自分で経理をするなんてできるワケがない?
そんなことはありません。
従来の考え方や手段、方法にこだわりさえしなければ、
必ずできます。
経理を自分でやってみよう、という方へ
「経理を自分でやってみたいけれど、どうすればよいかわからない」
今回は、そんな方へのお話です。
前回は、「経理でトクをする」ことについてお話をしました。
「経理ができる」とはどういう姿?
前回、「トクする経理」の公式を提示しました。再掲します。
– トクする経理の公式 – 経理ができる×経理がわかる=明日がかわる |
経理で「明日がかわる」ほどのトクをするための公式です。
これによれば「明日がかわる」には、
「経理ができる」必要があるということでしたね。
では、ここで言う「経理ができる」とはそもそもどういうことか。
そこからお話をはじめてみます。
「経理ができる」とは?
結論
1.損益が計算できる
2.財産が計算できる
「損益」と「財産」という言葉を使いましたが、
厳密さは少々犠牲にして、もうすこしやさしい言葉に置き換えると、
損益 → 「もうけ」がどれだけあるか
財産 → 「おかね」がどれだけあるか
つまり、「経理ができる」とは、
「もうけ」と「おかね」がどれだけあるか計算できること。
これは、決算書に記載されていることでもあります。
いまさら・・・という感じです。
トクする経理版の「経理ができる」とは?
この話には続きがあります。
「もうけ」と「おかね」がどれだけあるか計算できる、というのは一般論。
トクする経理に持ち込むためには、これに「進化」が求められます。
進化のポイントは、
1.自分で
2.よりラクに
3.より速く
4.より正しく
ただ「計算できる」ということだけでは、従来の経理の域を脱することができません。
従来の経理とは、
イヤイヤながらもしかたなく・・・
時間やコストがかかるだけ・・・
というネガティブ・イメージの世界です。
これを脱するために「4つの進化」が必要なのです。
自分で、よりラクに、より速く、より正しく
4つの進化について補足します。
「自分で」という点については、「税理士を待っているのでは遅すぎる」ということを前回お話しました。
そのお話を超要約をすると、税理士を待って受け取れる情報は、「興味を失うほど古い」「興味を持てないカタチ」だということです。
ではまず、「興味を失うほど古い」を解決するにはどうするか。
これは「自分で」「より速く」やればよいことです。
「興味を持てないカタチ」については、「自分で」好きなカタチでみれるようにすればよいことです。
そんなこと言うけど、
・自分で速くってできるの?
・好きなカタチでなんて見れるの?
と思われるでしょうが、そこはのちほどお答えします。しかも「ラクに」という点もあわせて。
いずれにしても、「自分で」というポイントはとても重要です。
「自分でやってみよう」という意思がなければはじまりません。
最後に残した「より正しく」ですが、自分(会社)にとって、できるレベルまでの正確さという意味です。
レベルはどんどん高めていけばよいことですが、必要以上に神経質になることはないでしょう。
税理士が税務申告をするレベルまで「正しく」ある必要はないからです。
経理を自分でやる方の中には、税務申告までやる方もいます。
それはそれでよいことですが、はじめからそこまで考えることはありません。
専門性の高い税務申告こそ税理士に任せるとして、その前段までの「より正しい」経理は「自分で」と考えるのがよいでしょう。
ということで長くなりましたが、「トクする経理版 経理ができる」とは?
自分で、よりラクに、より速く、より正しく、
「もうけ」と「おかね」がどれだけあるか計算できる
経理はITに任せる
自分で経理をやるメリットはわかった、目指す経理の姿もわかった。
でも実際どうすればいいの?というのが現実的なところ。
結論。ITをもっと活用します。
今回「そうだ!経理はアイツに任せよう」とタイトルを振りましたが、
アイツの正体とはITです。
「な~んだ、ありきたりな」なんて思われた方には確認です。
ほんとうにITを活用できていますか?
もしも「会計ソフトに入力してます」レベルの話であれば、残念ながら活用できているとは言い難いものがあります。
今、経理におけるIT活用の主流は「自動化」です。
従来の「入力をする」という作業自体が自動化とは対極にあります。
自動化の例として。たとえば、銀行預金やクレジットカードの取引データを自動取得、
AI(人工知能)により経理処理までを提案してくれるクラウド会計。
これによれば手入力は激減し、経理のスピード化と正確化をはかれます。
また、クラウド会計の特徴として「環境を限定しない」ことも挙げられます。
PCはもちろん、スマホ、タブレットもOK。
それらとインターネット環境があれば、「いますぐ」「どこにいても」作業をすることができます。
「会計ソフトがインストールされた特定のPC」でなくてもよいのです。
経理の結果を確認するにも、自分で操作ができるので、帳票・グラフなど「ほしいモノを」「ほしいカタチで」見ることができます。
いまこの瞬間の各銀行の残高が知りたい、あの得意先からの入金はあったかな?
という経営者のよくある要望もリアルタイムにかないます。
お話したのはIT活用のほんの一例。
ITには、「自分で、よりラクに、より速く、より正しく」経理ができるようにする力があります。
話に水を差すようですが、ITはただ採用すればよいわけではありません。
たとえば、現金支払が多い場合。
現金取引には取り込むことができるデータはないので「手入力」が必要になります。
この場合、可能であれば銀行振込やクレジットカードの利用に切り替える、といったことも考えなければいけないでしょう。
ITを最大限活用するためには「手段や方法」にも見直しも必要なのです。
まとめ
従来の考え方や手段、方法をほんとうに見直すことができれば、自分で経理をする道はあります。
もちろんITがすべての答えではありませんが、メリットの大きさから、活用を考えるべき手段のひとつではあります。
「ITはよくわらない、危険」と食わず嫌いをせず、いちどは検討してみることを強くおすすめします。
次回は、明日がかわるトクする経理、もう一つの要素、「経理がわかる」についてお話します。
↓↓ つづく ↓↓
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きょうの執筆後記
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先日クラウドサービスのセミナーに参加しました。
経理はクラウドサービスの一端でしかなく、サービスの広がりと速さには驚きます。
驚いてばかりもいられません・・・その理解と実践につとめます!