フリーランスとして開業して、2年と7ヶ月。
独立当初を振り返り、「これはやらなくてよかったなぁ」と感じることを挙げてみました。
やらなくてよかった、ということもある
会社員を辞めて、「ひとり税理士(≒フリーランス)」として独立開業してから2年7ヶ月になります。
独立当初を振り返り、「これはやらなくてよかったなぁ」と感じることを挙げてみました。
逆に、やっていたらちょっと怖いことになっていたかも… というのは、次の10項目です ↓
- 自己資金だけで開業する
- ホームページ作成を委託する
- 低価格をウリにする
- ひとつの事業だけに集中する
- 紹介を頼る
- 目指すべき理想像がない
- 事務所を借りる
- 固定電話を持つ
- スーツを着る
- 経理を人任せ
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
フリーランスで開業したときに「やらなくてよかった」10のこと
①自己資金だけで開業する
じぶんのおカネ(自己資金)だけでは、開業に足りない。というわけではありませんでしたが、銀行から創業融資を受けました。
なんだかんだと開業後しばらくはおカネが減り続ける(しかも予想を超えて減り続けることも多い…)ものなので、そのストレスをやわらげるために、あえておカネを借りました。
もしも創業融資を受けていなかったら? を想像するだけでも相当なストレスなので、やはり「自己資金だけで開業をしなくてよかった」と感じています。
また、いまでも「できるだけ融資は受けておきたい」と考えています。あすをも知れず、代わりがいないフリーランス。借りてでも手元のおカネはできるだけ増やしておく、が持論です。
②ホームページ作成を委託する
当ブログサイトは独立当初から、わたし自身が作成・運営をしています。
当初もいまでもいろいろと苦労はありますが、それでも「ホームページ(ブログサイト)作成を委託してなくてよかった」と感じています。
なにか情報を発信したいとか、ホームページの内容(文章でもデザインでもなんでも)を変更したいとかいうときに、いちいち委託先に頼むのでは「タイムラグ」が生じるからです。
また、頼みごとがちょっとしたことであるほど、「こんなことでわざわざ頼むのも…」とおっくうになるでしょう。その結果、行動しない・行動が遅れるのは大きなデメリットです。
③低価格をウリにする
どこよりも安い! とは言わないまでも。「低価格」を売りにすれば、低価格で仕事をすることになってしまいます。
当然、「価格」が低ければ、代わりに「量」が必要になります。量が増えれば、その分はたらく時間を増やさねばならないなど、タイヘンな思いをすることになります。
「良いものを安く」はあったとしても「良いものを安くしすぎる」のでは問題です。ゆえに、独立当初から「低価格をウリにしなくてよかった」と感じています。
いっぽうで、価格以外の面で商品価値をお伝えするのはカンタンなことではなく。そのあたりの苦労はずっと続いてはおりますが… そこも安易に値下げで解決しないよう努力をしているところです。
④ひとつの事業だけに集中する
一般に、税理士事務所の事業は「税務」に集中をしがちです。税理士なのですから、あたりまえと言えばあたりまえなのですが。
わたしは税理士事務所として独立したときから、「税務への集中は避けたい」と考えていました。競合する相手が多く、税務の将来性には不安も感じているからです。
いまは、税務のほかに、「銀行融資支援」「税理士レス経理(税理士いらずの経理)構築支援」を掲げて、それらのセミナーやコンサル、執筆などの業務を増やすようにしています。
実際に増やすとなると一朝一夕にはいきませんが、そこは精進するのみ。長くフリーランスを続けるにあたっては「ひとつの事業だけに集中しなくてよかった」と感じています。
⑤紹介を頼る
お客さまや仕事を、他人から紹介してもらう。お客さまや仕事が増えるのはよいにしても、デメリットもあるものです。
じぶんには合わないお客さまだとしても断りづらいとか、紹介するから見返りをくれとか、紹介者との関係が切れたら仕事がなくなるとかとか。いろいろあります(と聞いています)。
紹介自体が悪いわけではありませんが、デメリットで疲弊するのはイヤなので。独立当初から、紹介を頼ったことはありません。
その代わりはこのブログであり、このブログしかありません。ブログはブログでタイヘンですが、「紹介のデメリット」なく、じぶんでお客さまと出会えるようになったことはよかったと感じています。
⑥目指すべき理想像がない
独立したときに、「いったいどこへ向かえばいいかわからない…」というのでは不安です。また、回り道も多くなることでしょう。
その点、わたしには「ひとり税理士」という目指すべき理想像がありました。いまよりはだいぶ「おぼろげ」ではありましたが、それでも明確なキーワードとして「ひとり税理士」がありました。
加えて、何人もの「ひとり税理士」の先駆者・先輩が存在し、さらにはそれぞれがブログで情報発信をしてくれているという幸運な環境です。
とくに開業当初は(いまでもですが)参考にさせていただいたり、じぶんの考え・思いを顧みるきっかけにしたり。「目指すべき理想像があってよかった」と感じています。
⑦事務所を借りる
独立してからずっと、自宅兼事務所で仕事をしています。言うまでもなく、自宅兼事務所にはメリットもデメリットもありますが。わたしにとってはメリットが勝っています。
いちばんは、職住近接で「家族・家庭」が近いこと。会社員時代、「家族・家庭」から離れすぎたわたしには大きなメリットです。
また、コスト面での効果も見逃すことができません。事務所を借りれば、家賃・光熱費などで決して少なくない金額のコストがかかります。それをまかなうだけの売上が必要になります。
逆に自宅兼事務所であれば、事務所を借りるときよりも少ない売上でやっていくことができる。低コスト・高利益体質を実現できます。
職住近接でストレスも少ない、事務所家賃もなくコストも少ない。「事務所を借りなくてよかった」と感じています。
⑧固定電話を持つ
仕事用の固定電話は、独立当初から持っていません。電話の利用を減らしたかったし、固定電話がなくてもお客さまに迷惑はかけないと考えたからです。
ほとんどのことは、チャットシステムやメールでの連絡がスムーズですし(お客さまにとっても)、それ以外のとき(緊急時など)には携帯電話があればじゅうぶん事足りています。
わたしにとって固定電話を持たないことは、「安易に電話を使わないぞ」という思いのあらわれというか象徴というか… いずれにせよ、わりと大きな意味をもっています。
会社員時代には、休日夜間を問わず電話を受けて疲弊していた過去もあります。ベストコンディションで仕事に臨むためにも、「固定電話を持たなくてよかった」と感じています。
⑨スーツを着る
独立してからは、1年に1回くらいしかスーツを着ていません(とある恒例行事のときくらい)。
誤解なきように申し添えますが、スーツを着ないことが良いわけでも悪いわけでもありません。ただ、わたしにとって、「スーツは疲れる」ので好まないだけです。
会社員を辞め、スーツを脱いでみてわかったことですが、スーツは着ているだけで疲れる。クドいようですが、あくまでわたしにとって。
スーツを着なくなったとは言っても、オンビジネスの恰好はしています(たぶん)。それでも、スーツ特有の「硬さ」がないのはカラダにラクです。
ラクに気持ちよく過ごせる服装を選べるのはフリーランスのメリットのひとつ。「スーツを着ないようにしてよかった」と感じています。
⑩経理を人任せ
独立してからずっと、毎朝、経理をするようにしています。前日分の領収書・レシートなどは翌朝にすべて、会計ソフト・家計簿ソフトに登録を済ませてしまいます。
これがもし税理士に丸投げ、だったとすると。「利益・おカネの現状」がすぐにはわからずに、判断が鈍ったり、判断を誤ったりすることがあります。
税理士などの人任せとなると、いつ現状を知ることができるかはわかりません。2ヶ月も3ヶ月も遅れて知る現状からは、得られることも限られるものです。
すぐに現状を確認できて、日々の判断にも役立つことから、「経理を人任せにしなくてよかった」と感じています。
それはそれとして。経理を毎朝やるなんて、それは「アンタが税理士だからだろう」と言われるかもしれませんが、そんなことはありません。
「税金の計算」はともかく、「経理をする」ということであれば、難易度はそこまで高くはないのです。というわけで、そのあたりのお手伝いもしております。
まとめ
フリーランスで開業したときに「やらなくてよかった」10のこと、についてお話をしてきました。
人それぞれ、といったところではありますが。わたしにとっては、ということを振り返ってみました。開業時のご参考になれば幸いです。
- 自己資金だけで開業する
- ホームページ作成を委託する
- 低価格をウリにする
- ひとつの事業だけに集中する
- 紹介を頼る
- 目指すべき理想像がない
- 事務所を借りる
- 固定電話を持つ
- スーツを着る
- 経理を人任せ