税金を支払うために銀行からおカネを借りる『納税資金』の 注意点

税金を支払うために銀行からおカネを借りる「納税資金」の 注意点

会社が銀行から借りるおカネにもいろいろありますが。税金を支払うために借りるおカネとして「納税資金」があります。

そんな納税資金の注意点をまとめてみました。

目次

税金を支払うために借りるおカネ=納税資金

会社が「税金を支払う」ために銀行から借りるおカネとして「納税資金(決算資金とも呼ばれます)」がありますが、意外となじみがないようです。

そんな納税資金について誤解や間違いをしないよう、注意点を押さえておきましょう ↓

税金を支払うために銀行からおカネを借りる注意点
  1. 税金を支払うためのおカネは「借りられる」
  2. 税金を支払うためのおカネは「借りてもいい」
  3. 税金を支払うためのおカネは「借りやすい」
  4. 借りられるのはこれから払う税金だけ
  5. 借りられる税金にも種類がある

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

税金を支払うために銀行からおカネを借りる「納税資金」の 注意点

《注意点1》税金を支払うためのおカネは「借りられる」

税金を支払うのがタイヘンだ… という話はよく聞きますが、「だから銀行からおカネを借りた」という話はあまり聞きません。

その理由のひとつとして。税金を支払うためのおカネ、つまり「納税資金」を銀行から借りられることを知らない、が挙げられます。

知らないことにははじまりませんので、まずは納税資金の存在を理解しておきましょう、というのが注意点になります。

《注意点2》税金を支払うためのおカネは「借りてもいい」

納税資金の存在は知っているけれど。おカネを借りてまで納税をするっておかしくない? ということで、納税資金を敬遠している会社があります。

もちろん、借りずに納税できるのがいちばんですが。借りることが必ずしもおかしいわけではありません。

たとえば、決算日の直前に大きな売上があった場合に、代金の受け取りが納税期限後だとしたら。税金を払うための原資(おカネ)が無いことになります。売上代金が未入金だからです。

そこで、銀行からおカネを借りて納税することができれば、資金繰りはラクになります。借りたおカネは、その後に入金した売上代金から返済できるのですから、なんら問題はありません。

また、決算日の直前に大きな売上がなくとも、納税資金を利用するメリットはあります。

納税資金の返済は6ヶ月の分割返済になりますので、いちどに納税をするよりも資金繰りをラクにする効果があるからです。

借入を嫌って、なんとか手元のおカネ(自己資金)で税金を支払ったのに資金繰りがもちませんでした… では本末転倒です。

「おカネを借りてまで納税をするっておかしくない?」という先入観には、注意しましょう。

《注意点3》税金を支払うためのおカネは「借りやすい」

銀行からおカネを借りると言ってもいろいろで。借りやすいものもあれば、借りにくいものもある。借りやすさは異なります。

その点で、税金を支払うためのおカネは「借りやすい」のが特徴です。

なぜなら、税金を支払う前提には「黒字(利益が出ている)」があるから。業績がよく、貸したおカネもきちんと返してもらえる、と考えられますので、銀行も貸しやすいのです。

また、前述したように、納税資金の返済は6ヶ月の分割返済。短期での貸し出しですから、長期の貸し出しに比べればリスクも小さい(長期になればなるほどそのあいだになにが起きるかわからない)、という理由もあります。

したがって、納税資金は借りやすいことを覚えておきましょう。銀行からおカネを借りるのはいつでも借りにくいものだ… とは考えないことです。

なお、借りやすいとは言いましたが。銀行は、6ヶ月でほんとうに返せるかどうかを気にしています。そのあいだに業績が悪くなったり、別のことにおカネを使ってしまうかもしれないからです。

これに対しては、向こう6ヶ月の資金繰り予定表を提示することで銀行は安心をします。より借りやすくするためのテクニックとして、あわせて覚えておきましょう。

《注意点4》借りられるのはこれから払う税金だけ

税金を支払うためのおカネは銀行から借りることができます。

ただし。「すでに払っているはずの税金」を支払うために、おカネを借りることはできません。

つまり、納税の期限が過ぎているのに、支払いが遅れている・支払っていない税金について、銀行からおカネを借りることはできないということです。

言うまでもないことですが。払うべきものを払わない、ルールを守れない会社におカネを貸すわけにはいかない、と考えるのは当然でしょう。

また、税金を支払うことができていないということは、資金繰りが相当悪くなっていることの証でもあります。

そんな会社におカネを貸しても返済してもらえる可能性は小さい。だから銀行は、「すでに払っているはずの税金」を支払うためのおカネは貸さないのです。

銀行は税金を支払うためのおカネを貸すけれど、それは「これから払う税金」に限られている、という点に注意しましょう。

なお、納税の「金額」を早めに銀行へ伝えることにも注意が必要です。

銀行も審査をするのには時間がかかりますから、納税期限ギリギリで伝えていたのでは間に合いません。

むしろ、決算日を迎える前からでも利益・税金を予測して、おおまかな納税資金の金額を銀行に相談しておくのがおすすめです。

《注意点5》借りられる税金にも種類がある

銀行から借りられるのは「これから払う税金」に限られている、という話をしました。税金であればなんでもかんでも借りられるわけではない。

なんでもかんでもとはいかない点がもうひとつあります。それは、「税金の種類」です。

銀行から借りることができる税金は、「法人税、法人住民税・事業税」に限られれています。

いっぽうで、消費税、源泉所得税を支払うために、銀行からおカネを借りることはできません。

消費税はお客さまから預かっているおカネ、源泉所得税は従業員などから預かっているおカネ。預かっているおカネをそのまま納税するだけの税金です。

だから、消費税と源泉所得税についてはおカネを貸さない、というのが銀行の考えになります。注意しましょう。

このようなこともあり、納税資金を銀行から借りようとするときには、税金の内訳を求められます。

そのうえで、「法人税、法人住民税・事業税」の金額分だけおカネを借りられる、ということです。

金額が事実かどうかを確かめる目的で、銀行は納付書の提示を求めたり、じぶんの銀行で納付をするよう求めたりします。

ですから、「納税資金ということにして、ちょっと多めに借りてしまおう」というわけにはいかないことを申し添えます。

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まとめ

税金を支払うために銀行からおカネを借りる「納税資金」の 注意点についてお話をしてきました。

納税資金については意外となじみがなく、誤解や間違いが多いところでもあります。注意点を押さえておきましょう。

税金を支払うために銀行からおカネを借りる注意点
  1. 税金を支払うためのおカネは「借りられる」
  2. 税金を支払うためのおカネは「借りてもいい」
  3. 税金を支払うためのおカネは「借りやすい」
  4. 借りられるのはこれから払う税金だけ
  5. 借りられる税金にも種類がある
税金を支払うために銀行からおカネを借りる「納税資金」の 注意点

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