開業したときが借りどき!フリーランス・個人事業者の銀行融資

開業したときが借りどき

” 融資を受けなくても自分のおカネだけでだいじょうぶ。”

そうですか。けれども、フリーランス・個人事業者の「借りどき」は「開業する今」ですよ、というお話です。

フリーランス・個人事業者は「開業時が借りどき」と言える3つの理由

いまから1年10ヶ月ほど前(2016年4月)に、フリーランス・個人事業者として独立開業しました。

その際、少なくとも向こう1年のあいだは無収入だとしても生活できる預貯金はありましたが、それでも銀行融資を受けることにしました。

フリーランス・個人事業者の開業時は、貴重な「借りどき」だと考えていたからです。もちろん、いまもそう考えています。

借りどき、つまり、銀行から融資を受けようとするなら今、それが開業時なのです。

ではなぜ、フリーランス・個人事業者にとって、開業したときが借りどきだと言えるのか? その理由は3つあります ↓

  1. 「実績」を問われないから
  2. 「自己資金」があるから
  3. 借りなかったことを「後悔する」から

上記それぞれの理由についてお話をしてみます。

《理由①》「実績」を問われないから

銀行は、フリーランス・個人事業者に融資を検討する際、その「実績」を重視します。

ここで言う「実績」とは、過去から現在までの業績のことです。具体的には決算書(あるいは試算表)に記載をされている「数字」です。

もちろん、数字がすべてではありませんが。銀行がおカネを貸すか貸さないかを決めるにあたって、数字が大きなウエイトを占めていることは間違いありません。

したがって、銀行から融資を受けたいのであれば、「決算書の数字が良い(悪くない)」ということが大事になります。

ところが、事業をしていれば良いときもあれば悪いときもあるわけで。融資を受けたいときに、必ずしも良い数字かどうかはわかりません。

もしもタイミングが悪く、数字が悪ければ。融資を受けられない可能性は高くなります。とはいえ、もはやどうしようもありません。過去は変えられないのですから。

これに対して開業時ならばどうでしょう? 当然、「実績」なんてありませんから。代わりに見られるのが「計画」です。

こちらは、「実績(過去)」とちがって「やりよう」があります。計画(未来)であれば、これから好きに描くことができます。

開業時であれば、「変えることができない実績」を問われずに済む。この点で、開業時は借りどきだと言えるのです。

えぇっと、誤解なきように申し添えますが。好きに描けるからといって、根拠なきテキトーな計画を立てることはご法度です。

《理由②》「自己資金」があるから

さきほど、銀行は融資を検討する際、実績を重視すると言いました。銀行が重視するものが、もうひとつあります。それは、「自己資金」です。

自己資金、つまり、そのフリーランス・個人事業者が持っているじぶんの「おカネ」。これを銀行は見ています。

そもそもおカネが無いから融資を受けたい、ということではあるのですが。それにしたって、融資相手の持つおカネが少なすぎれば、おカネを貸す側としては不安なのです。

したがって、どれだけおカネを持っているのか、自己資金を持っているかが重要になります。

ということを、考えたときに。開業時はどうでしょう? 「あるていど」の自己資金は持っているはず。

開業をしようというのですから、この先のいろいろな危険性を考慮したうえで、あるていどの自己資金は持ってスタートしようというのがまっとうな考え方です。

にもかかわらず。開業するにあたって、ほとんど自己資金が無い、と言うのであれば。それは別の問題として、開業についてよく考えるべきでしょう。

それはそれとして、開業後はなにかと入り用です。あたらしくモノを買ったり、サービスを利用したり。そこへきて、売上が思い通りに伸びず、ということでは融資が難しくなります。

開業後しばらくは、自己資金は減っていく命運にあるからです。よって、自己資金が無傷である開業時こそだ借りどきだ、と言えます。

《理由③》借りなかったことを「後悔する」から

わたしは税理士という職業柄、開業時に融資を受けなかったがために、あとで後悔をした人たちの姿を知っています。

「とりあえず自己資金でやってみます」と開業したものの、資金繰りがうまくいかず。実績も悪く、自己資金が傷ついた状態では銀行融資も難しく。

さいごは配偶者・親・親戚からおカネを貸してもらってなんとか… ならずに廃業することもあります。

それでも仕方ない、銀行から借りるくらいなら事業をやめる! と言うのならそれも考え方です。

ところが、多くの人は「(銀行から)借りれるのだったら借りたい」と、そのときになって言うのです。残念ながら遅すぎます。

ですから、そのような後悔をしなくて済むように。開業時にはいちど、自問自答してみましょう ↓

「いつかおカネが足りなくなったときは、借りたいか、借りずに事業をあきらめるのか?」

この質問に「そのときは借りたい」と答えるのであれば、借りどきである開業時にきちんと借りておきましょう。

独立開業するような人は自立心が旺盛です。成功に対する自信も持っています。それは強みでもありますが、裏を返せば、慎重さを欠いた過信でもあり弱みでもあります。

 

どこで借りる? どう借りる?

ここまでのお話で、開業時にはおカネを借りたほうがよさそうだ、と考えたあなた。

次に考えるのは、「どこで融資を受ければよいのだろう? どのように融資を受ければよいのだろう?」ということでしょう。

まずは日本政策金融公庫で借りる

ひとつ覚えておくべきこととして。民間の銀行は、小規模零細な事業者や創業者に対する融資にきわめて慎重です。

なぜなら、大きな事業者や業歴の長い事業者に比べて、小規模零細な事業者や創業者は「潰れる」リスクが高いからです。

ゆえに、フリーランス・個人事業者が、開業時に民間の銀行からおカネを借りることは相当に敷居が高い。そう心得ておきましょう。

これは、いわゆる保証協会付きや制度融資であっても同じです。民間の銀行が関与をする以上、その敷居は決して低くありません。

いっぽうで。そんなフリーランス・個人事業者の開業にも優しいのが「日本政策金融公庫」です。

日本政策金融公庫は公的な金融機関であり、民間の銀行を補完する役割を担っています。

民間の銀行が融資を躊躇するようなフリーランス・個人事業者の開業時でも、融資を前向きに検討してくれるのが日本政策金融公庫なのです。

したがって、いきなり目の前にある銀行に飛び込んだりしてはいけません。ヘタをすれば門前払いを受けるばかりです。まずは、日本政策金融公庫へ。

借りるのにも「準備」が要る

日本政策金融公庫が、フリーランス・個人事業者に優しいとは言っても。だれでもかれでも、なんでもかんでも融資をしてくれるわけではありません。

融資を受けるにあたっては、満たすべき「要件」があります。書式にしたがって、事業計画書などの書類も作成しなければいけません。

このあたりをきちんとした準備もせずに臨むと、さすがの日本政策金融公庫も融資を渋ります。

こんなこともわかっていない人におカネは貸せない、こんなこともできない人にはおカネを貸せない、と思われてしまいます。

準備を怠ったがために、ほんとうは借りることができたはずなのに借りれなかった。そんな例も見聞きしています。

というわけですから、優しい日本政策金融公庫に融資を申し込むにも「準備」が要ります。たとえば、

こういったことは、書籍やネット、セミナーなどで押さえておくとよいでしょう。

開業時にいちどきりの借りどきを逃すことのないように、準備もしっかりと。

 

まとめ

フリーランス・個人事業者の銀行融資は、開業したときが借りどき。ということについてお話をしてきました。

” 融資を受けなくても自分のおカネだけでだいじょうぶ。”

この先もずっとそう言えるのか、自問自答をしてみましょう。

銀行融資には「借りどき」があります。借りどきを逃して、のちのち後悔をすることがないように。開業時の融資判断はくれぐれも慎重に。

 

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  きょうの執筆後記
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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!