添えて
  • 計画対比も添えて
  • これからの商売の話をしよう
【決定版】銀行への試算表の渡しかた

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