ヒトは時間をムダにする生き物であり、しばしば時間に対する後悔の念をいだきます。
というわけで、時間に関するよくある誤解と、わたしなりの対策についてのお話です。
なぜ、僕は時間をムダにしてしまうのか。
おカネは貯めることができるが、時間を貯めることはできない。などと言われるように、時間はおカネをもしのぐ「貴重な資源」であることに、異論はないでしょう。
ですが、ヒトは時間をムダにする生き物であり、しばしば時間に対する後悔の念をいだきます。もちろん、わたしも。ではなぜ、時間をムダにしてしまうのか?
その原因のひとつは、時間に関する「誤解」にある。というのが、わたしの考えです。けして少なくはない人たちが、誤解をしているであること。具体的にはこちらです↓
- 時間がない
- あしたがある
- あっという間
- 時間があったらやる
- 寝ずにやればなんとかなる
これら、時間に関するよくある誤解と、わたしなりの対策についてお話をしていきます。時間に対する後悔を減らすヒントになるようでしたら幸いです。
それではこのあと、順番に見ていきましょう。
時間に関するよくある誤解と僕の対策
【誤解1】時間がない
人はよく、「時間がない」という言葉をクチにします。わたしもまた、「油断」をすると使ってしまう言葉です。けれども、じぶんにとっての「禁句」として、使用を制限しています。
なぜなら、「時間がない」という状況がありえないからです。時間は、いつも、ここにあります。1日 1,440分という時間は、だれにとっても等しく存在しているのです。
だから時間はちゃんとありますし、「時間がない」のではなくて、じぶんで「時間をなくしている」のだという「事実」に気が付かなければいけません。
まるで全世界の時間が同時になくなったかのように、他人事のように「時間がない」というのはおかしなハナシです。時間がないのだとすれば、じぶんだけに起きている「問題」として認識する必要があります。
そこで、わたしがとっている対策は「記録」です。じぶんが、きょう1日、1,440分という時間をどのように使ったのか。分単位で記録をしています。
ポイントは、つど記録することです。あとでまとめて記録をするのでは、うろ覚えになってしまいます。また、つど記録することで、「いままさにムダな時間を過ごしていた…」と気づくこともできるでしょう。
そのうえで、1日のおわりに、とった記録をサッと見返します。そのなかに、「時間をなくす」ような場面がなかったかどうか。あったとすれば、「どうしたらそのような場面を減らせるか」を考えてみます。
あとは、この繰り返しです。日々、記録とふりかえりを続けることで、少しずつでも「時間をなくす」ことができるはずです。時間がなくなることはありません。なくしているのは、いつもじぶんです。
【誤解2】あしたがある
あしたやればいっか、と考えてしまうことがあります。あしたはあしたの風が吹く、なんて言いますし。それはそれで、ひとつの「考え方」ではあるでしょう。
が、そのいっぽうで。ほんとうに、あしたがあるかどうかはわかりません。これは紛れもない事実です。突然、事故に合うかもしれない、天災に襲われるかもしれない。その先に、あしたがあるかはわからないことです。
でも、多くの人は、それを「まさか」で片付けてしまいます。まさか、事故に合うなんてありえないだろう。まさか、天災に襲われるなんてありえないだろう。そんな感じです。
もちろん、わたしもまた、そのように感じてしまうことがしばしばあります。
そこで、わたしがとっている対策は「ニュースを見る」です。ニュースのなかには、たくさんの「まさか」があります。たくさんの「まさか」が実際に起きていることがわかります。
そういったニュースを見て、「もしかしたら、あしたのニュースの当事者はじぶんかもしれない」と考えてみることで、「まさか」の現実味は増すものです。あすは、わが身。
すると、「あしたやればいっか」の意味も、少々変わってくるでしょう。
ちなみに。わたしは、基本的にニュースは見ないようにしています。じぶんとは関係がなく、メンタル面でも良い影響がないものと考えているからです。ただそれでも、「あしたがある」かどうかを再確認できる点では、ニュースも役立つものだと考えています。
【誤解3】あっという間
時間に対する感覚として、「あっという間」があります。とはいえ、1分はだれにとっても、同じ長さの1分です。にもかかわらず、あるときは短く感じたり、あるときは長く感じるのはなぜなのか?
その理由は、いろいろとあるようです。年齢を重ねると時間を短く感じる説、心拍が低いほうが時間を短く感じる説、代謝が低いと時間を短く感じる説など。
そして、わたしが気になっているのは、出来事が少ないほど時間を短く感じる説になります。
たとえば、子どものうちは経験が少ないので、日々、あたらしい出来事の連続です。すると、脳の活動が促進されて、時間を長く感じるようになります。
一流アスリートが「超集中状態・超没頭状態(いわゆる、ゾーン)」に入ると、「まわりの時間が止まってみえる」みたいなハナシがありますが、そんなイメージです。
逆に、おとなになると経験が増えて、あたらしい出来事は少なくなります。すると、脳の活動は減退して、時間を短く感じるのだそうです。日がな、同じことを繰り返している人はとくに。
というわけで、もし「あっという間」だと感じているのであれば、それは「あたらしいことを経験しないからだ」と考えることができるでしょう。「あっという間」に良い・悪いはないにしても、「あたらしいことを経験しない」のは、あまり良いことではありません。
そこで、わたしがとっている対策は、「毎日なにかあたらしいことにチャレンジする」です。
どんなに小さなことでもよいので、1日1つ以上、きのうまで経験したことがないものにチャレンジして、それを記録し続けています。記録という行為によって、実行の確認・ふりかえりにもなるので。
ちなみに、きのうは「仮想空間のハロウィンイベントに参加」してみました。といった具合です。
【誤解4】時間があったらやる
時間があったらやる。これもまた、時間に関するよくある誤解のひとつでしょう。なにしろ、それで時間があった試しはありません。結局、やれた試しがないのです。
多くの人は、「急ぎ(緊急度が高い)」のものから時間を使います。ほんとうは、緊急度とは関係なく、「だいじ(重要性が高い)」なものから時間を使うべきだ。と言ったのは、『7つの習慣』の著者であるスティーブン・コヴィーさんです。
そうは言うけど、やっぱり「急ぎ」に振り回されるのがヒトでもあります。そこで、わたしがとっている対策が、「スケジュールを組む」です。
なにをそんなあたりまえなことを… と、思われるかもしれませんが。わたしの場合は、毎朝の段階で、翌朝起きるまでのスケジュールを分単位で組み上げています。そこに、「すきま」はありません。
スケジュールを組む段階で、「だいじ」なものを織り込むことで、「時間があったらやる」の失敗をしないようにしています。だいじなのであれば、はじめっから時間を天引きしておくということです。
もちろん、予期せぬできごとが起きるときもありますし、スケジュールどおりに進行できないこともあります。でもそれは、たいした問題ではありません。
重要なのは、「時間があったらやる」をなくすことであり、緊急度ではなく重要性を優先して、時間を使うクセをつけることにあります。
【誤解5】寝ずにやればなんとかなる
寝ずにやればなんとかなる、というのも誤解のひとつだと考えています。これは、時間の「使いかた」の問題ですね。どうにもやることが多くなると、寝る間も惜しんで… というケース。
わたしも、6〜7年くらい前まではそういうこともありました。いざとなれば、寝ずにやればいい。そして、寝ずに仕事をしていたことがあります。でも、いまはしていません。しないように、とも決めています。
言うまでもありませんが、睡眠が大切だからです。
睡眠不足がひどいと、酔っぱらい並みに認知力が低下することがわかっています。自覚しているかどうかに限らず、とんでもなく生産性や注意力が落ちるのです。また、睡眠不足によって、健康に悪影響があることもわかっています。
だとすれば、睡眠不足では良質な成果を出せないうえに、よけいな時間をくってしまうでしょう。もし病気になろうものなら、自由度を奪われた時間をしいられることになります。
ですから、「睡眠を最優先に考える」というのは、わたしの対策のひとつです。それから、もうひとつ。「やめることを考える」のも、あわせて実行している対策です。
睡眠をとりたくても、物理的な仕事・作業の量が変わらない以上、どうしようもない… と、思われるかもしれません。だったら、やめることで物量を減らせばいい、という考え方です。
よくよく見直してみると、やらなくても仕事・やらなくてもいい作業というのはあります。また、やりかたを変えることで、物量を減らせることもあるでしょう。
仕事や作業をやりきることも大切ですが、そもそも、やる必要があるのか? やめるという選択肢がないのかを考えてみるのも、大切なことだと考えています。
まとめ
ヒトは時間をムダにする生き物であり、しばしば時間に対する後悔の念をいだきます。その原因のひとつは、時間に関するよくある「誤解」です。
じぶんのなかに「誤解」はないか? あるとすれば、どう対策するか? 考えてみるのはいかがでしょうか。本記事がそのきっかけになるようでしたら幸いです。
- 時間がない
- あしたがある
- あっという間
- 時間があったらやる
- 寝ずにやればなんとかなる