あえて忘れることで上げられるパフォーマンスがあります。
「いまは必要のない余計なこと」を頭から追い出し、削がれた力を取り戻す。
そのための方法をお話しします。
吐き出したモノを整理する
前回までで、まずは「いま頭の中にあること」をいったん吐き出すところまできました。
実際に頭の中にあることを、眼に見えるように書き出してみたわけです。
おさらい
今回は、その書き出した内容を整理する方法をお話しします。
整理する際の「枠組み」については、前回いちどお話をしました。
下に再掲します。
この「枠組み」はEvernoteの「ノートブック」と呼ばれるものでした。
「ノートブック」とは「ノート」を取りまとめたファイルのようなものでしたね。
思い出してください。
ノートブックの区分(タイトル) | ノートブックの役割・内容 |
INBOX | 頭から追い出したことをいちばんはじめに置く場所 |
取るべき行動 | しなければいけない行動 |
ビジョン | いつかやりたいことや価値観・習慣についてなど |
資料 | ジャンルごとの資料置き場 |
プロジェクトリスト | 連続した行動が長期に及ぶもの |
プロジェクト情報 | プロジェクト実行に必要な資料など |
連絡待ち | 誰かにまかせていること |
処分 | 役目を終えたノート置き場(ごみ箱) |
いま時点では、書き出した内容が「1枚」に列挙されている状態かと思います。
これに対してこれから、必要な数の「ノート」へと細分化し、さらにその「ノート」を「ノートブック」の中へと振り分けていきます。
「ノート」にも「ノートブック」同様、タイトルをつけていきます。
イメージをするために例示で説明していきましょう。
ノートの振り分け
書き出した内容 | ノートのタイトル | 振り分け先のノートブック |
明日(2016年5月9日) ○○さんにTEL | 20160509_日ごと | 取るべき行動 |
今月中(2016年5月)に、古い本を処分する | 201605_月ごと | 取るべき行動 |
夏休みの旅行の計画 | 20160508_プロジェクト | プロジェクトリスト |
買い物に行ったら、牛乳とたまごを買って帰る | 20160508_@買い物 | 取るべき行動 |
今朝みた新聞記事(仕事で役立ちそう) | 20160508_○○新聞朝刊 | 資料 |
いつか高級な腕時計が欲しい | 20160508_ビジョン | ビジョン |
◇◇さんから面談日時の回答を待っている | 20160508_連絡待ち | 連絡待ち |
いくつか補足をしていきます。
「明日(2016年5月9日) ○○さんにTEL」については、「20160509_日ごと」のノートを作ります。
他にも「2016年5月9日にやるべき行動」があれば、同じ「20160509_日ごと」ノートに列挙します。
Evernoteではチェックボックスを設置できますので、箇条書きはチェックリストとして整理できます。
運用の話として、実際の行動が済んだときに、そのチェックボックスにチェックを入れていくのです。
このようにして、「取るべき行動」の「ノート」については、はじめに亜炭の中から書き出した内容について必要な分だけ作成します。
このとき「日ごと」として作成する場合には、なるべく明確なものだけがよいでしょう。
「できたらいいな」が多すぎると、できなかったことは翌日などへの「繰り越し」作業が発生します。
運用の段階では手間になってくる部分でもありますので極力避けたいところです。
「日にちまでははっきりしないけど、この週にはやるべき」というものは、「20160508-0514_週ごと」というノートを私は作成しています。
「この月にはやるべき」については、例示(古本処分)のとおり「201605_月ごと」というノートです。
私が作成しているノート、ノートブック、そして、そこにつけているタイトルも一例でしかありません。
自分が使いやすいようにどんどんアレンジをしていけばよいでしょう。
要は、「自分の頭の中を見た目にわかりやすく整理する」ということです。
ノートの振り分け つづき
あと少しがんばりましょう。
「夏休みの旅行の計画」は「プロジェクトリスト」ノートブックに分類しました。
「ノートブックの役割・内容」に記したとおり、プロジェクトとは「行動の連続が長期に及ぶもの」と自分は定義しています。
「夏休みの旅行の計画」をプロジェクトと決めたなら、「予算を決める」、次に「行き先の候補を決める」「パンフレットを集める」・・・
というような行動をしていくことになりますよね。
まずはその全体像として「夏休みの旅行の計画」をプロジェクトに位置付けるのです。
「予算を決める」などの個別の行動が決まれば、それぞれをノートとして、先ほどの「日ごと」などの「取るべき行動」ノートブックに振り分けていきます。
「夏休みの旅行の計画」について集めた情報などがあれば、「プロジェクト情報」ノートブックに振り分けていきます。
PDF、Webページ、写真、音声などいろいろな形で収納できるのもEvernoteの良さです。
「20160508_@買い物」ですが、@は「状況」という意味で自分は使っています。
そして「取るべき行動」の下の階層に「@買い物」ノートブックを置いています。
買い物に出かけているとき(状況)に、「@買い物」を確認すれば何をすべきかを思い出せます。
同様に、「@デジタル」などもあります。
これは、PCやスマホがあるとき(状況)にできることなどを振り分けるノートブックです。
ちょっとした調べ事などは移動時のスキマ時間でもできるもの。
電車の中などで、ふと「@デジタル」を確認すれば、「ああそういえば」と思い出せるわけです。
このしくみの運用でたいせつなことは、たえずノートを見直すクセをつけることです。
さいごに「資料」「ビジョン」「連絡待ち」についてですが、例示中の「20160508」としているところは、ノート作成日の日づけを表しています。
これはあとで見たときに、「古いか新しいか」がわかりやすいようにそうしています。
本来、役目を終えたノート(行動が完了した、など)は「処分」ノートブックに移動させます。
「処分」に移動していない「古い」ノートというのは、何かが滞っている可能性があります。
滞りが放置されていては困るので、それに気づくようにしなくてはいけません。
この点、ノート作成日をタイトルに含めておくと気づきやすなるのです。
これでなんとか、頭の中から吐き出し、その整理までが終わりました。
緻密な作業ではありましたが、これができた方は前回よりもさらにすっきりしたはずです。
自分の頭の中の気がかりを吐き出し、見える化した効用は実に大きなものがあります。
次回は、いよいよ日々の「運用」の方法についてお話しします。
↓↓ つづく ↓↓
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きょうの執筆後記
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お話をしておきながらナンですが、この方法は向き不向きがありそうです・・・
めんどうと言えばめんどうですからね。
でもそれと引き換えに手に入れた「解放感」はやはり格別だと自分は感じています!