” ウチの銀行担当者は、決算書は受け取って帰るだけなんだよね ”
それって、デキない銀行担当者かもしれませんよ。というわけで、銀行担当者の「デキる・デキない」を見極める5つのポイントについてお話をします。
銀行担当者が「デキない人」だったらどうするの?
会社や個人事業者が銀行とお付き合いをしていると、「担当者」が付くことがあります。「渉外係」などと呼ばれる、いわゆる営業担当です。
では、この銀行担当者がもし「デキない人」だったらどうなるのか?
融資を受けることが難しくなるでしょう。
銀行は、「稟議制」です。銀行担当者が、じぶんが担当する融資案件について稟議書をつくり、稟議に回します。
デキない担当者が、きちんとした稟議書をつくることができなければ、融資が受けられない、ということはあるわけです。
そうは言うけど、デキない銀行員なんているものなのか?
ぜったいにいない、とは言えません。銀行も、一般の会社も、「組織」であることに変わりはありません。
いろいろな人が集まる「組織」には、デキる人もいれば、デキない人もいるのです。必ず。
だからもし、デキない銀行担当者に当たってしまったときのことは考えておかなければいけないのです ↓
- 必要に応じて、担当者の上司と話をする
- ヒドすぎる場合には、担当者を替えてもらうよう頼む
- 銀行全体としてヒドすぎる場合には、付き合う銀行を替える
そのためにも、銀行担当者が「デキるか、デキないか」を見極められなければいけません。
そこで。あなたの会社・事業の銀行担当者が「デキるか、デキないか」を見極めるポイントとして、「デキない担当者」がやりがちなことを挙げてみます。次の5つです ↓
- 決算書をその場で見ない
- 契約書を先にもらおうとする
- 回答が遅い
- 個人的な意見で回答をする
- 会社・事業のことがわかっていない
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
銀行担当者の「デキる・デキない」を見極める5つのポイント
デキない銀行担当者がやりがちなことを5つ見ていきます。これらに多く当てはまるほど、要注意です。
① 決算書をその場で見ない
融資を受けるために銀行とお付き合いをしていると。会社・事業の実績を数字で把握するために、銀行から「決算書(あるいは試算表)」のコピーを要求されます。
そこで、銀行担当者に決算書をお渡しするわけですが。そのときの銀行担当者の行動に注目しましょう。
その場で決算書をひととおり眺めて、コメントなり、質問なりをしてくるようであればOKです。
そうではなく、何も言わず。または、見もせずに、決算書をカバンの中にしまいこんだりするようだと「デキない」疑いアリです。
決算書をじぶんで読み解くことができないので、「ひとまず持ち帰る(システムなどを使って分析をする)」しかないのかもしれません。
そういえば、「ウチの担当者はいつも持ち帰るだけだなぁ」ということならば。こんど決算書を渡すときには、「ウチの決算書、どうでしょう?」と尋ねてみることをおすすめします。
数字をもとにして、会社・事業のハナシができない銀行担当者が、きちんとした稟議書を書けるとは思えません。結果、融資は受けづらくなりますから注意しましょう。
② 契約書を先にもらおうとする
まだ銀行内で稟議のさいちゅう。この段階で、「契約書の準備を先に…」と手続きを前もって進めるようならば、それは「デキない」銀行担当者です。
契約書や申込書などの手続きは、実際の流れに合わせてするのが「ルール」なのであり、前もって進めるのがルール違反であることは言うまでもありません。
ルールを守ることができない銀行担当者を信頼することはできない、そういうことです。
そんな銀行担当者がいるのか? ということですが。銀行員も忙しいので、効率を重視するあまり、ルール違反を犯すことがゼロではありません(実際に、そういう実例を経験しています)。
また、契約書などの一部について、「とりあえず空欄で(あとから埋める)」とか、「とりあえず捨印を」というような行為も信頼ができません。
これでは、こちらの預かり知らぬところで、どういう契約になっていても文句が言えなくなってしまいますから。安易に応じることがないように注意しましょう。
③ 回答が遅い
たとえば、融資の申込みに対する回答など。回答が遅いという銀行担当者は「デキない」疑いアリです。
融資の申込みから審査終了までにかかる時間はケースバイケースとはいえ、「このケースなら、だいたいこのくらい」という目安はあるものです。
にもかかわらず、目安に対して大幅に回答が遅い場合には、銀行担当者のところで作業・処理が滞っている可能性があります。
銀行員が多忙であることは前述しましたが。案件が重なってしまい、結果的に放置をされている、後回しにされているかもしれません。
いずれにせよ、だから回答もない、回答が遅い、というのであれば、やはり「デキない」銀行担当者だと言わざるをえません。銀行の都合は、こちらには関係がないからです。
それはそれとして。こちら側の対策としては、銀行になにかを依頼したら「回答目安(あるいは期限)を確認する」こと。そして、目安を過ぎたら、すぐに状況をたずねることです。
④ 個人的な意見で回答をする
回答が遅いのも困りますが、回答が早すぎるのも困ります。どういうことかと言うと、銀行内の稟議が済んでいないのに、銀行担当者が個人的な意見で回答をするようなケースです。
たとえば、融資の申込み時点や審査中に、「きっと融資できます」というようなことを銀行担当者が言ってしまう。これはいけません。
そのような行為は、銀行内のルールとしても問題がありますし、言われたほうは「融資が受けられるのかな?」と誤解をしてしまいます。
融資の可否を決めるのは、銀行担当者ではなく、稟議の結果だからです。
したがって、個人的な意見で回答をするのは「デキない」銀行担当者の特徴のひとつです。
個人的な意見かどうかを見極めたうえで、「銀行としての判断(稟議の結果)」をたずねるように気をつけましょう。
⑤ 会社・事業のことがわかっていない
「担当者」でありながら、担当先の会社・事業のことがよくわかっていない銀行担当者もいます。
たとえば、「ウチの会社はなにをやっている会社かわかりますか?」という質問をしたときに、「製造業です」などと業種を回答されてしまう。
これでは、担当先のことを「わかっている」とは言えません。世の中に、どれだけ製造業があると思っているんだ? というハナシです。
担当者であれば、「貴社は、〇〇で使われている△△をつくっているんですよね」くらいのことは答えてほしいところです。
銀行担当者が、担当先の会社・事業のことがわからなければ、やはりきちんとした稟議書を書くことはできず。融資を受けることは難しくなってしまいます。
ですから、銀行担当者が、じぶんの会社・事業のことを聞いてこない、また、ハナシをしても覚えていないというのなら。「デキない」銀行担当者と言ってよいでしょう。
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まとめ
銀行担当者の「デキる・デキない」を見極める5つのポイントについてお話をしてきました。
じぶんの会社・事業がきちんと融資を受けられるためには、銀行担当者の力量も大切ですから、見極める眼を持ちましょう。
なお、銀行担当者が力量を発揮するためには、じぶんの側にもやるべきことがあります。
極端を言えば、決算書の数字(業績)がヒドすぎる、銀行員とハナシをしようとしないなど。やるべきことができていない状況では、銀行担当者がサジを投げてもしかたのないことです。
「じぶんの側でやるべきこと」については、こちらの「記事まとめ」ページも参考にどうぞ ↓
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きょうの執筆後記
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