世の中の金利が高くなったら社長が確認しておきたい3つのこと

世の中の金利が高くなったら社長が確認しておきたい3つのこと

世の中の金利が高くなるほうへと向かっているいま、社長が確認しておきたい3つのことについてまとめます。会社の銀行融資に関わるお話です。

目次

金利が高くなると、おカネを借りにくくなる。

きょうは、2023年1月30日。いま世の中は、いろいろな理由があいまって、金利は高くなるほうへと向かい始めています。

社長にとって、金利といえば「借入金利」です。金利が高くなれば、銀行融資の利息も高くなる。返済負担が増えるわけですから、おカネを借りにくくもなるでしょう。

そんないま、社長が確認しておくべきことがこちらです↓

世の中の金利が高くなったら社長が確認しておきたい3つのこと
  1. 金利の下げ方を知る必要がある
  2. 銀行からの支援が得やすくなる
  3. 節税効果を理解することが大事

いったいどういうことなのか? このあと順番に確認していきましょう。

世の中の金利が高くなったら社長が確認しておきたい3つのこと

金利の下げ方を知る必要がある

ここしばらくは、世の中の低金利が定着していました。ゆえに、銀行融資の金利について「下げ方」を知らなくても、それほど大きな問題になることはなかったはずです。

ところが、金利が高くなれば、そうも言っていられません。同じ金額のおカネを借りるでも、返済負担がだいぶ変わることになりますから、金利の「下げ方」を知る必要があります。

まず、いちばんの方法は「利益を出すこと」です。銀行は、利益が大きい会社ほど「安心・安全な会社」と評価して、金利を引き下げることができます。

逆に、利益が少なかったり赤字だと、「危険な会社」だと評価して、金利を引き上げざるをえません(それでも危険なら、融資をしない)。言われてみれば、あたりまえのお話です。

が、目先の税金を少しでも減らそうと、「あえて利益を減らす」社長もいますから気をつけましょう。せっかく税金が減っても、金利が高くなってしまうのでは効果も半減です。

なにより、利益を減らせば、融資が受けにくくなったり、受けられる融資の額が減ってしまいます。融資可能額は、利益に比例することを覚えておきましょう。

というわけで、金利を下げたければ、まずは「出せる利益を惜しまず出す」ことです。加えて、「3つの金利」を理解して、銀行との金利交渉ができるようになりましょう。

3つの金利とは、「他行金利」「実質金利」「貸出約定平均金利」の3つです。これを聞いて、わからないものがあれば、こちらの記事でいますぐ確認を↓

これら3つの金利を交渉の材料にできれば、銀行に対して金利を引き下げやすくなります。いっぽうで、なんの材料もなく交渉をしても、金利の引き下げはのぞみ薄となってしまうでしょう。

銀行からの支援が得やすくなる

金利の下げ方を知ったとしても、世の中の金利が上がれば、結局は以前ほど金利は低くない… ということになるかもしれません。

では、金利が高くなることにはデメリットしかないのか? といえば。けしてそういうわけでもなく、「銀行からの支援が得やすくなる」というメリットがあります。

金利が高くなるということは、銀行にとって「収入が増える」ということ。であれば、いままでよりも、融資先により手をかけることができます。いままでよりも支援がしやすい、ということです。

たとえば、経営・財務に関するアドバイス、課題解決の検討・提案、取引先のマッチングなど。そのため、銀行担当者が会社に訪問する回数が増えるかもしれません。

そのような銀行の支援は、中小企業にとって大きなチカラになるはずです。なので、社長は「金利が高くなれば、銀行からの支援が得やすくなる」ものと考えておきましょう。

そのうえで、銀行からの支援が得やすい「体制」づくりをすることです。銀行も、だれかれかまわず支援するわけではありません。支援しやすい会社と、支援しにくい会社があるからです。

では、支援しやすい会社とは? 銀行が支援するにあたって、「必要な情報」が整理されている会社になります。

必要な情報とは、たとえば、毎月の試算表、随時更新されている資金繰り予定表、借入金一覧表、経営計画書など。そういった情報があれば、情報をもとに支援がしやすくなります。

逆に、情報がなければ、融資先の状況をつかみづらく、支援がしにくくなってしまうでしょう。そういう会社は当然、融資も受けにくくなります。

世の中の金利が高くなれば、情報整理の出来不出来が、これまで以上に銀行融資に影響することになるはずです。情報整理ができるよう、自社の体制づくりに努めましょう。

節税効果を理解することが大事

金利が高くなっても、メリットはある。銀行からの支援が得やすくなることが、その1つ。という話をしました。加えて、もう1つメリットがあります。それは、節税効果です。

銀行に支払う利息は、会社の「経費」になります。経費になるということは、それだけ利益を減らすことになるわけですから、その分、税金が減る。つまり、利息には節税効果があります。

たとえば、1,000万円を金利2%で借りたとして。年間の利息は、20万円です。法人税率を 30%とすれば、節税効果は6万円(20万円 × 30%)。実質的な利息は、14万円(20万円 − 6万円)と考えることができます。

では、金利が4%になったとしたらどうでしょう。年間の利息は、40万円。節税効果は「12万円(40万円 × 30%)」です。実質的な利息は、28万円(40万円 − 12万円)と考えることができます。

この点で、節税効果を理解せず、表面的な利息である「20万円」と「40万円」で比較をすると、金利が上がったことで、支払う利息が「20万円も増えた…」となるでしょう。

ところが、節税効果を理解していれば、実施的な利息である「14万円」と「28万円」の比較になるので、金利が上がったことで増えた利息は「14万円」にすぎません。

というわけで、節税効果を理解していないと、増えた利息に対して「過剰反応」しがちになるのが問題です。「20万円も増えた…」と考えれば、おカネを借りるのがイヤになるかもしれません。

おカネを借りずにすめばよいのですが、本来借りるべきはずのおカネを借りずにいれば、資金繰りをおかしくしてしまうこともあるでしょう。それでは本末転倒です。

利息の支払いは、節税効果をふまえて考えるようにしましょう。

まとめ

世の中の金利が高くなるほうへと向かっているいま、社長が確認しておきたい3つのことについてまとめました。会社の銀行融資に関わるところですから、押さえておきましょう。

「金利が高いから融資を控える」とばかり考えていると、会社の資金繰りを悪くしてしまいますから気をつけなければいけません。

    世の中の金利が高くなったら社長が確認しておきたい3つのこと
    1. 金利の下げ方を知る必要がある
    2. 銀行からの支援が得やすくなる
    3. 節税効果を理解することが大事
世の中の金利が高くなったら社長が確認しておきたい3つのこと

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