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スタバのコーヒーセミナーから読み取る 「売れる商品・サービス」の作り方

スターバックス

スターバックスが店舗ごとに開催しているコーヒーセミナーに参加しました。
「やっぱりスタバのコーヒーは美味しいねっ」ですませてはいられません。
スタバを例に、「売れる商品・サービス」の作り方を考えます。

目次

美味しいだけでは売っていない

「スタバで仕事」が好きなことのひとつであるわたし。
昨日もスタバに出かけると、座席はいっぱい。レジには長い列・・・やれやれ。
見慣れた光景とはいえ、競合の追随を許さない「常時人気」ぶりです。

人気の秘密について、いまさら「論を待たない」ところはあります。
それでもあえて自分なりの「秘密はどこに?」を体感するため、先日、スタバのコーヒーセミナーに参加してきました。
セミナーから見えた「売れる商品・サービス」の作り方を考えます。

ちなみに、セミナー体験レポートのほうはコチラです↓

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たいせつにされていた「3つの存在」

はじめに結論。
コーヒーセミナーからわたしが感じた、スタバ人気の理由。
それはスターバックスが「3つの存在」をたいせつにしているということ。

その3つとは、
・企業(価値)
・スタッフ
・顧客

これまた「いまさら」感たっぷりのワードではあります。
商売の要素として、どこでも耳にするようなものばかり。

ですが、ようく考えてみてください。
「ほんとうに・具体的な・行動レベルまで・実現できているか」
わかっていることと、できていることはベツモノだということをスタバのコーヒーセミナーに参加することで感じることができました。

企業(価値)

6人定員のセミナーに当日参加したのは2人。
なんとわたしと妻の2人だけです。
そこに講師として就いていただいたスタッフも2人。

2時間で1名3,000円のセミナーです。
セミナーの材料として、飲み物や食べ物などがかなりたくさん出ます。
公式ページでは「サプライズ」とされているようなので伏せますが、飲み物や食べ物以外にも店舗側の原価として発生するものがあります。
スタッフ人件費もみれば、どうみてもこのセミナーはもともとが「おいしい商売」ではありません。

にもかかわらず、2名でも開催です。
公式ページや申込受付メールでは、「中止」もありうるような表記をしています。
実際、セミナー講師の方にその話を聞くと、「中止も考えられるけれど、申し込みがあった以上は実施したい」
というような表現をされていました。

業種業態によっては、セミナーは「フロントエンド商品」の位置づけです。
つまり、バックエンド商品(ほんとうに売りたいもの)につなげるために、無料やら割安やらもアリとされているのがフロントエンド商品。

わたしが属する税理士業界でいえば、税務顧問契約の獲得につながればいいなみたいな無料セミナーをやる、ということです。

ではスタバのセミナーはフロントエンド商品か、というとどうでしょうか。
100%ちがうとは言い切れないにせよ、「税理士の無料セミナー」とは違います。
セミナーには来ない多くの人にも、店舗では日々コーヒーが売れ続けています。
セミナーを知らない人だってけっこういるでしょう。

だとすれば、もともと割に合わないセミナーを定員割れでも実施するワケとは?

それが、企業そのもの、もしくは「企業価値」の存在を守るためなのだと考えます。
「コーヒーが好き」のその先にある、「スターバックスのコーヒーが好き」という「好き」を醸成させること。
目先の一杯のコーヒーのためではなく、スターバックスという企業とその価値を永く根付かせるために、
セミナーをやっているということですね。

もちろん、わたしはスターバックスの外部者。
うかつなことは言えませんが、おそらく、定員割れのセミナーに「中止の裁量」はありつつも、眼の前の損得感情なんかで裁量を安易に行使しない、
というたしかな風土があるのだと想像します。

「企業価値」を掲げながら、損得勘定でその価値を傷めるケースは多いものです。
身近にあるムダは「ほんとうにムダなのか」という思考のクセがだいじになります。

スタッフ

講師についていただいたスタッフの方々には、「スターバックス」に居る理由がはっきりとするストーリーがありました。

お二人とも女性でしたが、ひとりは一時の休業を挟んで5年ほど勤続していること。
もうひとりは、「スタバのこの豆でコーヒーが飲めるようになった」と言って働いていました。

たとえば、給料がいい、福利厚生がしっかりしている、休みがきちんととれる、など、スタッフの存在をたいせつにしているという「しくみ」の話は耳にします。

ですが、「しくみ」で語られるたいせつさだけでは「スタッフの存在」がみえません。
過剰な表現かもしれませんが、わかりやすく言うと、「しくみ」があるだけでは、企業サイドの自己満足である可能性があります。

「しくみ」がたしかにスタッフの存在をたいせつにしているかどうかは、そこで働く人ひとりひとりの生活レベルのストーリーとして語られるべきもの。
「しくみ」と「ストーリー」とがしっかりかみ合っているか、これもまた、わかっているようでわかっていないことのひとつではないでしょうか。

顧客

参加したセミナーでは、「利きコーヒー」のようなことをやります。
はじめはコーヒーだけで、そしてその後にフード(スタバの甘味)と一緒に。
この「フードと一緒に」というのが、参加したセミナーのテーマである「フードペアリング」です。

「違いがわからない男」であるわたしは、コーヒー単体ではそれぞれのコーヒーの違いがあまりわからず・・・

これに対して講師の方は、「こたえ」を押し付けてきません。
自分が感じたことをわたしたちに表現させることにとても集中しています。
「どんな言葉でもかまいませんよ」と、がまんづよく「表現」を待ちます。
言葉に惑うようであれば、自分たちが自らの表現を披露してくれます。
そして、あくまで顧客の「声」を待つのです。

わからないなりに「声」を振り絞っていたわたしですが、フードペアリングの中で「違い」がわかりはじめました。
異なるフードとの組み合わせで、たしかにコーヒーの味はそれぞれ違うぞ、と。

ここで先ほど振り絞っていた「声」は活きてきます。
「さっきはああ言ったけど、いまはこうなった」
ということが言葉として納得感を高めてくれるのです。
自分自身で「自分なりのこたえ」にたどりついたという納得感ですね。

ここで強く感じたことは、これはテクニック的なことではないということ。
良い意味で講師の方々は「プロっぽい話し方」ではありません。
きちんとした文法でもなければ、きちんとした敬語でもない。
「決められた手順」で話を導こうという意図もないように感じます。

あるのは、顧客の声を聴き遂げること。存在を認めること。

わたしも自分のお客さまにできているだろうかと、少々不安になりました。
お客さまの声以前に、こたえを導くように話をしていることもあるような・・・

自分の存在を認めてくれる、ことはうれしいことです。
その先に、感動や信頼が生まれます。
テクニックとしてではなく、心持ちとして身につけたいものですね。

ところで、企業、組織で「顧客をたいせつに」を掲げるとき、心持ちを社員ひとりひとりの資質に任せているだけでは難しいものがあるでしょう。
上述した「企業価値」「スタッフ」の存在という「下地」も必要です。

資質だけにゆだねることなく、「3つの存在」をバランスよく育てること。
それが、スタバのコーヒーセミナーに学んだことです。

まとめ

「3つの存在」について考えるとき、たとえば「値引き戦略」というのは、かなり「イタイ」戦略だと感じます。

スタバの競合ではわりとよく、クーポン券を配布したり、期間セールを行ったりします。
スタバではほとんどそのようなことをしていないでしょう。

値引きは、企業価値を毀損してしまうという一面があります。
本当は価値あるものを値引くことで、企業価値は下がってしまうのです。
やりすぎれば「本当の価値」で買ってもらうことが難しくなり、「値引きの時だけ買おう」という価値になってしまいます。

結果として、企業は緊縮に追い込まれ、スタッフの給与や福利厚生等に影響を与えます。
給与や福利厚生といった「しくみ」が傷つけば、多くのケースでスタッフそれぞれの「ストーリー」が痛んでいきます。

その連鎖として、「企業価値」「ストーリー」を持たないスタッフには、十分な顧客サービスを行うことができなくなります。
ブランドに誇りを持てず、境遇に満足できないスタッフに、「顧客をたいせつに」というのは非常にコクな要求と言えるでしょう。

「売れる商品・サービス」を作るには、「3つの存在」を「バランスよく」が基本です。

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  きょうの執筆後記
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昨日は、今後のクラウドサービスをテーマにした研修受講。
夜は大学時代の友人と会食。
すごく久しぶりの再会でしたが、変わらない友人の姿。
数年のブランクにも違和感なく過ごせた時間に、
彼がほんとうの友人であることをあらためて自覚しました。

スターバックス

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