へへへ、きょうはお客さんにご馳走したよ。ってアレ?これってナニ費だっけ・・・
はいはい。「ナニ費」とは、いわゆる「勘定科目」の問題ですね。
いくら会計ソフトの使い方を覚えても、勘定科目がわからなければ実戦では使えません。
そこで今回は、「勘定科目」についてお話しします。
《前回までのあらすじ》現金出納帳の基本をマスター
クラウド会計「MFクラウド確定申告」で経理をはじめたあなた。
現金出納帳の難所のひとつ「事業主借」もクリアし、現金出納帳の基本をマスターしました。
クラウド会計の操作・機能も学んだところで、きょうは実戦に突入します。
法人の経理でも参考にはなりますが、一部取り扱いが異なりますのでご注意ください。
勘定科目一覧表を入手せよ
きょうのテーマに入る前に、いま現在の「MFクラウド確定申告」の現金出納帳を確認しておきましょう。
現金出納帳の現状確認
まずは「MFクラウド確定申告」を起動して、現金出納帳を表示してください ↓
へへへ、お客さんにご馳走したよ
では、次の取引について入力をしてみることにしましょう。
さぁ、入力ですよ。仕訳登録の帯をクリックして、仕訳フォームを開きます(わからないときはコチラの記事を)。続いて、
- 取引日・・・1月4日
- 相手勘定科目・・・??
相手勘定科目を選択するところで迷うことになります。
はて?接待の飲食代の「勘定科目」ってなんだろう?
勘定科目一覧表を授ける
入力の途中ではありますが、ここでしばし脱線。
突然ですが、勘定科目選びの「解答」として。勘定科目一覧表を掲載します 。ウ~ン、なんて太っ腹 ↓
勘定科目 | 使い方の例示 |
租税公課 | 住民票など役所の文書にかかる費用、収入印紙代、個人事業税、消費税、固定資産税 |
荷造運賃 | 売上商品の発送にかかる梱包費・発送費 |
水道光熱費 | 電気代、ガス代、水道代、灯油代 |
旅費交通費 | 電車代、バス代、タクシー代、宿泊代、カーシェア利用料 |
通信費 | 電話代、インターネット利用料、切手代・はがき代・郵便料金 |
広告宣伝費 | 広告掲載費用、WEBサイト運営費用、名刺代、会社案内・パンフレット製作費 |
接待交際費 | 取引先などの飲食代、贈答代、香典・祝儀、ゴルフ代 |
損害保険料 | 店舗・事務所の損害保険料、損害賠償保険料 |
修繕費 | パソコンなど仕事で使う物品類の修理代 |
消耗品費 | 10万円未満の備品(10万円以上は別途解説)、文房具、雑貨 |
福利厚生費 | 従業員の茶菓子代、香典・祝儀 |
給料賃金 | 従業員の給料・賞与 |
外注工賃 | 外部業者への業務委託費(いわゆる外注費) |
利子割引料 | 借入金返済の利息部分(元金部分は経費対象外) |
地代家賃 | 店舗・事務所の賃借料、月極駐車場の利用料 |
会議費 | カフェなどでの打合せ、ひとり仕事費用 |
図書費 | 書籍代 |
研修費 | セミナーの参加費用 |
支払報酬 | 税理士などへの報酬 |
諸会費 | 同業者団体などの会費 |
車両関連費 | ガソリン代、ETC利用料、時間貸駐車代、自動車保険料、車検・修理代 |
リース料 | パソコン、コピー機などのリース料 |
雑費 | 振込手数料、他の勘定科目のいずれにも分類できないもの |
ということで、表中の「接待交際費」のところ(オレンジ色の文字)を見てください。
取引先などの飲食代は、一般に「接待交際費」という勘定科目を使うんですよ。というのが、上の勘定科目一覧表の使い方です。
一般的な考え方としての勘定科目一覧表
いましがたさりげなく、「一般に」という表現を使いました。
取引先などの飲食代は、「一般に」接待交際費という勘定科目を使うんですよ、と。
勘定科目に「絶対」はありません。この取引には絶対にこの勘定科目という強制力はないのです。
だからといって、各々が自由気ままに勘定科目をつくったり、使ったりしていてはわかりづらくてかないませんよね。
そんなわけで「一般に」こんなカンジで、というような。勘定科目についての一般的な考え方は存在しています。
それをわたしなりにまとめたものが、さきほど掲載した「勘定科目一覧表」になります。以後、お見知りおきを。
入力に戻る
さぁ、もう恐れるものはありません。さきほどの入力の続きをやっつけてしまいましょう。次のとおりです ↓
- 相手勘定科目・・・接待交際費を選択
- 摘要・・・「割烹△△ 飲食代(□□商事 社長)」と入力
- 出金・・・「30,000」円を入力
あとは右端の「登録」ボタンを押して終了です。
ちなみに勘定科目と同様に、「摘要」欄にも絶対はありません。
あまり省略しすぎず、かといって細かすぎず。適度な摘要入力をめざしてください。って、ずいぶんアバウトなアドバイスではありますが。
支払いの相手先名称と、カンタンな内容くらいを入力するようにしましょう。あとで自分で見たときに「なんだったっけ?」とならない程度に。
現金売上と、ふたたび現れる事業主
勘定科目一覧表のおかげで、現金支払いの経費については入力ができるようになったはず。ここであらたな展開を。
現金売上があるご商売
現金で受け取る売上がある場合。経費の「出金」に対して、「入金」の場合。現金出納帳への入力はどうするの?
ということで、こんな取引例を ↓
いまどき現金決済かいっ!というツッコミを入れつつ。入力をしてみましょう ↓
- 取引日・・・1月5日を入力
- 相手勘定科目・・・「売上高」を選択
- 摘要・・・「□□商事 デキ男デスク」と入力
- 入金・・・「100,000」円を入力
ムズカシイことはありませんね。注意点は勘定科目は「売上高」を使う、ということくらい。
ここでも「摘要」欄は適度にお願いします。正式商品名「デキる男のデスク」の「デキ男デスク」と略すあたりは秀逸です(たぶん)。
余ったおカネは返そうか
ここで、現金出納帳の残高を見てみましょう ↓
現金残高 118,500円ということで、ずいぶんと現金が増えました。
じゃあいちど、「事業主」に返しましょうかね。という取引を考えることにします。
えっ、事業主って誰?なんて言わないでください。もしかして忘れちゃいました?
事業主はあなたですよ。あなた。(忘れた人はコチラの記事を)
1月1日の取引で、「事業主借」としてあなたから現金を入金してもらったことの「逆」をやります。取引としてはこれ ↓
入力してみましょう ↓
- 取引日・・・1月6日を入力
- 相手勘定科目・・・「事業主貸」を選択
- 摘要・・・「事業主へ出金」と入力
- 入金・・・「50,000」円を入力
もはや、これもムズカシイことはありません。
事業主への出金は「事業主貸」という勘定科目なんだな、ということを覚えるだけのこと。事業主借の対としての事業主貸。
入力が済んだら、右端の「登録」ボタンを押して終了です。
その後、「F5」キーで画面を更新して残高を確認してみましょう。現金出納帳の残高が「68,500」円になっていれば正解です。
現金残高 68,500円のおカネはどこにある?
きょうのさいごに、問題提起をひとつして終わります。
事件発生、事件発生!
さきほど、現金出納帳の残高が「68,500」円となったところで事件です。ここではよく事件が起こります。気を付けて。
そんな事件の内容はというと。
68,500円のおカネが、実際、どこにあんのかわからんっ!というもの。
おカネを入れるサイフなんて「ひとつ」しか持っていない。だから仕事のおカネも、プライベートのおカネも、サイフの中でいっしょくた・・・
仕事用のおカネは、ほんとうに68,500円であっているのかなぁ?たしかめようがないぞ。
世界にひとつだけのサイフならいっそ
サイフがひとつしかないのに、あたかも仕事用のサイフと、プライベートのサイフとがあるように経理をする。帳簿をつける。事実となんか違う。
これってどうなの?だいじょうぶなの?という疑問があっても不思議ではありません。
ナイス!それはとてもいい疑問です。
それならいっそ・・・という話は次回へつづく。
《 次回につづく 》
まとめ
現金出納帳で使う「勘定科目」についてお話をしてきました。
現金出納帳に限らず、「勘定科目」は今後経理をしていく中で必要になります。ムリせず、少しづつ覚えていきましょう。
とはいえ、暗記までする必要もありません。経理は「慣れ」によって、カラダが覚えていくもの。習慣です。
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きょうの執筆後記
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