創業融資を受けるにあたって、できるだけ多くの金額を借りたい! というのなら。そのコツを押さえておきましょう。知っているかいないかで、借りられる金額に差が出るところです。
後悔がないように、あらかじめ押さえておく。
創業融資を受けるにあたって、できるだけ多くの金額を借りたい! というのであれば、ちょっとしたコツがあります。知っているかいないかだけで、借りられる金額に差が出るところです。
おもなところでは、次の3つが挙げられます↓
- 自己資金を用意する
- 売上見込を明示する
- 協調融資を申し込む
このあと、順番に解説をしていきます。創業融資で借りられる金額の大小は、その後の事業の維持や成長に影響を及ぼすものです。後悔がないように、あらかじめ押さえておきましょう。
創業融資でより多くの金額を借りるコツ3選
1.自己資金を用意する
創業融資で借りられる金額の目安は、「自己資金の2〜4倍まで」と覚えておきましょう。つまり、自己資金の額が多いほど、たくさん借りられる可能性が高いということです。
ちなみに、自己資金とは「誰にも返さなくていいおカネ」であり、たとえば「貯金」がそれにあたります。いっぽうで、「誰かから借りてきたおカネ」は自己資金ではありません。
自己資金を多く見せかけるために、一時的に知人・友人などからおカネを借りる人がいますが、銀行はそれを見抜きます。自己資金について、詳しくはこちらの記事もどうぞ↓
話を戻して、創業融資で借りられる金額は、「自己資金の2〜4倍まで」です。したがって、創業するときまでに、どれだけ自己資金を準備できるかが大事だと言えます。
なお、せっかく自己資金があるのに、自己資金が創業融資に影響することを知らず、損をしているケースがあるので気をつけましょう。たとえば、複数ある預金口座のうち1つを銀行に見せないとか。
事業に使える預金があるのなら、すべて銀行に見せるほうが、借りられる金額は多くなります。ちなみに、創業融資を受けるときには、自己資金の証として「通帳の提示」が必要です。
また、配偶者の同意があれば、配偶者名義の預金も自己資金と見てもらえる可能性もあります。自分の預金だけでは不十分だとおもわれる場合には、あわせて検討してみるとよいでしょう。
自己資金がなければ、絶対に希望額を借りられないわけではありませんが、自己資金があったほうが、希望額を借りやすくなるのはたしかです。できるだけ自己資金を用意しましょう。
2.売上見込を明示する
さきほど、創業融資で借りられる金額の目安は「自己資金の2〜4倍まで」と言いました。2〜4倍と幅があるのは、自己資金以外にも金額に影響する要素があるからです。
たとえば、創業する事業の将来性。創業融資を受けるときには、創業計画書を銀行に提出します。
そこには、将来の売上や利益などを記載するわけですが、実現可能性はいかほどか?銀行は検証したうえで、融資金額を決めることになります。
借りたおカネの返済原資は「利益」であり、利益の源泉は「売上」です。したがって、売上見込は融資金額を決めるうえで、重要な要素になるものと考えます。
では、大きな売上金額を計画書に記載すればよいかといえば、もちろん、そんなことはありません。問題は、計画書に記載した売上金額の「実現可能性」にあります。
たとえば、月に 100万円の売上を計画しているのであれば、売上構成(商品別、顧客別など)はどうなっているのか。仕入ルートや販売ルートは確立しているのかなど。
そして、もっとも大きく影響するのが「見込み顧客」です。創業融資の申し込みをする時点で見込み顧客がいる、売上の見込みが立っているとなれば、プラス評価の対象になります。
すでに、受注が決まっている売上があればなおプラスです。なので、見込み顧客や売上見込みは一覧にして、計画書といっしょに銀行へ提出するようにしましょう。
なお、見込み顧客と呼べるようなものはない、受注がきまっているものもないのであれば、「どれだけ顧客ターゲットを明確にできるか」が重要になります。
たとえば飲食店であれば、「近隣を通行する人」という顧客ターゲットよりも、「ご褒美ランチ目的の働く女性、20代〜30代」などのほうが、銀行は計画を検証しやすくなります。
計画書をつくる際のコツとして、覚えておくとよいでしょう。
3.協調融資を申し込む
融資希望額が大きいとき(とくに 1,000万円を超えるとき)には、協調融資を申し込むのがおすすめです。ここで言う協調融資とは、「民間金融機関+日本政策金融公庫」の融資を指します。
日本政策金融公庫は公的金融機関の代表であり、創業融資にも積極的な金融機関です。
その日本政策金融公庫とあわせて、民間金融機関にも「同時」に融資を申し込むことで、両者から創業融資をしてもらい、合計額で融資希望額を借りようという考え方になります。
1つの金融機関が負うことができるリスクは限られていますから、融資希望額が大きいと、そのリスクを負いきれないことはあるものです。が、2つの金融機関でリスクを分散すれば、融資を検討することも可能になります。
協調融資を申し込むときには、民間金融機関からでも日本政策金融公庫からでもかまいません。「協調融資」を希望する旨を相談してみましょう。
ただし、注意点があります。それは、審査に時間がかかることです。2つの金融機関で審査をすることにもなるので、1つの金融機関から融資を受けるよりも時間がかかることが多くなります。
ですから、時間的な余裕をもって、早めに相談をするようにしましょう。
また、民間金融機関か日本政策金融公庫のいずれかの審査がNGになると、もういっぽうの審査もNGとなってしまいます。片方だけが貸す、というわけにはいかないからです。
なので、じゅうぶんな自己資金を用意する、売上見込を明示する、創業計画書をつくりこむなどして、できる限りの準備をしてのぞむようにしましょう。
まとめ
創業融資を受けるにあたって、できるだけ多くの金額を借りたい! というのなら。そのコツを押さえておきましょう。知っているかいないかで、借りられる金額に差が出るところです。
創業融資は1度きり。後悔がないように、あらかじめ準備をしておくことが大切です。
- 自己資金を用意する
- 売上見込を明示する
- 協調融資を申し込む