フリーランスになった! 社長になった!
と、「経営者」になったなら。ぜひともおすすめしたいお勉強、それが「簿記3級」と「銀行融資」です。というお話をします。
フリーランス・社長が勉強をはじめるなら「簿記3級」と「銀行融資」を!
フリーランスになった! 社長になった! と、経営者になればいろいろと学ぶべきことはありますが。
いったいなにから学べばいい? と聞かれたら、迷わず次の2つをおすすめします。
「簿記3級」と「銀行融資」、その2つ。
え〜、オレは(わたしは)経理担当じゃないんだから! なんて、言わない言わない。別に、経理のお勉強をしてほしいわけじゃありません。
ちゃんと、経営全般に役立つんだから。ということで、簿記3級と銀行融資をおすすめする理由はこちらです ↓
- 結局、数字で語れない経営者はダメだから
- 税理士(事務所)を有効活用することができるから
- 無ければ困る「おカネ」を多く持つことができるから
- 銀行のことまで税理士(事務所)は教えてくれないから
ではこのあと、それぞれについてお話をしていきます。
「簿記3級」の勉強をおすすめする理由
わたしが簿記3級の勉強をおすすめする理由を再掲します ↓
- 結局、数字で語れない経営者はダメだから
- 税理士(事務所)を有効活用することができるから
この2つの理由について納得をしていただけるよう、もう少し詳しくお話をすることにします。
結局、数字で語れない経営者はダメだから
あまりウダウダと話すことでもないので、ひとことで言うならば。「数字」無くして経営はできません。これに尽きます。
数字は唯一無二の「客観性・具体性」を持つ道具なのであって、他に変わるものがありません。数字以上に、ものごとを「はっきり」させることができる道具はないのです。
よって、「数字なんか見なくてもなぁ、だいたいわかってんだよ」とおっしゃる場合のよりどころは、「勘・経験・度胸」というきわめて不確かなモノでしかありません。
そんな不確かさによって、経営が立ち行かなくなるケースは枚挙に暇がない。とだけ言って、数字の重要性についてのハナシは終わりにします。
ところで。ここで言う「数字」は主として「決算書(あるいは試算表)」に書かれた数字のことを指しています。
その決算書をカタチづくるのに必要な「技術」が簿記です。日々生じるたくさんの取引を、同じ数だけの「仕訳(しわけ)」というワザを駆使して決算書をつくりあげるのです。
仕訳のカタマリが決算書。よって、決算書に書かれた数字の「ほんとうの意味」を知るには、仕訳の理解、簿記の理解が欠かせません。
よく「簿記がわからなくても決算書は読める」と言いますが。よい機会なのではっきり否定をしておきます。
簿記がわからなくても決算書は読める、なんてウソです。残念ながら、読めた気になっているだけです。
「結果」だけはわかったとしても、「過程」や「理由」がわからない。そのうえ、今後「予測」される決算書の姿をイメージすることもできません。結局それは、「勘・経験・度胸」の経営です。
税理士(事務所)を有効活用することができるから
仕訳やら簿記やらがわからないとしても。税理士(事務所)に聞けばいい、という選択肢もあるでしょう。
実際、税理士に聞けば仕訳も教えてくれるし、仕訳をやってもくれます。経理自体を丸投げすることもできます。じゃあ、そこにおカネを払うのですね? というハナシです。
税理士にいくらでもおカネを払える、というのならよいのですが。そんなことはそうそうありません。
仮に税理士に支払うことができるおカネが月に3万円だとしたら。税理士の仕事は、仕訳やら経理やらで終了してしまうかもしれない。
それはちょっともったいないなぁ、とわたしは思うわけです。仕訳や経理というのは「処理・作業」の性格が強く、また、それほど専門性が高い内容ではありません。
同じ顧問料を税理士という専門家に支払うのであれば、もっとちがう専門性の高い価値提供を受けたほうがよいのでは? そのほうが顧問料の費用対効果も高いというもの。
ちなみに「もっとちがう専門性の高い価値」とはなにか。それは税理士によって異なりますから、顧問税理士にたずねてみるとよいでしょう。
簿記3級の資格が目的ではないけれど
とはいえ、なにも資格まで取らなくてもよくない? と思われるかもしれません。
そのとおりです。ではなぜ簿記3級かというと、ひとつはどこまで勉強するかの目安になるから。もうひとつは、目標になるからです。
簿記の世界も奥深く。1級ともなればそうカンタンには理解することができません。でも、そこまでのものが必要かというとそこまでじゃない。
3級ていどの内容がまずはちょうどいい。だから、3級の勉強をおすすめします。
また、ダラダラ勉強するのもよくありませんから。受験の申込みをすれば、人間なんとかしようとがんばるものです。だから、受験日を勉強の目標にしてみたら? という提案です。
なお、3級の勉強は「マジメ」にやれば1ヶ月で十分に合格レベルです。「マジ」にやれば2週間。いや、ほんとうに。
「銀行融資」の勉強をおすすめする理由
続いて、わたしが銀行融資の勉強をおすすめする理由を再掲します ↓
- 無ければ困る「おカネ」を多く持つことができるから
- 銀行のことまで税理士(事務所)は教えてくれないから
この2つの理由について、もう少し詳しくお話をすることにします。
無ければ困る「おカネ」を多く持つことができるから
会社・事業をしていくうえで、欠かすことのできないものとして「おカネ」が挙げられます。いわゆる経営3資源「ヒト・モノ・カネ」の中のひとつ「おカネ」です。
考え方はひとそれぞれですから。ヒトがいちばんだ、と言う人もいるでしょう。いやいや、モノがなければなにもつくれん、と言う人もいるでしょう。
けれども、おカネが無ければヒトを雇用・育成することはままならず、おカネが無ければモノは買えません。
また、いくら売上や利益があろうとも、おカネが無ければ会社・事業は潰れます。そういう意味では、究極的にはやっぱりおカネだ、と言うことができます。
生々しいハナシではありますが、会社のピンチを耐えしのぐために必要なものもまた「おカネ」なのです。どんなに売上が下がっても、おカネがあれば時間稼ぎができるのです。
そのおカネを自分・自社でたっぷりと持っていればよいものの。多くの場合、おカネは限りある資源であり、ともすれば不足する命運にあります。
そんなとき、頼ることができるのは「銀行融資」です。とくに、他に有力な資金調達手段を持たない小規模零細企業にあっては「銀行融資」は、会社存続の生命線です。
であるならば。銀行融資のことを学ぶに限ります。銀行融資を学ぶとは、とりもなおさず、銀行の考え方を学ぶということです。
「借りたいときに借りに行く」と言う経営者がいますが間違いです。こちらが借りたいときには借りれません。銀行が貸してもいいや、というときにしか借りられません。
だから、借りる側のわたしたちは、銀行の考えを知る必要があります。いつならば借りることができるのかを、知っておかなければいけません。
銀行のことまで税理士(事務所)は教えてくれないから
銀行から融資を受けることができるどうか。その判断材料の大部分を占めるのが「数字」です。簿記のハナシでも出てきた、決算書の数字です。
ならば、簿記の勉強をすれば事足りるのかというと、残念ながらそうはいきません。簿記は、決算書のカタチづくりの技術であって、そこにおカネを借りる技術はありません。
簿記は決算書の作り方や成り立ちという基本は教えてくれるけれど、その決算書を銀行的にどう読むかまでは教えてくれないのです。
じゃあいいや、税理士に聞くから。といきたいところですが、教えてもらえる確率は「かなり低い」と断言します。
税理士は、税金のプロではありますが、銀行融資のプロではないからです。税理士になるにあたって、銀行融資の勉強なんてありません。
なかには銀行融資を得意(つまり、前述した「もっとちがう専門性の高い価値」)とする税理士もいますが。そうですねぇ、10人に1人もいるかどうか・・・
誤解無きように申し添えますが、銀行融資がわからない税理士が劣るとか悪いということはありません。ただ単に、専門分野がどこにあるのかという「違い」があるだけです。
いずれにせよ。多くの中小企業の決算書作成に携わる税理士からも教えてもらえない現実があるわけで。経営者は、みずから勉強しなければいけないのが銀行融資です。
いったいなにで勉強すりゃいいんだ
では具体的に、銀行融資についてどう学べばいいのか?
簿記のように「資格」は思いつきませんが、勉強に役立つ書籍であればいろいろあります。過去にブログで書籍紹介をしましたのでよろしければ ↓
また、ネットから参考になるブログサイトを見つけることなどもできるでしょう。
セールスっぽさ満点(というか完全にセールス)ですが、当ブログサイトではたくさんの銀行融資に関する記事を掲載しています。こちらもよろしければ ↓
セールスついでに、もうひとつ。当事務所では毎月、銀行融資に関するセミナーを開催中です。
当事務所のセミナーに限らず、セミナーに参加をして学ぶというのもよいでしょう。本やブログには書きにくいウラ話なども聞けて、より実践的な勉強を期待できます ↓
- 社長・個人事業者のための 融資・資金繰り入門セミナー(奇数月に毎月開催)
- 起業で失敗しない!創業融資入門セミナー(偶数月に毎月開催)
まとめ
フリーランスになったら、社長になったらおすすめしたい勉強についてお話をしてきました。
もちろん、わたしがおすすめした「簿記3級」「銀行融資」以外にも学ぶべきものはありますが。
一生モノの勉強としても、すぐにも役立つ勉強としても「簿記3級」と「銀行融資」をおすすめします。
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きょうの執筆後記
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