” 銀行員とはしっかりコミュニケーションとらなきゃね ”
うんうん、それはだいじなことですね。でも気をつけて。銀行員に言ってはいけない、話してはいけない「禁ワード」もありますよ。というお話をしていきます。
銀行員に言ってはいけない・話してはいけない禁ワード
銀行から融資を受けようとしている、あるいは、すでに融資を受けている会社・個人事業者にとって、銀行員とのコミュニケーションは欠かせません。
いろいろなことを伝えて、話をして、銀行員と意思疎通を深めることが大切です。
とはいえ。なんでもかんでも言えばいい、話せばいい、というわけでもありません。
それは言ってはいけない、話してはいけない、という「禁ワード」に気をつけましょう。
銀行員の気分を害してしまう、銀行からの評価が下がってしまう、融資が受けにくくなってしまう、ということになりかねません。
ついうっかり… では後悔する、銀行員に言ってはいけない・話してはいけない禁ワードがこちらです ↓
- 趣味、アフター5
- 病気、体調
- 武勇伝
- 仕事のグチ
- 家庭のグチ
- 従業員の退職
- 金利引き下げ
- 他行の悪口
- 前担当者
- 紹介
- 税金は払いたくない
- 景気が悪い、業界が悪い
- おカネがない
なんだかんだといろいろあります。このあと、それぞれ見ていきましょう。
趣味、アフター5
よくある趣味の話と言えば、社長のゴルフです。その腕前や熱意を語るのもよいですが、「仕事よりゴルフ」とのイメージがつくようではいけません。
接待ゴルフは社長の仕事のうちですが、いつもいつもということになれば「仕事は大丈夫かなぁ」と考えるのが銀行員です(銀行員でなくとも、ですが)。
また、アフター5(夜)について、高級料亭や高級クラブなどのハナシが過ぎれば、「おカネ遣いの荒い経営者」とのイメージがついてしまいます。
もちろん、夜の接待も仕事のうち。ただし、それも程度加減です。おカネ遣いの荒い社長・個人事業者におカネを貸したい、と思うことはありませんよね。
というわけで、趣味とアフター5の話は「ほどほど」にしておきましょう。
病気・体調
ほんとうに病気になってしまった、ということとは別に。「病気自慢」をしてしまう社長・個人事業者がいます。
「いやぁ、最近あちこち調子が悪くてねぇ」「健康診断で引っかかっちゃってさぁ」「毎日、クスリをこんなに飲むんだよ」などなど。こんなハナシはやめましょう。
話をしている本人は、たいしたことないという思いでも。相手は、おカネを貸すかどうかを考えている銀行員です。
銀行は、経営者の健康を重視しています。健康ではない経営者の会社・事業におカネを貸すことは危険だ、と考えています。
安易に病気・体調に関する話はしないことです。
武勇伝
銀行員に、昔の話をするときには注意が必要です。具体的には、「ムチャをしたこと」「ピンチだったこと」について。
「若気の至り」を枕ことばに、「昔はいろいろムチャをしたさ」みたいな話は、経営者の資質に関わることがあります。
ムチャの程度によっては、銀行員は「この社長はまたムチャをしてしまうのではないか?」と心配になるでしょう。
また、「昔、思い切った投資が失敗してね、あれはピンチだった」みたいな話は、銀行員に負のイメージを与えることがあります。「また、同じような失敗をするんじゃなかろうか?」と。
本人にとっては武勇伝でも、銀行員は違う取り方をすることもありますので気をつけましょう。
仕事のグチ
取引先とうまくいかない、従業員とうまくいかない、など。仕事について、社長・個人事業者としての「グチ」はあるものです。
けれども、銀行員に向かってグチを言うのはやめましょう。
「◯◯がうまくいかない」というグチは、今後の仕事がうまくいかないことをイメージさせてしまいます。
今後うまくいかないかもしれない仕事をしている会社・事業に、銀行員がおカネを貸そうとは考えません。
家庭のグチ
仕事のグチと同じく、家庭のグチも、今後の仕事がうまくいかないことをイメージさせてしまうことがあります。
たとえば、「妻が病気がちで、看病がタイヘンだ…」というような話だと。銀行員は、「このあとも仕事と看病を両立できるのかな…?」と考えます。
また、「子どもたちとはうまくいっていない、仲が悪い」というような話であれば。
銀行員は、子どもが後継者になることは難しいのかな、と考えるでしょう。ちなみに、「後継者不在」は銀行評価上はマイナスです。事業が長く続かないからです。
従業員の退職
従業員の退職については、極力言うべきではありません。退職が多いようだと、銀行員は「なにか問題がある会社なのではないか?」と考えるからです。
「また社員がやめてしまって…誰かいい人知らない?」というような話を、うっかりしてしまわないように気をつけましょう。
また、銀行員は経理担当者の異動に注目しています。経理担当者の退職については、「会社の先行きに不安を感じて辞めたのでは?」と考えます。
経理担当者は、会社の懐事情をいちばんわかっているものなので、先行きがまずいと一番に辞めていく、ということがあるからです。
この場合、併せて「粉飾(利益の水増し)」を疑われることになります。
金利引き下げ
銀行員に会うと、金利の引き下げ要求ばかりをしている、という社長・個人事業者がいます。
ただ口頭で要求をしているだけであれば、金利を引き下げることはまずできません。そのうえ、「金利、金利ってうるさいなぁ」と銀行員に嫌がられるばかりでしょう。
金利を引き下げることは大切ですが、金利は要求をして下げるようなものではありません。
銀行間の競争原理を背景に、銀行自ら金利を引き下げるように持ち込むのがセオリーです。要求ばかりで下がることはないことを覚えておきましょう ↓
他行の悪口
銀行の前で他行(他の銀行)の悪口を言ってはいけません。「◯◯銀行は、ちっとも融資をしてくれない!」みたいな。
別の銀行のことなのだからいいじゃなか、と思われるかもですが違います。
他行の悪口を聞いた銀行員は、「ウチのことも同じように言われているのではないか」と受け取ります。
じぶんのことを悪く言う人、口が軽い人を好まないのは、銀行員に限ったことではありません。悪口はやめましょう。
前担当者
いまの銀行担当者に向かって、前担当者の話をするのはやめましょう。
「前の担当者はもっと融資を前向きに考えてくれたよ」といった、前担当者との比較をされて気分がよいはずがありません。
前担当者は前担当者でしかなく、いまの担当者は目の前にる担当者なのです。状況だって、前といまとでは同じではないはずです。比較に意味がありません。
いま、目の前の担当者と話をしましょう。
紹介
銀行は、お客さま同士のマッチングもしています。融資先Aの商品が融資先Bに役立つとわかれば、お互いを紹介することがあります。
とはいえ、銀行員に「紹介」をしつこく迫るというようなことはやめましょう。
無理なお願いよりもまず、普段から自社のこと・事業のことをきちんと伝えておくようにしましょう。機会があれば、銀行員のほうから紹介をしてくれるはずです。
ただただ紹介を迫っても嫌がられるばかりです。
税金は払いたくない
税金はできるだけ払いたくない、という思いはあるものですが。あまり言いすぎてはいけません。
銀行は、税金を払っている会社・個人事業者におカネを貸したい、と考えているからです。
もう少し正確に言うと、銀行は「利益」が出ている会社・個人事業者におカネを貸したい、と考えています。
税金は利益に対して発生するものですから、「税金を払いたくない」と言うのは「利益を出したくない」と言っているのと同じことです。
利益を出したくない、と言っている会社に、銀行員はよいイメージを持ちません。
景気が悪い、業界が悪い
業績が振るわないことについて、「景気が悪いから」という話をするのもよくありません。
銀行からすれば、景気が悪くても業績がよい会社はあるのであって、「景気が悪い」は他責にしか聞こえないところがあります。
また、「業界全体の状況が悪いから」という話もよくありません。
業界自体が悪いのであれば回復は難しい、というイメージを持ちます。結果として、融資に対して消極的になることが考えられます。気をつけましょう。
おカネがない
銀行融資における絶対的な禁句が「おカネがない」です。
銀行はおカネがない会社・個人事業者に融資をしようとは考えません。言うまでもなく、返してもらえる可能性が低いからです。
したがって、融資を受けたいのであれば「おカネがなくなる前」、ということになります。おカネがなくなってから、銀行に駆け込むのは最悪です。
銀行員の前では、冗談でも「おカネがない」などと言ってはいけません。
まとめ
銀行員に言ってはいけない・話してはいけない禁ワードについてお話をしてきました。
ついうっかり… ということにはじゅうぶん気をつけましょう。せっかくのコミュニケーションが水の泡です。
- 趣味、アフター5
- 病気、体調
- 武勇伝
- 仕事のグチ
- 家庭のグチ
- 従業員の退職
- 金利引き下げ
- 他行の悪口
- 前担当者
- 紹介
- 税金は払いたくない
- 景気が悪い、業界が悪い
- おカネがない
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きょうの執筆後記
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