役に立つ試算表を作成するためのポイント5選

役に立つ試算表を作成するためのポイント5選

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試算表を毎月つくりましょう! とは言うけれど。ただただつくっているだけでは効果も半減です。

そこで、会社の役に立つ試算表を作成するためのポイントについてお話をしていきます。

試算表を毎月つくればいい、というハナシではない。

会社の経理(帳簿つけ)について、「試算表を毎月つくりましょう!」というハナシを見聞きします。

年に1回、会社の状況を数字で把握するためにつくるのが「決算書」。これに対して、月に1回、やはり会社の状況を数字で把握するためにつくるのが「毎月の試算表」です。

決算書も試算表も似たようなものではありますが、年に1回の決算書だけでは頻度としては少なすぎる。1年も状況をわからないままにしておくのはよろしくない。そのような理由から、「試算表を毎月つくりましょう!」となるわけです。

これを聞いて、「はいはい。つくればいいんだろ、つくれば」というのでは効果も半減してしまいます。会社の「役に立つ試算表」をつくろうとするのであれば(せっかくつくるのならそうあるべきです)、ポイントを押さえておきましょう。

このあと、試算表をつくるときの5つのポイントと、それによってどう会社の役に立つのか? をお話していきます ↓

役に立つ試算表を作成するためのポイント
  1. タイムリーにつくる
  2. 精度に注意する
  3. 黒字にこだわる
  4. 税金を織り込む
  5. 予測資金繰り表に展開する

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

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役に立つ試算表を作成するためのポイント5選

《ポイント1》タイムリーにつくる

タイムリーにつくる、とは。月が明けたら、試算表はできるだけ早くつくりましょう、ということですね。

言うまでもなく、試算表をつくるのが遅くなればなるほど、そこに掲載される情報は古くなり、利用価値が下がってしまうからです。

たとえば、1ヶ月も2ヶ月も前の試算表をつくったところで、「いまとは状況が違うだろう」ということであり、そもそも関心が持てません。

したがって、試算表をつくるのであればできるだけ早く、です。

では、どのくらい早くつくればいいのか? と言われれば。早ければ早いほどいい、としか言いようがありません。

それでも「一応の目安」を示すとしたら、月明けから1週間以内といったところでしょう。

これを聞いて、「そんなに早くできない。そんなに早く資料がそろわない」などと思われるかもしれません。例を挙げると、仕入先からの請求書が月明けからしばらくしないと届かない… とか。

そこは「だいたい合っていればOK」という感覚がたいせつです。

納品書から請求額を試算する。あるいは、毎月いつも同じくらいの金額であれば、ひとまずそれで処理するなど。請求書が届いて違いがあれば、そのときに修正すればいいのです。

試算表に関して言えば、はじめから「1円たがわず合わせよう」ではなく、「だいたい合っていればOK」と考える。できるだけ早くつくることを優先しましょう。

遅くて正確よりも、少々不正確でも早く。巧遅拙速です。

試算表を早くつくることができれば、それだけ早く情報(数字)をつかむことができます。情報をもとにして早く判断・行動に役立てることができます。

【参考】銀行融資の視点

銀行から融資を受けている・受けようとするときに試算表の提示を求められることがあります。

そのときにタイムリーではない試算表を提示するようだと、「管理能力が低い会社」とのレッテルを貼られてしまいかねません。気をつけましょう。

《ポイント2》精度に注意する

いましがた、「遅くて正確よりも、少々不正確でも早く」と言いました。それとは逆のことを言うようですが、試算表の精度には注意をしましょう。

ここで言う「精度」について、おもな具体例を挙げると「減価償却費」と「月次たな卸」です。

たとえば、年間で 300万円の減価償却費があるとして。それを毎月の試算表ではなにもせず、決算でまとめて 300万円を計上する。

日常的に在庫を抱えている、しかも、在庫量にはそこそこ変動があるような商売をしているが、毎月の試算表ではたな卸の処理をしていない。年に1回、決算のときだけたな卸。

このような会社の試算表は「精度」に問題ありです。

結果として、毎月の試算表で見ていた数字と、最終的な決算書の数字とで大きな乖離が出てビックリすることになります。これでは、せっかく試算表を毎月つくっても役に立ちません。

さきほどの例で言うと、減価償却費は毎月 25万円ずつ計上すべきです(300万円 ÷ 12ヶ月)。実地たな卸はできないまでも、標準的な原価率などを使って毎月たな卸の処理をすべきです。

にもかかわらず。いっぽうでは、仕入先の請求額などを「1円たがわず合わせよう」としているのであれば、「精度」を見誤っていると言えます。

1円の精度もだいじではありますが、もっと大きな金額を見逃さないようにしましょう。虫の目ばかりではなく、鳥の目で見ることで、より役に立つ試算表とつくることができるはずです。

【参考】銀行融資の視点

あるはずの減価償却費がない、あるはずの在庫がない、という試算表を見た銀行が考えるのは「この試算表はアテにならない」です。

場合によっては「粉飾」を疑われることにもなりかねません。じゅうぶんに気をつけましょう。

《ポイント3》黒字にこだわる

試算表ができたときに、その月が「赤字(利益がマイナス)」だとしたら。黒字にはできないのかどうかを考えてみましょう。

と言っても。粉飾をしろ、という「違法」のハナシではありません。経理処理を見直すことでどうにかならないか? という「適法」のお話です。

たとえば、ある保険料を年払いしたとします。すると、その支払月はその分だけ経費が多くなりますから利益が減ります。その結果、赤字になるということはあるわけです。

そこで、年払保険料の金額を 12ヶ月で割り算して、その金額を毎月の経費に振り分けたらどうでしょうか? 赤字を免れることができるかもしれません。

ほかにも、年会費や年間保守料、賞与、お中元やお歳暮の贈答費用なども同じことが言えます。毎月に振り分けることができそうな経費がないか、検討してみましょう。

そのようにして黒字にこだわるのは、そもそも黒字(利益がプラス)であることが望ましいから、という理由がひとつ。もうひとつは、毎月々の利益の凸凹を平らにならす効果があるから、です。

さきほどの年払保険料で言えば、支払月だけ利益が大きく凹むことになります。会社としてはその他の月と変わりなく同じなのに、です。

同じことをしているのに利益が凸凹してしまうような試算表では、利益を見誤ってしまいます。毎月の利益を知るのに役立てるためにも、試算表の黒字にこだわりましょう。

【参考】銀行融資の視点

銀行から融資を受けられるのは、基本、黒字(利益がプラス)の会社になります。返済の原資は利益だ、というのが銀行の考え方だからです。

年に1回の決算書が黒字であることはもちろん、毎月の試算表についても赤字よりは黒字がいい。銀行に試算表を出すという点でも、黒字にこだわるのがおすすめです。

《ポイント4》税金を織り込む

試算表の段階で、利益に対する税金(法人税・法人住民税・法人事業税)を織り込んでいる会社はかなり少ないものと推測します。

つまり、利益の計算は税金を引く前までで終わっている、ということです。

これによって、なにが起きるかと言うと。決算のときにも思いもよらぬ税額を知ってビックリします。そんなに税金を払わなきゃいけないなら、利益をもう少し減らそうか、と考える。経費を増やすことを考えます。

けれども、これがよくありません。

実際に計算をしてみればわかることですが、利益を減らすために経費を増やそうとすると、おカネが余計になくなるからです。税金は減りますが、おカネはもっと減る。くわしくはこちらの記事も ↓

まだ節税してるの?経費を増やして税金を減らすデメリット

2018.05.17

このような「急性 税金アレルギー」を起こさないようにするためにも、日ごろから税金には慣れ親しんでおくようにしましょう。

毎月の試算表の段階で税金を織り込んでおく。これがポイントです。

試算表のうち、損益計算書の末尾あたりに「税引前利益(正しくは、税引前当期純利益)」があります。その下に、「法人税等(正しくは、法人税・住民税及び事業税等)」として、見込みの税額を計上しておくのです。

すると、損益計算書の末尾にある「当期純利益」は、税引後の利益を示すこととなります。この「当期純利益」をふだんから見ていれば、決算で急な税金に驚くこともなくなるでしょう。

ちなみに、「税金の計算なんてできない!」と思われるかもしれませんが。

目的(急性 税金アレルギーを治療する)を考えれば、そこは「だいたいの金額」でOKです。法人(会社)であれば、「税引前利益 × 税率 30%」でざっくりと見ておく。

顧問税理士がいれば、そのあたりも確認をしてもらいながらが安心ですね。

【参考】銀行融資の視点

銀行から融資を受けられるのは、基本、黒字(利益がプラス)の会社だ、と前述しました。さらに言えば、黒字が大きければ大きいほど、受けられる融資の金額も大きくなります。

ということは。税金を嫌って利益を減らすと、その分、受けられる融資の金額も減ってしまう。融資は受けにくくなる。「税金は払いたくない、でも融資は受けたい」は成り立たないことを覚えておきましょう。

《ポイント5》予測資金繰り表に展開する

試算表は、過去の数字であり、結果に過ぎません。それはそれでだいじなものですが、さらにだいじなものとして「これから」があります。

これからどうなるのか? とくに、会社の「おカネ(現金預金)」はこれからどうなるのか、を把握しておくことが欠かせません。

なぜなら、「おカネ」は、人間にとっての血液にあたるもの。血液が不足したり、失くなってしまえば生死にかかわります。おカネが尽きたら会社は終わりです。

そうならないように。これからのおカネの動きは、「予測資金繰り表」をつくって把握するようにしましょう。試算表ができたらおしまい、ではいけません。

どれを使えばいいの?資金繰り表の種類と使い分け

2017.06.13

資金繰り表をつくるときには、試算表をもとにします。過去の実績である試算表の数字は、将来の数字を予測する際の「根拠」のひとつになるからです。

せっかく試算表をつくったのですから、根拠として役立てましょう。根拠を無視して「感覚」や「願望」で予測資金繰り表をつくることがないように、注意をしなければいけません。

【参考】銀行融資の視点

銀行から融資を受けるにあたって、決算書(試算表)、資金繰り表、借入金一覧表の3つは「必須」だと心得ておきましょう。

なくても融資が受けられた、と言うかもしれませんが。それは運がよかっただけです。次もうまくいくとは限りません。できるだけ確率よく融資を受けたいのであれば、資金繰り表をはずしてはいけません。

 

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まとめ

毎月の試算表を、ただただつくっているだけでは効果も半減してしまいます。

せっかくつくるのですから、会社の役に立つ試算表をつくるために、そのポイントを押さえておきましょう。

役に立つ試算表を作成するためのポイント
  1. タイムリーにつくる
  2. 精度に注意する
  3. 黒字にこだわる
  4. 税金を織り込む
  5. 予測資金繰り表に展開する

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