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銀行融資は「受ける回数」をどれだけ減らせるかがだいじ

銀行融資は「受ける回数」をどれだけ減らせるかがだいじ

銀行融資は受ける回数を減らす。というのは、会社における銀行融資・銀行対応のポイントのひとつ。逆に、受ける回数が増えると、会社はいろいろと不利益をこうむりますよ。という、お話です。

目次

ご利用回数は少なめに。

会社における銀行融資・銀行対応のポイントはいろいろありますが。意外と理解されていない、あるいは、意外と実践されていないのが「受ける回数を減らす」ということでしょう。

この点で、「おカネがが必要になるつど、融資の申し込みをしている」のであれば、それは「受ける回数が増えている」ということです。すると、会社はいくつかの不利益をこうむります。

ゆえに、銀行融資は「受ける回数」を減らしましょう。でもなぜ、受ける回数が増えるとダメなのか? 受ける回数が増えることで、会社はどのような不利益をこうむるのか? 具体的には次のとおりです↓

銀行融資を受ける回数が増えることで会社がこうむる不利益
  • 資金繰りがいっそう悪くなる
  • 銀行から嫌われる
  • 会社の業績がさらに落ち込む

これらは、はたしてどういうことなのか。このあと、順番に確認をしていきましょう。

銀行融資を受ける回数が増えることで会社がこうむる不利益

資金繰りがいっそう悪くなる

銀行融資を受ける回数が多い会社、つまり、ひんぱんに融資を受ける会社ではなにが起きるのか? よくある「現象」は、借入口数の増加です。

1回の借入を「1口」と数えるのであれば、なんども融資を受けることで、3口、5口、7口… と増えていくケースが多くなります。すると、「資金繰りがいっそう悪くなる」という不利益に気をつけなければいけません。

これを聞いて、「いやいや、融資を受けているのだから、資金繰りはよくなるだろう」と思われるのであれば違います。借入口数が増えると、資金繰りは逆に悪くなるのです。

その理由は、きわめてシンプル。借入口数が増えるということは、返済口数も増えるということだからです。念のため、カンタンな事例で確認をしておきましょう。

たとえば、360万円を3年返済(36ヶ月返済)で借りている会社があったとします。毎月の返済は 10万円です。では、この借入を完済する前に、あらたに 360万円を同じ条件で借りたとします。

すると、毎月の返済は 10万円から 20万円に増えてしまう… では、またあらたに 360万円を借りたら…? 当然、毎月の返済は 30万円に増えます。借りれば借りるほど、返済が多くなる。結果として、融資を受けているのに資金繰りが厳しく感じる… という状況です。

こういった状況を避けるためには、融資を受ける回数を抑えること。そのうえで、借入口数を増やさないように借りるのがポイントになります。具体的には、「一本化」です。

さきほどの例であれば、2口めの 360万円を借りるときには、1口めの借入残高とあわせて、1口にまとめて借り直します。そのうえで、返済期間を3年にできれば、返済額を抑えることが可能です。

そのあたり、くわしくはこちらの記事も参考にどうぞ↓

銀行員は、どちらかと言えば、一本化を嫌います。銀行から見たときには、回収期間までの期間が長くなるため、リスクとなるからです。なので、銀行がすすめるままに融資を受けていると、口数が増えてしまうことがあります。

とくに、おカネが足りなくなるつど、「急いで」融資を受けようとする会社では、銀行に対して落ち着いて相談(あるいは交渉)もできません。時間的な余裕がないからです。結果、銀行にとって都合のよい貸しかた(口数を増やす)になりがちであることを理解しておきましょう。

銀行から嫌われる

銀行にとって、融資を受ける回数が増えることにはデメリットがあります。いやいや、回数が増えれば融資が増えるのだから、銀行はもうかって喜ぶだろう。と、思われるかもしれませんが。

融資をするにも、手間と時間がかかります。銀行担当者は、忙しいなか、稟議書をつくらなければいけない。できあがった稟議書を、融資課長なり、支店長なりが決済するのにも、手間や時間がかかります。つまり、融資をするにも「コスト」がかかるわけです。

融資の回数が増えるほど、そのコストも増えることになるので、銀行は「できるだけ、まとめて大きく貸したい」と考えています。なんどもなんども融資をするのはメンドーだ、これが銀行の考え方です。

したがって、ひんぱんに融資の依頼をしているようだと、銀行からは嫌われることを覚えておきましょう。加えて、融資を受ける回数が増えると、銀行から嫌われる理由があります。

それは、「この会社のおカネの借りかたは良くない」と見られるからです。なんどもなんども、おカネが足りなくなる、そのつど、場当たり的に融資を受けているのは「無計画」のあらわれ。

無計画な会社の返済が、とどこおる可能性が高いのは言うまでもなく、銀行が嫌うのももっともでしょう。最終的には、融資が受けにくくなるのは、会社にとって不利益です。

逆に、「計画的な借入」とは? あらかじめ必要な金額を見積り、まとめて融資を受けようとすることです。いちばんのタイミングは、「決算がおわったあと(税務申告がおわったあと)」になります。

そのタイミングで、向こう1年の資金繰り予定表を作成して、どれだけの銀行融資が必要かをあきらかにしましょう。まずは売上計画があり、投資計画があり、それにもとづいて資金繰り予定表を作成した結果、資金ショートしないためには、いくらのおカネが必要か。

そのおカネを借入計画として、資金繰り予定表のなかに折り込みます。こうしてできあがった資金繰り予定表と決算書をもって、銀行へ決算報告に行く。借入計画について、銀行に対して融資提案を求める。というのが、計画的な借入の「具体的方法」になります。

会社の業績がさらに落ち込む

さいごに、もうひとつ。銀行融資を受ける回数が増えることで会社がこうむる不利益は、「会社の業績がさらに落ち込む」です。はっきり言って、これが最大の不利益でしょう。

でもなぜ、融資を受ける回数が増えると、会社の業績が落ち込むのか? それは、融資をひんぱんに受けるような会社の社長は、「資金繰りに追われている」ことが多いからです。

おカネが無くなれば、会社はつぶれてしまいます。ゆえに、資金繰りは「最優先」です。資金繰りに追われている社長は、いつも資金繰りが最優先の仕事になってしまいます。

仕入先への支払を遅らせてもらうために交渉をする。売上先から前受でおカネをもらえないかの交渉をする。税金や社会保険料の分割払いを検討する。銀行融資の依頼も、そのひとつです。

こういった資金繰りの仕事は、時間を使うのはもちろん、神経も使います。すると、社長にはストレスや疲労がたまりますし、気力・体力が減退してしまうこともあるでしょう。

こうなると、社長は「社長本来の仕事」ができなくなります。社長本来の仕事とは、もちろん、「経営」です。経営とは、言い換えると、会社のあすを考えて、あすのためにきょう手を打つこと。

資金繰りに追われる社長には、会社のあすを考える時間も、あすのために手を打つ時間もなくなってしまいます。これでは、会社の業績がよくなるはずもありません。

もともと業績が落ち込んでいるから、資金繰りに追われているはずであり。そのうえさらに、社長が経営に集中できないのであれば、さらに業績が落ち込んでしまいます。資金繰りもいっそう悪くなるでしょうから、強烈な負のスパイラルです。

こういった状況に陥らないようにするには、あるいは、断ち切るためにはどうするか? あらかじめ、まとまった金額の融資を、いちどで受けておくのは1つの方法です。

前述したとおり、決算がおわったタイミングで、向こう1年に必要なおカネを借りることができたとしたらどうでしょう? 社長は、向こう1年のあいだ、資金繰りの仕事からは解放されることになります。

これは、会社の業績、会社の経営を考えるうえでは、大きなメリットになるはずです。なにしろ、社長は 100%経営に集中できます。融資はつど受けるのではなく、受ける回数を減らすことを考えてみましょう。

まとめ

銀行融資は受ける回数を減らす。というのは、会社における銀行融資・銀行対応のポイントのひとつ。逆に、受ける回数が増えると、会社はいろいろと不利益をこうむりますよ。という、お話をしてきました。

どうしたら、受ける回数を減らすことができるのかもあわせて、押さえておきましょう。

銀行融資を受ける回数が増えることで会社がこうむる不利益
  • 資金繰りがいっそう悪くなる
  • 銀行から嫌われる
  • 会社の業績がさらに落ち込む
銀行融資は「受ける回数」をどれだけ減らせるかがだいじ

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