創業融資の残念な失敗を避ける『5つの身辺整理』

創業融資の失敗と身辺整理

” 創業計画書もできた、面談の準備もばっちり! これで創業融資はだいじょうぶだろう。”

はい、ちょっと待って。「身辺整理」はお済みですか? 創業融資での残念な失敗をしないための「身辺整理」についてのお話です。

目次

創業融資の残念な失敗を避ける『5つの身辺整理』

創業計画書もきちんとつくった、面談の準備もばっちり!

だとしても、「身辺整理」が不十分であるがために創業融資が受けられないこともあります。

これは、創業融資の意外な落とし穴でもあり、残念な失敗と言えます。

そんなことにならぬよう、創業融資の意外な落とし穴である「身辺整理」についてはしっかりと押さえておきましょう。具体的にはこちらです ↓

創業融資で気をつけるべき身辺整理
  1. 預金通帳で自己資金の証明ができない
  2. 支払が遅れている・未払いの家賃や公共料金がある
  3. 消費者金融・カードローン・キャッシングを利用している
  4. 支払が遅れている・未払いの税金がある
  5. 個人信用情報にキズがある

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

本記事では、都市銀行・地方銀行・信用金庫など民間金融機関および日本政策金融公庫などの政府系金融機関について、「銀行」の表現で統一しています

 

預金通帳で自己資金の証明ができない

たんす預金は自己資金にならない

銀行は、「ほんとうに自己資金なのかどうか」を預金通帳でチェックします。これを言い換えると、自己資金を証明するには預金通帳が必要だ、ということになります。

この点で、いわゆる「たんす預金」は、預金通帳で自己資金を証明することができません。

「じゃあ、実際に現物を見せてやる!」と思われるかもしれませんが、現物自体では、それが「誰かから借りてきたものではない」ことの証明にはなりません。

自己資金とは「誰かに返さなくてもよいおカネ」のことを言うのであり、それを預金通帳でもって証明する必要があるのです。

したがって、創業融資を考えるのであれば、たんす預金はしないことです。たんす預金はすぐにでも、預金口座に入金しましょう。

あとは時間が経過すればするほど(ずっと口座残高に残ることによって)、「誰かに返さなくてもよいおカネ」だと、時間が証明をしてくれます。

見せ金は通用しないけど、親からの借入・贈与なら

融資申込みの直前に口座へ入金された金額については、銀行は厳しくチェックをしています。

一時的にどこからか借りてきて(融資が済んだらすぐ返す)、預金口座に入金をして自己資金に見せかける、いわゆる「見せ金」を警戒しているのです。

同じ「融資申込み直前の入金」でも、親からの借入や贈与などについては、純粋な自己資金とは言えないものの、「自己資金に近いおカネ」と見てもらえる余地があります。

借入であれば、金銭消費貸借契約書や返済予定表、贈与であれば贈与契約書などの証拠を提示して、銀行に事情を説明しましょう。

結論として、長い時間をかけて、自分でコツコツとおカネを貯めてきたことがわかる預金通帳がベストです。コツコツ準備をしてきた人が、創業融資では評価をされます。

 

支払が遅れている・未払いの家賃や公共料金がある

銀行は約束を守れない人を嫌います(銀行に限らず、ではありますが…)。約束を守れない人に、おカネを貸したくはないのです。

そこで、約束が守れる人かどうかの見極めのひとつとして、銀行は家賃や公共料金の支払状況をチェックします。

チェックの方法は、前述の自己資金と同じく預金通帳の確認です。預金通帳を半年ほどさかのぼり、支払いの遅れがないか、未払いはなさそうかを確認します。

そこで支払いの遅れや未払いが見つかると、「このヒトは約束を守れないヒトだ」という評価をされる。結果、融資が遠のきます。

したがって、創業融資を受けようというのであれば。少なくとも半年ほど前からは、支払いの遅れ・未払いを絶対にしないように注意が必要です。

なお、公共料金などが現金払いの場合には、別途、領収書の提示を求められることがあります。領収書も捨てずに取っておくようにしましょう。

 

支払が遅れている・未払いの税金がある

前述の家賃や公共料金と同じです。税金についても、支払いの遅れや未払いがあってはいけません。

この点で、創業前が会社員である場合、所得税や住民税はお給料から天引きされているので問題ありません。

ただし、なにかしら別の収入があって確定申告をしている場合の所得税・住民税については、支払いの遅れ・未払いがありえます。

また、自宅が持ち家である場合には、持ち家に対する固定資産税を毎年支払いますので、やはり、支払いの遅れ・未払いがありえます。

いずれにせよ、税金については、支払いの遅れや未払いが生じないよう、じゅうぶんに気をつけましょう。

 

個人信用情報にキズがある

個人のローンやクレジットなどの利用状況に関する情報のことを「個人信用情報」と言います。

この個人信用情報は、「個人信用情報機関」というところに登録されており、各銀行はそこに登録された個人信用情報を照会しています。

融資を受けるにあたって注意すべきは、個人信用情報にキズがないか、です。キズとは、クレジットカードやローンの支払い遅延・未払いなどの履歴、いわゆる「事故情報」を指します。

キズがあるとわかれば、当然、融資を受けることは難しくなります。約束を守れない人を、銀行は嫌うのでしたよね。

ところで、銀行が必ず個人信用情報を見ているかと言えば、絶対ではありません。けれども、「見られるかもしれない」ということは覚えておくべきです。

見られるかもしれない個人信用情報がどんなものなのか。創業融資を受けるのであれば、自分でも確認をしておくとよいでしょう。個人信用情報機関で確認をすることができます。

情報の内容によっては、銀行がその個人信用情報を照会する前に、あえてこちらから「自白」してしまうことも選択肢のひとつです(ヤブヘビとなるか否かはありますが)。

登録情報には記載がないようなこと、つまり、事故の経緯や事情、その後にきちんと解決をしていることなどをていねいに説明することで、情状酌量の余地がある(かも)。という考え方です。

ちなみに、携帯電話の端末代金を分割払いしている場合。うっかり支払いが遅れると、割賦契約(ローン)に関する事故として扱われることがあるので注意が必要です。

個人信用情報や個人信用情報機関について、詳しくはこちらの記事をどうぞ ↓

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消費者金融・カードローン・キャッシングを利用している

消費者金融、カードローン、キャッシングなどを利用している人を銀行は嫌います。

言うまでもないことですが、それらの「借金」の返済・高金利が、今後の事業をしていくうえで足かせになるからです。

そんな「借金」のことは、こちらが言わなきゃわからないのではないか? と思われるかもしれません。

たしかにそのとおり、というものもありますが。銀行は銀行で、預金通帳の入出金履歴や個人信用情報などから、「借金」の存在を確認しようとしていることは覚えておきましょう。

なお、銀行系カードローンなど利率が比較的低めで、かつ、利用額も少ない場合については、必ずしも融資NGというわけではありません。

とはいえ、原則、少なくとも融資申し込み時点では完済しておくべきなのは間違いありません。

もっと言えば、そもそも利用しないことです。たとえ完済をしていたとしても、「依存性あり」と評価をされてしまえばマイナスポイントです。

 

まとめ

創業融資の残念な失敗を避ける「5つの身辺整理」についてお話をしてきました。

計画書や面談の備えは十分だったのに、身辺に問題があったというケースを見聞きします。

創業融資を受ける前提条件として、きちんと確認をしておきましょう。

創業融資で気をつけるべき身辺整理
  1. 預金通帳で自己資金の証明ができない
  2. 支払が遅れている・未払いの家賃や公共料金がある
  3. 消費者金融・カードローン・キャッシングを利用している
  4. 支払が遅れている・未払いの税金がある
  5. 個人信用情報にキズがある

 

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  きょうの執筆後記
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