融資のときに見せるじぶんの通帳『なんで銀行はそんなこと言うの?』5事例

融資のときに見せるじぶんの通帳「なんで銀行はそんなこと言うの?」5事例

創業融資を受けるときなど、銀行から「預金通帳を持ってきてください」と言われることがあります。

その際、「なんで銀行はそんなこと言うの?」と疑問に感じる事例を集めてみました。

目次

銀行は自己資金を確認するために通帳を見る

事業をはじめるにあたり、創業融資を受けるときなど。銀行から「預金通帳を持ってきてください」と言われることがあります。

そのいちばんの目的は、いわゆる「自己資金」の存在を確認するためです。

自己資金とは文字どおり、じぶんのおカネであり、誰かに返さなくてもよいおカネ、を言います。くわしくはこちらの記事もどうぞ ↓

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それはそれとして。融資のときに見せるじぶんの通帳について、「なんで銀行はそんなこと言うの?」と疑問に感じる事例を集めてみました。次の5つです ↓

なんで銀行はそんなこと言うの? の5事例
  1. 通帳の原本を持ってきてください
  2. 半年分以上持ってきてください
  3. ふだん支払いに使っている通帳も持ってきてください
  4. 記帳をして持ってきてください
  5. ネット銀行は取引明細を印刷して持ってきてください

銀行がそんなことを言う「意図」を理解しておくと、よりスムーズに対応もできることでしょう。

というわけで。5つの事例について、このあと順番にお話をしていきます。

 

通帳について「なんで銀行はそんなこと言うの?」5事例

《事例1》通帳の原本を持ってきてください

通帳は「原本」が基本です。

自己資金の金額を確認するにしても、コピーでじゅうぶんじゃないか! と思われるかもしれませんが。

「偽装・改ざん」が少なくないという現状があり、銀行は原本で確認をするようにつとめています。

原本に直接は難しくても、コピーをする段階でなんらかの偽装・改ざんであれば比較的やりやすい、ということです(もちろんやってはいけません)。

たとえば、数字を一桁つけ足すとか。表紙や1ページめ(名義や口座番号などが書いてある)のコピーはじぶんの通帳で、それ以降の取引ページは他人の通帳とか。

したがって銀行は、持参してもらった通帳の原本を確認したうえで、その場でコピーをとるのが通常の流れになっています。

というわけですから。コピーではなく、原本を忘れずに持っていくようにしましょう。

《事例2》半年分以上持ってきてください

創業融資の代表格である「日本政策金融公庫」では、「最近半年分以上の取引がわかる通帳を持ってきてください」と言われます。

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なんでそんなに昔の分まで通帳がいるの…? と思われるかもしれませんが。

たしかに、いま現在の預金残高であれば、通帳のさいごの部分だけを見ればわかります。ところが、「残高=自己資金」とは限らない、というのが銀行の見方です。

たとえば、いま現在の残高が 300万円だとしても。ちょっと前に友人に頼んで借りた 300万円かもしれません。だとしたら、それを自己資金とは言えないですよね。

だから銀行は、半年くらいはさかのぼって、自己資金が「誰かに返さなくてもよいおカネ」かどうかを確認しているのです。

あまり長いあいだ記帳をせずに通帳を放っておくと、取引明細が記帳できずに、そのあいだの取引合計での記帳になってしまうことがあります。記帳はこまめに、が大切です。

ところで。銀行に対して「いちばんよい自己資金」とは、コツコツと少しずつ貯めたおカネです。「コツコツ」という姿勢に創業者としての資質・自覚・熱意などがあらわれます。

逆に、退職金や親からの贈与によるおカネは、自己資金としては少々見劣りします。「返さなくてよいおカネ」という点では同じですが、そこに「コツコツ」は無いからですね。

《事例3》ふだん支払いに使っている通帳も持ってきてください

自己資金としてのおカネがある通帳だけではなく、ふだん支払いに使っている通帳も持ってきてください、と言われる。

これは、家賃や住宅ローン、水道光熱費などの支払いに遅延・未払がないかどうかを確認するためです。結果、遅延・未払があれば、融資を受けることは難しくなります。

遅れたり、払えなかったりするのはおカネに困っているのかな? ということもありますが。なにより、「期日・約束を守れない人」と見られてしまうのが問題です。

おカネを貸す側からすれば、そういう人には貸したくありませんよね。

半年以上の通帳を銀行に見せなければならないことがあるのは、先ほどお話をしたとおりです。創業融資を受けるなどの予定があるならば、少なくとも最近半年に遅延・未払がないかに気をつけましょう。

【参考】配偶者の通帳はプラス要素

じぶん(本人)の通帳だけでは自己資金に不足がある、不安がある場合。配偶者の通帳もいっしょに見せることで、自己資金の評価上プラスになる可能性があります。

《事例4》記帳をして持ってきてください

銀行に通帳を持っていく際には、「記帳をしてきてください」と言われます。言うまでもなく、いちばん最新の情報を確認するためです。

さきほどもお話しましたが、長いあいだ記帳をせずに通帳を放っておくと、取引明細が記帳できなくなります。ふだんからこまめに記帳はしておきましょう。

なお、通帳を見た銀行から、「いくらか少しでもいいので預入をしてから記帳してください」と言われることもあります。

なんでそんなことしなきゃいけないの? と思われるかもしれませんが。これは、ほんとうに取引がないのか、記帳をしていないだけなのか、を確認するためです。

たとえば、通帳には 300万円の残高が掲載されている。でも実は、記帳をせずに 300万円を引出して使ってしまっているケースはあるわけです。

ほんとうは無い 300万円を自己資金だとしてウソをつかれたのではたまらないので、銀行は「便宜的に預入・記帳をさせる」ことで確認をします。

したがって、取引がない期間があまり長いようだと、そんなふうに言われることもあるのだな、とおぼえておくとよいでしょう。

《事例5》ネット銀行は取引明細を印刷して持ってきてください

ネット銀行などの場合には、通帳自体が無いということもあるでしょう。

その場合には、ネットから取引明細を印刷して持ってきてください、と言われます。通帳の代わり、ですね。

取引明細については、CSV形式でダウンロードできるケースもありますが。この形での印刷・持参はやめておきましょう。

なぜなら、CSVはデータの加工が容易だからです。ゆえに、偽装・改ざんをイメージさせます。世の中には悪い人もいるので、銀行が悪いイメージをしてしまうのはしかたありません。

ムダに悪いイメージを持たれることがないように、取引明細は「PDF形式」あるいは「画面のコピー」で印刷・持参をしましょう。

それでも偽装・改ざんの可能性はありますから、その場でログインさせて、印刷した取引明細の内容が本当かを確認する銀行もあります。

なかなかたいへんだなぁ、というところですが。銀行の意図を理解して協力するようにしましょう。

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まとめ

創業融資を受けるときなど、銀行から「預金通帳を持ってきてください」と言われることがあります。

その際、「なんで銀行はそんなこと言うの?」と疑問に感じることがあれば、銀行の「意図」を押さえておきましょう。よりスムーズな対応ができるようになるはずです。

なんで銀行はそんなこと言うの? の5事例
  1. 通帳の原本を持ってきてください
  2. 半年分以上持ってきてください
  3. ふだん支払いに使っている通帳も持ってきてください
  4. 記帳をして持ってきてください
  5. ネット銀行は取引明細を印刷して持ってきてください
融資のときに見せるじぶんの通帳「なんで銀行はそんなこと言うの?」5事例

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