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先立つものはおカネ、だから社長はどうする?

先立つものはおカネ、だから社長はどうする?

会社の経営・財務について、先立つものはおカネだとしたら。社長はいったいどうすればよいのか?意外と見逃されている点を挙げてみます。

目次

賛否両論あることはわかったうえで

会社の経営・財務について。先立つものはおカネだ、といわれたらどうでしょう?

経営資源は、ヒト・モノ・カネというし。その順序から見ても、まずヒトなのではないか。先立つものはヒト、次いでモノであり、経営におけるおカネはさいごではないのか?

と、おもわれるかもしれません。

この点、わたしは「先立つものはおカネだ」と考えています。だって、おカネがなければ事業をはじめられないし、おカネがなくなれば会社はつぶれてしまうのですから。

だとすれば、ヒト・モノ・カネのうち、いちばん大事なのはカネなんじゃないの?まずヒトだ、などというのは、ある意味ではきれいごと。ヒトだって、おカネがなければ雇えません。

と、いってはみたものの。このあたりは、賛否両論あることはわかっています。わかったうえで、あえて、「話の前フリ」としてお話をしているにすぎません。

では、会社の経営・財務において、先立つものがおカネであるとした場合、社長はどうすればよいのか?意外と見逃されている点を3つほど挙げてみます。次のとおりです↓

先立つものはおカネ、だから社長はどうする?
  • 値上げする
  • 借入をする
  • 返済を減らす

このあと、順番に解説をしていきます。

先立つものはおカネ、だから社長はどうする?

値上げする

いまは、円安やエネルギー価格の高騰、人件費の上昇などを背景に、企業の価格転嫁が進んでいます。価格転嫁、つまりは「値上げ」です。

ところが、実際に値上げができている「中小企業」は、まだまだ少ないものとおもわれます。とある統計によれば、価格転嫁できている割合は5割以下。それも、じゅうぶんなだけの転嫁ができないケースを含めてです。

もちろん、値上げをせずとも、コスト削減で対応するという方法もあるでしょう。しかし、それにも限度があります。結局、さいごは「質を落とす」ことになるのです。

質を落としてでも価格を守ろうとしてしまいます。価格を上げれば、お客さまにご迷惑だからと。

すると、どうなるか?お客さまからの信頼を失い、売上は減少することになるでしょう。極論、会社がつぶれてしまうようでは、お客さまに対してよほどご迷惑というものです。

だから、わたしはよく、「値上げをしましょう」といっています。このとき、「付加価値を上げるのが先だ」という反論もあるのですが、わたしは「値上げが先だ」という考えです。

なぜなら、中小企業は大企業に比べて、そもそもの価格が低すぎます。そして、その価格を長きにわたって据え置いてきました。デフレマインドも染み付いているので、値上げにも不慣れです。

商品の価値から見れば、もっと高い価格が「妥当」なのに、過少に低い価格を付けている。値決め(価格を決める)のは社長の大事な仕事のひとつです。あらためて、値上げを検討しましょう。

付加価値を上げるにも、そのための「原資(おカネ)」が必要です。原資を確保するためにも、値上げが必要なのであり、相応のお客さまは値上げを受け入れてくれるものと考えましょう。

少々の客離れはあったとしても、値上げによる単価増で、売上総額ではそれほど大きく減るものではない、ということです。

借入をする

事業の持続・成長に、投資はツキモノです。たとえば設備投資、新規出店、人材採用・教育など。投資を怠る会社が、厳しい状況におちいることは「コロナ禍」の例からもあきらかです。

とはいえ、投資を実行するにも、おカネが必要になります。おカネがなければ投資はできない。やはり、先立つものはおカネなのです。では、社長はどのようにおカネを用意するか。

利益をあげて、おカネを用意するのがベストです。が、投資にじゅうぶん回せるほどのおカネを、利益で稼げる会社はそれほど多くはないでしょう。

おカネがたまるまで…などといって、投資を保留していると投資機会を逃してしまい、事業の持続・成長が危ぶまれるようなら問題です。そこで、銀行借入が選択肢になります。

借入をテコにする、というハナシはご存知でしょうか。借入をすれば、支払利息の負担はありますが、投資による利益が利息負担を上回れば、借入も事業の成長に貢献します。

借入は「負」のように見られがちですが、テコが前提ならば、投資における借入は「正」だといえるわけです。ところが、借入は「したい」からといって、できるものでもありません。

いうまでもなく、銀行の審査が必要だからです。自社の業績が悪いときなどはとくに、審査は厳しく、結果として借入は難しくなります。だとすれば、業績がよいときに、借入をしておくことです。

ふだんから、借入によっておカネを増やしておけば、いざ投資をするときにも「銀行の審査」を待つ必要はありません。と、いわれてみればあたりまえなのことなのですが。

実際には、「いざ」にならないと借入をしようとしない社長が多いものとおもわれます。借りたいときに必ずしも借りられないことを理解して、借入の前倒しを考えていきましょう。

返済を減らす

利益は出ているのに、おカネがない…資金繰りが悪い…という会社があります。端的にいえば、利益よりも、借入の元金返済が多い会社です。

では、借りすぎなのかといえば、それがそうでもありません。借入額には問題がなくても、元金返済が多すぎる状態はありうるのです。たとえば、借入の本数が多いケースが挙げられます。

借入をするたびに、既存の借入をまとめる(1本化する)ことなく、本数を増やしていくと、毎月の返済額は多くなるのです。いっぽうで、あらたな借入をするときに既存の借入をまとめると、毎月の返済額は減少することになります。くわしくはこちらの記事を↓

なので、借入の本数が多い場合には、本数を減らすことを銀行に相談してみましょう。

また、経常運転資金分(売上債権+棚卸資産ー仕入債務)の借入を、毎月分割返済している場合にも資金繰りは悪くなります。いっぽうで、経常運転資金分の借入を、短期継続融資で借りている場合には、毎月の返済がないので資金繰りはよくなります。

短期継続融資とは、期日一括返済の手形貸付や、当座貸越を利用する借りかたです。手形貸付は、期日に銀行の審査のうえ、期日を更新することができます(手形の書き換え)。当座貸越は、銀行が決めた限度額の範囲内で、自由に借りたり返したりができます。

結果として、経常運転資金分の借入を「借りっぱなし」にできるため、資金繰りがよくなるのです。

借入の本数を減らすにしても、短期継続融資にしても、いずれにせよ「返済を減らす」という方法があることを、社長は理解しておきましょう。

まとめ

会社の経営・財務について、先立つものはおカネだとしたら。社長はいったいどうすればよいのか?意外と見逃されている点を挙げてみました。

実際に見逃しているものがあれば、実行を検討してみましょう。その後の資金繰り(おカネ)を、改善するきっかけになるはずです。

先立つものはおカネ、だから社長はどうする?
  • 値上げする
  • 借入をする
  • 返済を減らす
先立つものはおカネ、だから社長はどうする?

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