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EBITDA有利子負債倍率とは?債務償還年数との違いとは?

EBITDA有利子負債倍率とは?債務償還年数との違いとは?

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銀行融資に関する指標のひとつ「EBITDA有利子負債倍率」とは? 債務償還年数との違いも含めてお話をしていきます。

EBIT… なんだって? と思わず二度見する。

会社・事業における銀行融資にかかわる指標のひとつに「EBITDA有利子負債倍率」なるものがあります。

EBIT… なんだって? だいたいなんて読むんだよ!と言いたくもなる指標ではありますが。

その「EBITDA有利子負債倍率」が持つ意味はきわめて重要です。ひとことで言えば、「負債(借入金)の返済能力はいかほどか」になります。銀行融資を考えるうえで、借り手の「返済能力」は欠かせない要素です。

その重要さゆえ(と言ってよいでしょう)、経済産業省が「企業の健康診断ツール」として推している「ローカルベンチマーク」にも、「EBITDA有利子負債倍率」の指標が採用されています。

ロカベン

知らなきゃ損!小さな会社に役立つローカルベンチマークの使い道

というわけで、EBITDA有利子負債倍率とは? についてお話をしていきます。

さきほど、EBITDA有利子負債倍率は「返済能力」を示す指標だと言いました。返済能力と言えば「債務償還年数」の指標もあるよね、ということで両者の違いについても触れていきます ↓

このあとのお話の内容
  • そもそも「EBITDA」とは?
  • EBITDA有利子負債倍率とは?
  • 債務償還年数との違いとは?

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

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そもそも「EBITDA」とは?

EBITDA有利子負債倍率のお話をする前に。まずは「EBITDA」について確認をしておきましょう。

EBITDAとは、「Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization」の略。日本語で言うと、「利息の支払い前、税金の支払い前、減価償却費の控除前の利益」です。

なんのこっちゃ、と思われるかもですが。これをざっくりと解釈するとこうなります ↓

EBITDAの算式(ざっくり版)

EBITDA = 営業利益 + 減価償却費

税金の支払い前というのは「税引前利益」です。その税引前利益から、さらに利息の支払い前というと、おおむね「営業利益」です。というのが、上記のざっくり解釈です。

厳密にはいろいろあるのですが、ざっくり言うとそういうこと。

ざっくりでいいのか? と思われるかもですが。冒頭でも触れたローカルベンチマークでも「EBITDA = 営業利益 + 減価償却費」の算式が採用されているところでもあり、よしとしましょう。

ちなみに。EBITDAは「イービットディーエー」とか「イービットダー」などと読まれます。ほかにも、イービッタ、エビータ、エビティーダとも。どんだけレパートリーが豊富なんだよ、と思います。

わたしは「イービットダー」派です。「ダー」という響きがなんだか楽しげです。ダー、ダー言いたいだけかもしれません。どうでもいいですね。

閑話休題。

そもそも「EBITDA」という指標は、中小・零細企業にはあまりなじみがなく。どちらかと言うと大企業の経営分析で見られていた指標だと言えるでしょう。

その理由は、EBITDAには、「利息、税金、減価償却費」の影響を排除するはたらきがあるからです。EBITDAが「利息の支払い前、税金の支払い前、減価償却費の控除前の利益」であることはさきほどお話をしたとおり。

そのような金利の水準や税率、減価償却の計算方法は、世界で見ると各国ごとに差があります。その差を含めた「税引後利益(最終利益)」などで大企業を見ていると、他国の企業と比較ができない、比較しづらい…

というわけで、EBITDAの指標が大企業を中心に重宝されることとなったのです。「税引後利益(最終利益)」ではなく、国を超えても比較がしやすい「EBITDA(利息の支払い前、税金の支払い前、減価償却費の控除前の利益)」を使おう、と。

ではそれがなぜ、大企業ばかりではなく、中小・零細企業も含めた銀行融資にかかわる指標として「EBITDA」が採用されるにいたったのか? このあとのお話で説明をしていきます。

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EBITDA有利子負債倍率とは?

EBITDAを理解したところで、本題の「EBITDA有利子負債倍率とは?」についてお話をしていきます。

はじめに、EBITDA有利子負債倍率の算式から。こちらです ↓

EBITDA有利子負債倍率の算式

EBITDA有利子負債倍率 = (借入金 − 現金預金)/(営業利益 + 減価償却費)

上記は、さきほどからなんども登場している「ローカルベンチマーク」の解説にて掲載されている「EBITDA有利子負債倍率」の算式になります。

算式のなかみを見てみると。分母の「営業利益 + 減価償却費」が、さきほどの「EBITDA」であることがわかります。

いっぽうで分子はと言うと、「借入金 − 現金預金」です。

ここでひとまず、「現金預金」をマイナスするのを忘れてみましょう。すると算式はこうなります ↓

  • EBITDA有利子負債倍率 = 借入金 /(営業利益 + 減価償却費)

つまり、「借入金が EBITDAという利益の何倍あるか?」を計算するのが、EBITDA有利子負債倍率だ、ということです。

したがって、倍率が高ければ高いほど、利益(EBITDA)に対して借入金が多い。ゆえに返済能力としては低いことをあらわします。

逆に、倍率が低ければ低いほど、利益(EBITDA)に対して借入金が少ない。ゆえに返済能力としては高いことをあらわします。

では、自社の「EBITDA有利子負債倍率」がどのくらいの水準にあるのか? ということについては「ローカルベンチマーク」を利用してみましょう。

経済産業省のローカルベンチマークのWEBサイトから、ローカルベンチマークのExcelファイルをダウンロード。自社の業種を選択して必要な財務データを入力すれば、同業種平均との比較ができます。

そういえば。さきほどから「現金預金のマイナス」を忘れたままでした。ここで思い出すことにしましょう。

EBITDA有利子負債倍率の算式で「借入金 − 現金預金」とするのは、手持ちの現金預金があれば借入金はないのと同じだから(手持ちの現金預金でいつでも返済できる)、という趣旨です。

この点で。たとえ借入金が多くても、現金預金を潤沢に備えている会社のEBITDA有利子負債倍率は悪化しません。

会社はおカネが尽きれば、命運も尽きてしまいます。これを避けるためには借入をしてでも手元に相応のおカネを備えておく。そのような財務戦略のジャマをしない指標が「EBITDA有利子負債倍率」だと言えるでしょう。

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債務償還年数との違いとは?

さきほど、EBITDA有利子負債倍率の算式を見たときに、「あれっ? どこかで見たことがあるような…」と思われたかもしれません。

おそらく「債務償還年数」の算式です。債務償還年数とEBITDA有利子負債倍率の算式はよく似ています。並べてみましょう ↓

債務償還年数とEBITDA有利子負債倍率の算式比較
  • 債務償還年数 = 借入金 /(税引後利益 + 減価償却費)
  • EBITDA有利子負債倍率 =(借入金 − 現金預金)/(営業利益 + 減価償却費)

上記のとおり、似てはいるのですが、違いが2ヶ所あります。

まずひとつは「現金預金をマイナスするかしないか」。債務償還年数ではマイナスしない、EBITDA有利子負債倍率ではマイナスする。

さきほど、こんな話をしました ↓

「たとえ借入金が多くても、現金預金を潤沢に備えている会社のEBITDA有利子負債倍率は悪化しません。」

これに対して、債務償還年数の場合には、たとえ現金預金があっても借入金が多ければ、債務償還年数は悪化します。この点で、債務償還年数は、EBITDA有利子負債倍率よりも厳し目の指標だと言えるでしょう。

ゆえに、債務償還年数をよくすることにこだわると、手元の現金預金を減らしてでも借入金を返済しよう! という発想が生まれます。

危険です。とくに、資金調達力に乏しい中小・零細企業はぜったいにやるべきではない行為です。手元の現金預金を減らしてまで借入金を返済してはいけません。

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それからもうひとつ。債務償還年数とEBITDA有利子負債倍率の違いは、分母の利益です。債務償還年数は「税引後利益」で、EBITDA有利子負債倍率は「営業利益」の違いがあります。

債務償還年数が採用する「税引後利益」の場合、いわゆる特別利益や特別損失など、会社の本業以外や通常外の収入・費用が混じることとなります。

たとえば、含み益のある不動産を売却して「益出し(特別利益)」をすると、債務償還年数の指標は改善しますが、あくまで一時的な改善に過ぎません。翌年も同じように不動産を売却できるわけではないから、ですね。

だとすると。実は一時的な改善にもかかわらず、完全なる改善と見誤る可能性が債務償還年数にはあります。

逆もあって。不良資産を思い切って処理しようと考えても、処理をする際の損失(特別損失)によって債務償還年数は悪化します。それがイヤで不良資産の処理が足踏みしてしまう…

このあたりが、税引後利益を採用することのデメリットです。

いっぽうのEBITDA有利子負債倍率が採用する「営業利益」はというと。特別利益や特別損失は考慮外です。それらを加味する前の営業利益が対象になりますから、税引後利益のデメリットを回避することができます。

そう考えると。似たような指標ではあるけれど、EBITDA有利子負債倍率のほうが債務償還年数よりもいいんじゃなかろうか? ということで、存在感を高めているのが「EBITDA有利子負債倍率」の指標です。

【参考】債務償還年数でも現金預金を考慮することはある

債務償還年数の指標でも、「現金預金をマイナス」して考えることはあります。基本的にはマイナスしないけれども、するという考え方もある。くわしくはこちらの記事もどうぞ ↓

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まとめ

銀行融資に関する指標のひとつ「EBITDA有利子負債倍率」は、ローカルベンチマークにも採用される重要指標です。

銀行融資を考えるうえで、「借り手の返済能力」という欠かせない要素をあらわすのが「EBITDA有利子負債倍率」だから、ですね。

似た指標である「債務償還年数」とあわせて、指標が持つ意味と考え方を押さえておきましょう。

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