コロナ融資を受けられた、という会社も。借りれてよかったね、でおしまいではありません。
なぜならば、コロナ融資を受けたあとの会社の状況を、銀行は監視している。つまり、モニタリングありますよ、というお話をしていきます。
借りておしまい、貸しておしまい。ではない。
本記事の投稿日現在(2020年5月20日)、新型コロナウィルスの影響により、多くの会社・個人事業者が資金繰りに苦しんでいます。
これを受けて、国・地方自治体主導のもと、「各種のコロナ関連融資(以下、コロナ融資)」が整備・推進されているところです。
そのコロナ融資の特徴として「借りやすい」ということが挙げられます。理由を端的に言えば、「利益が無くてもOK」「書類が無くてもOK」「急ぎでもOK」だからです。くわしくはこちらの記事をどうぞ ↓
結果、コロナ融資を受けることができました。借りられてよかったね、おしまい。というわけにはいきません、とのお話をしていきます。
なぜならば、銀行による「モニタリング」があるからです。モニタリングとは、平たく言うと「その後の監視」。つまり、コロナ融資を受けたあとの会社の状況を、銀行は監視しているということです。
ちなみに。コロナ融資の代表格である「セーフティネット保証」や「危機関連保証」については、「完済するまでのあいだ、銀行によるモニタリングを必要とする旨」が明示されています。
もっとも。セーフティネット保証や危機関連保証に限らず、他のコロナ融資についても、ていどの差こそあれ、当然にモニタリングされていると考えるべきところです。
貸す側からしてみれば、「融資をしてだいじょうぶだったのかな?」「さいごまで返済をしてもらえそうかな?」というのは気になりますので、モニタリングをとおして確認をすることになります。
モニタリングの結果、「問題あり」となれば、「すぐに全額返済してください」との可能性もゼロではありません。全額返済までにはいたらずとも、「その後の融資は不可」の事態はじゅうぶんにありえます。
困りますよね。
だから、そんなことにならないように。いったい「なに」をモニタリングされるのか? 「なに」を監視されるのか? そのあたりのところを、コロナ融資を受ける会社は理解をしておくようにしましょう。こちらです ↓
- 資金使途
- 融資時のヒアリング内容
- 利益の有無
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
コロナ融資では「なに」をモニタリングされるのか?
資金使途
コロナ融資を受けた会社は、銀行から「なに」をモニタリングされるのか? 1つめは、「資金使途」です。
資金使途(しきんしと)とは、借りたおカネの「使いみち」のこと。銀行からおカネを借りるときには必ず、「なにに使うのか?」と聞かれますよね。それが資金使途です。
で、その資金使途のとおりに借りたおカネは使われたのか? ということを銀行は監視しています。
コロナ融資に関して言えば、基本的には、「仕入や各種経費の支払いに使うため(運転資金、と呼びます)」として融資を受けていることでしょう。
したがって、そのとおりに仕入や経費の支払いとしておカネが使われている分には問題ありません。問題があるのは、それ以外におカネが使われたときです。
たとえば。なにやら固定資産(建物、土地、自動車、機械、備品など)を買っている、投資(有価証券、仮想通貨)をしているとか。あるいは、社長個人に貸付をしている、とかとか。
当初の資金使途とは違うおカネの使い方をすることを「資金使途違反」と呼びます。資金使途違反は大きな罪であり、全額返済を求められてもしかたのないところです。
全額返済を免れても、その後の融資が受けられない・受けにくくなることは避けられませんので。資金使途違反をしないように気をつけましょう。
とはいえ。おカネに色はないのだから、借りたおカネではなく、「じぶんで稼いだおカネや、手もとのおカネを使ったのだ」と言えばいいじゃないか。そう思われるかもしれません。
ところが、銀行はおカネに色をつけて見ています。決算書や試算表を眺めてみて、「借りたおカネがどう使われたか?」を見ています。その見方については、こちらの記事をどうぞ ↓
融資時のヒアリング内容
コロナ融資では、「手続きの迅速化」の観点から、申請に必要な書類は最低限にしぼりこまれています。
したがって。本来であれば、赤字の会社などは提出が求められるはずの「経営改善計画書」がなくても融資が受けられているはずです。
けれども。書類の有無とは別に、銀行との面談を通じて、「経営改善計画書」と同じような内容を「口頭」でヒアリングされていることでしょう。
たとえば、「今後の売上見込」「今後の資金繰り見通し」「売上減少・赤字に対する取り組み」などです。
それでは質問です。コロナ融資を受けたあなたは、銀行のヒアリングになにを答えたか覚えていますか?
もしかしたら、忘れてしまった… という人がいるかもしれません。でも、銀行は忘れたりしません。必ず、「記録」に残しています。その記録と、その後の状況とを見比べてモニタリングしているのです。
だから、銀行との面談時に「楽観的」なことばかりを言ってしまうと、のちのち問題が起こりえます。現実がそれほど楽観的ではなかった場合です。
もちろん。このたびのコロナは「想定外・未体験」のことですから、将来の見通しがはずれてしまうことはあるでしょう。ただそれでも、楽観的な見通しを立てたのはあなたです。見通しの甘さ、を評価されることになります。
また、「売上減少・赤字に対する取り組み」について。「〇〇に取り組むことで、コロナを乗り切っていきます」みたいな話をしたのにもかかわらず、実際には〇〇に取り組んでいなかったとしたらどうでしょう?
当然、「ウソつき!」ということになってしまいます。
だいじなことなので繰り返すと。銀行は、ヒアリングの内容を覚えているし、記録しています。あとになってから、間違っても「そんなこと言いましたっけ?」などということがないようにしましょう。
そのうえで。ヒアリングの時点で、「その場しのぎ」の話はしないことです。楽観的に過ぎること、調子の良いことばかり言わない。加えて、言ったことには責任を持つ。覚えておきましょう。
利益の有無
銀行はモニタリングのなかで、その後の「利益の有無」を見ています。前述した「ヒアリング時の見通し」とは別に、現状、利益が出ているかどうかを見ています。
理由は言うまでもなく、「利益=返済原資」だからです。
借りたおカネの返済原資は利益。利益が出るから返済ができるのであって、利益が出なければ返済をすることはできません(借りたおカネを使わずに持っていた場合には、利益がなくてもそれを返せばよいだけですが)。
この点で。コロナ融資を受けたのち、もし、利益が出ていなかったとしても、全額返済まで求められることはないでしょう。そんなことをされたら、会社はつぶれてしまいますし。
けれども、その後の融資を受けることは極めて難しくなる。これは覚悟しておかなければいけません。
コロナ融資は、もともと厳しいところに「相応の無理」をして融資をしているところがあります。そのコロナ融資も返済できない(返済原資である利益がない)となれば、その後の融資が厳しくなるのは当然です。
ゆえに、会社は「いままで以上」に、利益を出すことにこだわる。黒字にこだわる。これが重要です。
とくに、「Withコロナ(穏やかな自粛)」の時期にあっては、世の中の経済活動も不十分であり、会社がじゅうぶんな利益を確保することは難しいでしょう。
すると。利益が出たとしても、既存の融資を返済するのにじゅうぶんなだけの利益ではない… という状況が想定されます。
そのときに必要になるのが「追加融資」です。もういちど融資を受けて、じゅうぶんなだけの利益が出るようになるまでしのぐ。
追加融資をするかしないか。銀行が判断をする際のポイントが「利益の有無」になります。じゅうぶんではないまでも利益が出ていれば、今後の回復を期待することもできますが、赤字ということになると期待薄です。
そのあたり、くわしくはこちらの記事もどうぞ ↓
Onコロナ(コロナまっただなか)を乗り切ったあと、Withコロナを乗り切るためには「追加融資」が必要になることを想定しておきましょう。そのときには、「利益」が必要になることを忘れずに。
銀行はコロナ融資について、その後の「利益の有無」をモニタリングしています。
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まとめ
コロナ融資を受けられた、という会社も。借りれてよかったね、でおしまいではありません。
なぜならば、コロナ融資を受けたあとの会社の状況を、銀行は監視している。つまり、モニタリングあるからです。
モニタリングで問題にならないように、会社は銀行に「なに」をモニタリングされるのかを理解しておきましょう。
- 資金使途
- 融資時のヒアリング内容
- 利益の有無