銀行担当者が決算書を見もせずにカバンにしまう理由とその対応

銀行担当者が決算書を見ずにカバンにしまう理由




決算書を受け取った銀行担当者が、よく中身も見ないでカバンにしまいこむ… なんてことはありませんか?

そのままでは融資が受けにくくなってしまうかも。ということで、 銀行担当者が決算書を見もせずにカバンにしまう理由と、その対応についてお話をします。

見られない、にはワケがある。

会社・事業における銀行融資について。融資先の評価をするにあたり、銀行は「決算書」を重視しています。

したがって、融資を受けようとしたり、融資を受けていたりすると「決算書(のコピー)をください」と言われるはずです。

このとき、決算書を受け取った銀行担当者が、よく中身も見ないでカバンにしまいこんでいる… なんてことはありませんか?

見もしない、というのは言い過ぎにしても。パラパラとみるだけで、やはりとくにコメントもなくカバンにしまいこむ… そんなことはありませんか?

もし、「ある」と言うのなら。そのままにしておくのはやめましょう。

なぜなら、そのままにしておくと、融資が受けにくくなる可能性があるからです。

そこで。なぜ、銀行担当者が決算書を見もせずにカバンにしまうのか? その理由と、それぞれへの対応についてお話をしていきます。

理由は大きく分けて3つ。次のいずれかです ↓

銀行担当者が決算書を見もせずにカバンにしまう理由
  1. 見てもよくわからないから
  2. 分析をするのが先だと考えているから
  3. 興味が無いから

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

銀行担当者が決算書を見もせずにカバンにしまう理由とその対応

《理由1》見てもよくわからないから

銀行員だからきちんと決算書が読める、とは限りません。

みながみな、必要な能力を持っているわけではない。これは銀行に限らず、どんな会社・組織にも多かれ少なかれある話です。

したがって、決算書を見てもよくわからない… という銀行員もいます。

カバンにしまいこもうとする銀行担当者には、「ちょっと見て、気になるところとか教えてもらえますか?」とたずねてみましょう。

このとき、いまいち的を射ない回答であったり、かたくなにその場での回答を保留しようとするのであれば、「見てもよくわからないから」かもしれません。

とはいえ。持ち帰ってもらえば、上司なり融資係なりがきちんと見てくれるだろう。との考えには注意が必要です。

たしかに、銀行は稟議制ですから、融資の可否を決めるのは目の前にいる担当者ではありません。

いっぽうで、稟議書を書くのは、目の前の担当者です。稟議はそこからはじまります。稟議の元になるのは、担当者が書く稟議書です。

そう考えると、「よくわからないまま」というわけにもいきませんよね。

では、どうするか? 

決算書について銀行に伝えたいことは文書にして渡す、という対応をしましょう。

「伝えたいこと」とは、たとえば。今回の決算の良かった点・悪かった点とその原因。悪かった点については、今後の対策。前年と比較して、特に大きく異なる点とその理由など。

A4用紙1枚に箇条書き、くらいの体裁・ボリュームでじゅうぶんです。その文書を、決算書といっしょに渡しましょう。

銀行は書類文化ということもあり、そのような文書は稟議の際に付いて回るはずですから、稟議書の補足資料としての役割を期待できます。

もちろん、ただ渡すだけではなく、話をするのがベストです。話をすることで、銀行担当者にも、より理解をしてもらうことが大切です。

【参考】決算時の報告なら、こちらから銀行に行く

決算が終わったタイミングで決算書を渡すのであれば。こちらから、銀行に出向いて報告・説明をするのがおすすめです。

いつもの銀行担当者に加えて、上司や融資係、支店長などにも同席をしてもらえる可能性があります。よりきちんと決算の内容を伝えるチャンスです。

渡すだけじゃダメ!決算書を持って銀行へ行こう【決算報告・説明のポイント】

2018.04.26

《理由2》分析をするのが先だと考えているから

受け取った決算書を、コンピュータに入力。その結果、融資判断に必要な分析帳票が出力される。という流れが銀行にはあります。

この点で、決算書についてコメントをするのは、コンピュータで分析をしたあとで。そのように考えている銀行担当者もいます。

したがって、その場でコメントを求めても「いちど持ち帰って詳しく見てから…」と、決算書は開かれることなくカバンにしまいこまれることとなります。

このとき、コンピュータがきちんと分析をするのだろう、との考えには注意しましょう。

なぜなら、決算書の「表面的」な数字だけでは分析しきれないこともあるからです。

たとえば、在庫が前年よりもだいぶ増えている、というケース。コンピュータは入力された数字をもとに、「在庫が多い(不良在庫の可能性あり)」との警告を出すでしょう。

これを銀行担当者がそのまま受け取れば、「融資をするには危険な会社」で終わってしまう可能性があります。

けれどもほんとうは、受注見込みにもとづいて、決算間際に「まとめ仕入れ」をしたのであれば。一概に危険だとは言い切れません。むしろ、受注見込みを評価すべき、とも言えます。

また、銀行融資には、社長からの借入金は負債から除く(つまり資本)という考え方がありますが。

社長からの借入金と銀行からの借入金とを区別しないでコンピュータに入力すれば、当然、すべてを負債とされて、実態よりも悪い結果が出力されてしまうことになります。

このように、コンピュータの分析は万能ではありません。

銀行担当者が、コンピュータの分析結果だけをもって融資判断することがないように。そもそも、入力する内容を間違えることがないように。必要なことは、銀行に伝えるという対応をしましょう。

具体的な対応方法は、《理由1》と同じです。まずは文書にまとめる。それを、口頭でも伝える。

どのようなことを伝えればよいのか、がわからないようであれば。銀行の決算書の見方、について勉強をしておくとよいでしょう ↓

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《理由3》興味が無いから

銀行担当者が、受け取った決算書を見もせずにカバンにしまう理由のさいごは、「興味が無いから」です。

ここで言う「興味が無い」とは、融資をするつもりがない、ということを指します。

すでにその銀行が、「この会社にこれ以上の融資はしない」との姿勢を決めているのであれば、このたびの決算書を見るまでもありません。

このような銀行の姿勢を見極めるには、やはり、「ちょっと見て、気になるところとか教えてもらえますか?」とたずねてみることです。

これに対して、「売上減が大きい」「利益が少ない」「借入が多すぎる」など、ひたすらネガティブなことを連発するようならば、「興味がない」と見るべきでしょう。

銀行は思わせぶりなことを言って、相手に期待を持たせることを避けようとするものです。あとで文句を言われるのは困るから、ですね。

したがって、「融資をしない・融資ができない」と決まっているのであれば、はじめからネガティブな言葉で布石を打ちます。

では、どうするか?

融資が必要な状況ならば、他の銀行を当たることを検討しましょう。もはや興味の無い相手を説得することはできません。

そもそも、銀行が興味をなくすのは、基本的には「決算書の内容が悪い(赤字・債務超過)」からですが。A銀行がダメだからB銀行もダメかと言うと、必ずしもそうとは限りません。

銀行ごとに、決算書の見方には「差」があるのです。とくに、都市銀行は決算書にシビアだけれど、地方銀行・信用金庫であればいくぶん緩やか、という特徴があります。

もちろん、根本的な解決は決算書の内容を良くすることですが、その場をしのぐのであれば他の銀行に当たることも考えましょう。

目の前にいる担当者が、決算書に興味が無いようだ… これは、お付き合いする銀行を変えるきっかけのひとつです。

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まとめ

銀行担当者が決算書を見もせずにカバンにしまう理由とその対応について、お話をしてきました。

融資の受けやすさ・受けにくさに影響する部分です。なぜ、銀行担当者が決算書をすぐにカバンにしまうのか? その理由を見極めましょう。

銀行担当者が決算書を見もせずにカバンにしまう理由
  1. 見てもよくわからないから
  2. 分析をするのが先だと考えているから
  3. 興味が無いから

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