いったい何から始めればいいのかわからない…
初めての確定申告を前に困っているフリーランスの方に向けたお話です。
何もすることができずに困り果てているフリーランスの方へ
わたしは税理士として、はじめて確定申告をするフリーランスの方々向けに、セミナーを毎月開催しています(2019年8月3日現在)。
そのセミナーを受講される方から、よくお聞きする話がこちらです ↓
『何から始めればいいのかわからなくて、受講することに決めました』
フリーランスになって、確定申告をしなければいけないのだけれど。いったいどこから手を付ければよいものか… さっぱりわからない! こんな具合です。
いっぽうで。いまはインターネットからたくさんの情報を探すことができるのに、と思いもするわけですが。
それとて、「何から始めればよいか」がわからなければ、何の情報を探せばよいのか、何を調べればよいのかがわかりません。
また、たくさんの書籍が出版されてはいるものの。たくさんあるがゆえに、どれを選べばよいのか、選び方も選ぶ基準もわかりません。
結局、何もすることができずに困り果てている… というフリーランスの方は少なくないようです。
そんなわけで。これから初めて確定申告をするフリーランスが、始めるといいことについてお話をしていきます。次の5つです ↓
- 青色申告承認申請書を税務署に出す
- 確定申告は何をするためのものかを知る
- 確定申告をするために日々やることを決める
- 節税について学ぶ
- いまのじぶんにできないことがなにかを見極める
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
確定申告を「何から始めればいいかわかならい」フリーランスが始めるといい5つのこと
青色申告承認申請書を税務署に出す
確定申告をするフリーランスに「メリット」があることとして、「青色申告」があります。
具体的なメリットの説明は他の記事にゆずるとして。端的に言えば、青色申告を利用することで(利用しない場合よりも)、税金を安くすることができます。
ゆえに、青色申告を利用したいわけですが、それには「手続き」が必要です。
原則、開業から2ヶ月以内に、税務署に「青色申告承認申請書」という書類を提出しなければいけません。
確定申告に向けた帳簿つけは「あとでまとめて」やるにしても(まとめずコツコツやるほうがいいですが)。青色申告承認申請書の提出まで「あとでまとめて」では間に合わないことがある、ということです。
したがって。とにかく・まず、開業から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出するようにしましょう。提出にあたってはこちらの記事を参考に ↓
確定申告は何をするためのものかを知る
確定申告をしなきゃ! ということになると。いきなり申告書の書き方や、帳簿つけの方法(いわゆる経理や仕訳など)から調べようとする人がいます。
たしかに、それらもだいじなことなのですが。実は、もっとだいじなことがあります。
それは、「確定申告は何をするためのものか?」を知ることです。
「何のため」、つまり「目的」がわからないまま、「手段」や「方法」ばかりを身につけようとしてもなかなかうまくいきません。
なにごとも目的を理解しているかいないかで、手段や方法に対する納得感や理解度に差が出るからですね。
では、確定申告は何をするためのものか。一文であらわすならこうなります ↓
『前年1年間の利益と税金をじぶんで計算して税務署に納税するため』
ところが、この一文だけではまだよくわかりませんよね。たとえば、
- 「前年1年間」とはいつからいつの1年なの?
- 「利益」や「税金」はどうやって計算するの?
- 「税金」もいろいろあるけど(〇〇税、△△税)、どの税金に関係があるの?
- 税務署にはいつまでにどうやって納税すればよいの?
などなど。前述した「目的」の一文を中心にして、その目的の理解に必要な情報を探すようにしてみましょう。
当ブログでも、こちらに記事を集めていますのでご参考まで ↓
CHECK! 【記事まとめ】確定申告ってナニ?どんなもの?
確定申告をするために日々やることを決める
何のために確定申告をするかがわかったら、いよいよ確定申告に向けて「手」を動かすことになります。
この点で。確定申告の時期(毎年3月15日が期限です)が近づいたらやればいいよねぇ、とタカをくくっている人がいるようですが。
もちろん、おすすめできることではありません。1年分も手を止めていたツケは大きなものです。結果、確定申告でタイヘンな思いをした…という例は枚挙にいとまがありません。
ゆえに、確定申告に向けて、やるべきを日々やることが大切です。
ところがまず、「やるべき」がわからないわけですよね。そこで、わたしが考える「やるべき」は次のとおりです ↓
- 帳簿をつける(いわゆる経理)
- 書類(レシート、領収書、請求書、預金通帳など)を保管・整理する
- 帳簿などから「利益」と「おカネ」の状況を把握する
これらを1年に1度にまとめてやるのではなく、日々コツコツとやるのがおすすめです。
その効果として、確定申告の期限間近であわてずに済む。確定申告まで待たなくても、じぶんの利益やおカネの状況がわかりやすくなる。などが挙げられます。
上記3つの「やるべき」がわかっていれば。帳簿のつけかた、書類の保管・整理方法、帳簿の見方・チェック方法など、それぞれ具体的にどうするかはインターネットで検索したり、本で調べたりできるはずです。
逆に、「やるべき」がわからずにいると、何を調べたらよいかもわからないものです。まずは「やるべき」を決める。そこからはじめましょう。
当ブログでも、こちらに記事を集めていますのでご参考まで ↓
CHECK! 【記事まとめ】帳簿つけ(経理)のやり方・注意点
節税について学ぶ
さきほど、確定申告をするのは「前年1年間の利益と税金をじぶんで計算して税務署に納税するため」だと言いました。
ここでふと思うこととして「できるだけ税金は少なくしたい」が挙げられます。
これについては「税金を嫌わずに出せる利益を出す」ということですが、払わなくてもいいはずの税金を払うのは避けたいところです。
たとえば。経費にできるはずなのに、そのことを知らないばかりに経費から漏れている。税金を減らす効果がある「所得控除」や「税額控除」などを知らないばかりに、必要以上の税金を払っているなど。
このあたりは、インターネットや書籍から、たくさんの情報を得られるところです。
当ブログでも、こちらに記事を集めていますのでご参考まで ↓
CHECK! 節税大好き!なにか良い方法はある?
ただし。「節税」とひとくちに言っても、間違った節税と正しい節税とがあることには気をつけましょう。
間違った節税とは、「脱税」がまずひとつです。税金が減るにしても法を犯してよいはずがありませんので。
それからもうひとつ。おカネを減らしてしまう節税です。税金を減らすことができても、いっぽうでおカネが減ってしまえば意味がありません。
例としては「税金を払うくらいなら経費を増やす」です。これをやると、そのまま税金を払う場合よりも、手元に残るおカネが少なくなってしまいます。
意外とやりがちな間違いですから注意が必要です ↓
いまのじぶんにできないことがなにかを見極める
ここまで、「何から始めればいいかわかならい」フリーランスが始めるといいことを4つ、お話してきました。
そのうえで、「どうにもいまのじぶんにはできない・どうしようもない」ということがあるかもしれません。
たとえば、帳簿を会計ソフトでつけたいけれど、さいしょの設定やよい使い方などがわからない。節税のことを調べたけれど、いまいちよくわからない、とか。
このようなときには、税理士などの「専門家」に教えてもらうのがおすすです。
などと言うと、「それはオマエが税理士だからだろう。さては、じぶんの仕事を増やそうとしているな!」などと思われるかもしれませんが。
たしかにそれもあります。けれども、それだけではありません。
できるだけはじめのうちに、間違えのない知識、よい方法や知恵を身につけておくことにはメリットがある。なので、おすすめをしています。
逆に。はじめのうちからしばらく、よくわからないままに「独学」を続けた結果、収集がつかないほどにグチャグチャの状況になってしまうフリーランスの方がいます。
ここでお手上げになり専門家に依頼すると、グチャグチャであればあるほどその報酬料金は高くなります。税金計算が間違っていれば、追徴の税金も出てきます。思わぬ出費でタイヘンな思いをする… 可能性があります。
であるならば。はじめのうちにおカネをかけてでも(税理士に相談をする、コンサルティングを受けるなど)、間違えのない知識、よい方法や知恵を身につけておくほうがよいはずです。
ゆえに、「どうにもいまのじぶんにはできない・どうしようもない」ということを見極めるようにしましょう。わからないままに続けてしまうと傷が大きくなりがちです。
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まとめ
初めての確定申告を前に、何もすることができずに困り果てている… というフリーランスの方は少なくないようです。
「何から始めればいいかわかならい」のであれば、本記事でお話した5つのことから始めてみることをおすすめします ↓
- 青色申告承認申請書を税務署に出す
- 確定申告は何をするためのものかを知る
- 確定申告をするために日々やることを決める
- 節税について学ぶ
- いまのじぶんにできないことがなにかを見極める