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銀行員は決算書がどこまでわかるのか?

銀行員は決算書がどこまでわかるのか?

決算書のことがわかる銀行員もいれば、わからない銀行員もいます。では、わからないとすればなにがわからないのか? そのとき、会社が気をつけるべき点をまとめていきます。

目次

決算書がわかっていないこともある、という前提で。

銀行融資を受ける・受けているときに、会社から銀行に提示する書類のひとつ「決算書」。融資の可否をもっとも大きく左右する書類が決算書だ、と言ってよいでしょう。

が、その決算書を、銀行員はどこまでわかっているのか。どこまで理解をしているのか。当然、個人差があります。すごくよくわかっている銀行員もいれば、あまりわかっていない銀行員もいます。

このような個人差は、一般の会社にもあるものですから、「銀行員は不勉強だ!」みたいなことを言いたいわけではありません。言いたいのは、決算書のことがわからない銀行員もいる、ということです。

そのあたり、会社の側で気をつけるべき点をまとめてみます。では、銀行員は決算書のどこがわからないのか? おもなところでは、次のとおりです↓

銀行員は決算書がどこまでわかるのか?
  • そもそも見方がわからない
  • 簿記がわからない
  • 初期の粉飾はわからない

それではこのあと、順番に見ていきましょう。


銀行員は決算書がどこまでわかるのか?

そもそも見方がわからない

決算書(税務申告書)を渡したときに、その決算書をほとんど見もせずに、カバンのなかにしまいこんでしまう銀行員がいます。もしかすると、決算書の見方がわからないのかもしれません。

そんなバカな、と思われるかもですが。決算書を読める銀行員がいなくなってしまった… というのは、銀行員から出てくるハナシです。その背景を少しだけお話すると、「信用保証協会の保証付き融資」です。

保証付き融資であれば、会社が返済できなくなったときには、信用保証協会が肩代わりをしてくれます。銀行にとってはリスクが小さい融資ですから、貸しやすい。

いっぽうのプロパー融資は、信用保証協会の保証がない融資です。会社が返済できなくなったときには、銀行が100%損をかぶります。ゆえに、貸しにくい。

そこで、銀行は「保証付き融資」を優先的に貸したがります。このとき、リスクが小さいことから、それほど熱心には決算書を見ずともよい。信用保証協会が審査もしてくれるし。という背景が、ひとつ。

それから、もうひとつの背景は、「金融検査マニュアル」です。金融検査マニュアルは、金融庁が銀行を検査する際のマニュアルであり、検査を受ける側の銀行にも、その考え方が浸透しました。

その結果が、機械的・画一的な決算書評価です。決算書をあずかったら、あとはコンピュータにおまかせ。銀行員は、コンピュータがはじきだした「点数」で審査の可否を判断する。いわゆる「格付」です。

また、金融検査マニュアルの登場以前(バブル期〜バブル崩壊期)にまでさかのぼると。そこは「担保ありき」の世界です。不動産がありさえすれば、いくらでも融資をした時代がありました。

それ以前には、決算書をしっかり読める銀行員が多かったと聞きます。ところが、そういった銀行員も退職を迎え、いまではほとんど銀行には残っておらず。若手に直接指導できる環境にない… というのですから、いまの銀行員が決算書がわからないのも当然の帰結です。

では、会社の側はどうすればよいのか? 銀行員、とくに、自社の担当者にあわせて、決算書の説明をすることです。決算書の見方、それもかなり初歩的なところから説明を要するケースもあります。

にもかかわらず、説明をしない・説明ができないとどうなるか? 自社の融資が受けにくくなるでしょう。とくに、プロパー融資が受けにくくなります。繰り返しになりますが、プロパー融資は銀行にとって貸しにくい融資であり、決算書はじめ、融資先のことをよく理解する必要があるからです。

したがって、社長もまた「決算書の見方がわからない…」となると困ってしまいます。そのあたり、勉強をされるときに、本ブログで投稿している記事も参考にしていただければ幸いです↓

決算書の見方に関する本ブログの過去記事

簿記がわからない

銀行融資の可否をめぐってよく登場する言葉に、「キャッシュフロー」があります。キャッシュフローとは、平たく言うと、「一定期間に増えるおカネの金額」です。

なぜ、キャッシュフローがだいじなのかと言えば、キャッシュフローこそが「返済原資」だから。キャッシュフローがなければ返済できない、キャッシュフローが少なければ返済に不安があるからです。

そんなキャッシュフローをカンタンに求めるための算式が、「税引後利益+減価償却費」であり、「簡易キャッシュフロー」と呼ばれるものになります。ただし、簡易計算であり、正確性はありません。

そこで、正確にキャッシュフローを求めるためのツールが「キャッシュフロー計算書」になります。これで計算すると、簡易キャッシュフローとはけっこう違っていた… というケースはあるものです。

したがって、会社はキャッシュフロー計算書をつくって、より正確なキャッシュフローを銀行に提示したほうがよいこともあるでしょう。

ところが、キャッシュフロー計算書がいまいちわからない銀行員もいます。キャッシュフローを理解するにあたっては、「仕訳(簿記)」の理解も必要であり、仕訳がわからない銀行員もいるわけです。

銀行員は簿記の勉強をしなければいけない、と聞きますので勉強はしているものと思います。が、簿記の資格が「必須」ではありませんから、理解度に差があるのはしかたのないことでしょう。

正確なキャッシュフローが伝わらないことで、銀行融資が受けにくくなるケースはありますので、やはり担当者の状況にあわせて、会社の側でキャッシュフロー計算書を説明することが大切です。

もっとも、中小企業では「キャッシュフロー計算書」の作成義務がないことから、社長もまた、よくわかっていないということもあるでしょう。とはいえ、キャッシュフロー計算書は、貸借対照表や損益計算書に次ぐ、「第3の財務諸表」のひとつです。

それなら、じぶんでキャッシュフロー計算書をつくってみよう! というのであれば、こちらにあるExcelファイルが役立ちます↓

中小企業の会計31問31答(平成21年指針改正対応版)ツール集 / 中小企業庁
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/tools/2009.htm

キャッシュフロー計算書の見方については、こちらの記事を参考にどうぞ↓

あわせて読みたい
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初期の粉飾はわからない

銀行と決算書のハナシをするときに、出てくる話題に「粉飾(利益や資産の水増し)」があります。事実とは異なる決算書をつくって、銀行から融資を引き出そうとする会社もあるわけで。銀行は、粉飾を警戒しています。

では、銀行員は決算書を見て、粉飾がわかるのか? 中長期で見れば、わかるものと考えます。ただし、短期、とくに粉飾をはじめた1年めなどはわからないケースが多いものでしょう。

粉飾は、徐々にエスカレートするものです。たとえば、利益を100万円水増しした場合。翌年、その水増しを解消するためには、100万円よけいに利益を出さなければいけません。

利益をきちんと出せればよいのですが、また赤字の場合には、さらに粉飾を重ねることになります。そうして、粉飾はエスカレートしていくのです。

粉飾をした場合には、決算書のどこかしらに必ず「ひずみ」が生じます。具体的には、売掛金回転期間とか、棚卸資産回転期間とか。そのひずみは、粉飾を重ねるごとに大きくなるので、銀行員にもわかってしまう、というわけです。

ときおり、「粉飾はバレない、バレていない」というハナシを耳にします。でも、それは「いまはまだ」バレていないだけかもしれません。それに、バレていたとしても、銀行員は黙っていることもあります。

あえて粉飾を指摘して、会社ともめごとを起こす(社長に逆ギレされる、とか)のも得策ではありません。だったら、黙って融資をしなければよいハナシです。

銀行員がなにも言わないからと言って、「粉飾はバレない、バレていない」などとは考えないようにしましょう。


まとめ

決算書のことがわかる銀行員もいれば、わからない銀行員もいます。

わからないとすれば、どんなことがわからないのか。そのとき、会社が気をつけるべき点を押さえておきましょう。

銀行員は決算書がどこまでわかるのか?
  • そもそも見方がわからない
  • 簿記がわからない
  • 初期の粉飾はわからない
銀行員は決算書がどこまでわかるのか?

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