黙っていると悪印象!現金預金の残高が減ったときの銀行対応

現金預金の減少と銀行対応

決算書の現金預金の残高が減っている。これについて黙っていたのでは、銀行からの印象が悪くなる。

というわけで、現金預金の残高が減ったときの銀行対応についてお話をします。

目次

現金預金が減少したら銀行対応が必要になる

決算書(あるいは試算表)に掲載されている「現金預金」が以前よりも減っている。

この「現金預金残高の減少」に対して、銀行が持つイメージは基本的に「ネガティブ」です。印象がよくない。

言うまでもないことですが、手持ちの現金預金が少なくなると、資金繰りが悪くなるからです。

ひいては、貸したおカネを返してもらえなくなるかもしれない。銀行はそんな不安を持つものです。

結果として、その後の融資は控えるでしょうし、場合によっては既存の融資も回収しようとするかもしれません。

いずれにせよ、借り手としては困ったことです。黙っていたのでは、銀行の印象を悪くするばかりです。

というわけで。現金預金の残高が減ったときの銀行対応についてお話をしていきます。次の3つです ↓

現金預金の残高が減ったときの銀行対応
  1. 赤字による場合は経営改善計画書を提示する
  2. 投資による場合は効果を示す
  3. 売上増加を見込むのなら運転資金を依頼する

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

現金預金の残高が減ったときの銀行対応

《対応1》赤字による場合は経営改善計画書を提示する

「現金預金の減少」も原因がわかれます。まずは、原因が「赤字」による場合の銀行対応を押さえておきましょう。

売上不振などにより赤字になると、現金預金は目減りをしていきます。この状況が改善できなければ、会社・事業は潰れてしまう…

銀行としては不安でしかたないのですから、当然、融資に対する姿勢は厳しくなります。

ここで採るべき銀行対応としては、「経営改善計画書」を策定して、銀行に提示をすることです。

このままではマズい状況にあるのですから、改善の「方法(どうやって?)」や改善の「見込み(いつまでに?どのくらい?)」を示すことで、銀行の不安を緩和させるのです。

CHECK! 銀行にダメ出しされない経営改善計画書の書き方5つのコツ

「計画書」などと言うと。メンドーがって(あるいは毛嫌いして)結局なにもしない・なにもできない、という会社・経営者は少なくありません。

けれども黙っていれば、銀行は不安になります。この先の銀行融資が難しくなります。それでは困ってしましいますから、意を決して計画を練ることです。

そもそも、銀行融資うんぬん以前に、赤字を放っておくわけにはいきません。赤字解消・経営改善に向けた取り組みを計画にまとめましょう。

《対応2》投資による場合は効果を示す

現金預金が減少する原因は、赤字のようにネガティブなものだけではありません。ポジティブな現金預金の減少もあります。

それが「投資」です。あらたに機械設備を導入する、あらたに人を採用する、いまいる人材を育成するなど、いろいろな投資があります。

これらの投資にあたり、手元のおカネを使うのであれば、現金預金は減少することになります。銀行としてはやはり不安でしょう。

しかし、投資の「効果」によって、将来の現金預金は増加しますよ。ということを銀行に示すことで、銀行の不安を緩和させるのです。

たとえば、機械設備の導入であれば。その背景には受注増がある、設備投資で受注増に対応できる。結果、売上が増加するという「効果」が見込まれる。

ということであれば、目先の現金預金減少は、決してネガティブなものではありません。むしろ、中長期的にはポジティブです。

同じように、人材の採用や育成も、将来の売上増や生産性向上という「効果」を見込んでいるはずです。

これらの効果について、銀行に伝えるようにしましょう。

伝えるときには、「話す」だけでは不十分です。銀行は書類文化でもありますから、事業計画書や予測資金繰り表のカタチで、提示をするのがベストです。

【参考】設備投資をするなら融資を受けたほうがいい

設備をするためのおカネ(設備資金)を銀行から借りることが可能です。

手元のおカネ(自己資金)で設備投資をするのもひとつの方法ですが、資金繰りを考えるのであれば、融資を受けて設備投資することをおすすめします。

事業には波があるものです。いかなる波にも耐えられるように、できる限り現金預金残高を減らさないようにしておくことが、中小零細企業には大切です。

CHECK! 現金預金の残高はいくら必要?月商〇ヶ月分の議論に終止符を打つ

《対応3》売上増加を見込むのなら運転資金を依頼する

前述の《対応2》で、投資の効果としての「売上増」に触れました。

売上が増えることに伴って考えるべきことに「運転資金の増加」が挙げられます。

運転資金の増加について、くわしくは別記事にゆずりますが。結論として、売上が増加をすると、おカネが不足します。

売上が増えると、一般に、売掛金も増えます。売掛金は「入金待ち」ですから、入金待ちが増えることで、おカネが不足するのです。

加えて、売上を増やすために仕入を増やし、在庫が増えているのだとすれば。在庫もまた「入金待ち」と同じですから、ますますおカネが不足します。

このように不足するおカネのことを「増加運転資金」と呼び、銀行から融資を受けることが可能です。

むしろ、ここで融資を受けなければ資金繰りは悪化していきますので、「売上が増えた・運転資金が増えた」ときには必ず融資を依頼するようにしましょう。

売上増加というポジティブな背景があることから、銀行も前向きに融資を検討するところです。

《対応2》の「投資効果を示す」と、《対応3》の「運転資金を依頼する」はセットで対応するようにしましょう。

銀行融資におすすめのメニュー

モロトメジョー税理士事務所では、「銀行融資のサポート」をするメニューをそろえています! 当事務所は経営革新等支援機関の認定を受けています。
銀行融資の記事まとめページ
銀行融資入門セミナー
銀行融資・財務のコンサルティング
銀行融資の個別相談

まとめ

現金預金の残高が減ったときの銀行対応についてお話をしてきました。

銀行は、現金預金の減少に対してネガティブです。今後も融資を受けられるように、必要な銀行対応をしましょう。黙ったままではいけません。

現金預金の残高が減ったときの銀行対応
  1. 赤字による場合は経営改善計画書を提示する
  2. 投資による場合は効果を示す
  3. 売上増加を見込むのなら運転資金を依頼する
現金預金の減少と銀行対応

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

目次