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銀行融資における経営計画書の使いどころ

銀行融資における経営計画書の使いどころ
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融資を受けるにあたって、どんな場面で経営計画書を銀行に提示すると、プラスの影響があるのか? 銀行融資における経営計画書の使いどころについて、お話をしていきます。

目次

経営計画書だって銀行融資の役に立つ。

会社が銀行から融資を受けるときに、提示する書類はいろいろです。なかでも、とりわけ重要だと言われているのが「決算書」。実際、融資の可否は、決算書の内容の良し悪しで7〜9割くらいは決まると言ってよいでしょう。

では、「経営計画書」はどうか? というと。決算書ほどではないにせよ、銀行融資に影響を与える書類です。とはいえ、経営計画書を作成していない会社は多く、作成していても実行・管理できていない会社はもっと多い。

そんな経営計画書について、銀行融資における「使いどころ」の話をしてみることにします。つまり、融資を受けるにあたって、どんな場面で経営計画書を銀行に提示すると、プラスの影響があるのか?

具体的には、次のような場面です↓

銀行融資における経営計画書の使いどころ
  • 簡易キャッシュフローが不足
  • 債務超過
  • 融資条件の改善

それではこのあと、順番に見ていきましょう。


銀行融資における経営計画書の使いどころ

簡易キャッシュフローが不足

そもそも、銀行は「簡易キャッシュフロー=返済原資」だと考えています。ここで言う「簡易キャッシュフロー」とは、「税引後利益 + 減価償却費」です。

税金を支払ったあとの利益である税引後利益とは、すなわち、手元に残ったおカネをあらわします。いっぽうで、減価償却費はおカネの支出をともなわない費用であるため(支出は減価償却費の対象であるモノを買ったときに済んでいる)、税引後利益に足し戻す。

その簡易キャッシュフローこそが、貸したおカネを返済するための原資なんだ。というのが、銀行の考え方です。とすると、次のような算式が成り立つ必要があります↓

簡易キャッシュフロー > 年間返済額

銀行は、この算式が成り立てば融資をする。成り立たない(簡易キャッシュフロー < 年間返済額)のであれば融資をしない、という理屈です。

ちなみに、算式中の「年間返済額」は、すでにある借入の返済額に加えて、これから借りようとしている借入の返済予定額も含むことなります。

たとえば、簡易キャッシュフローが 500万円、すでにある借入の返済額が 400万円だとしたら。これから借りようとしている借入の返済額は 100万円におさめなければいけない。言い換えると、返済額が 100万円を超えるような金額を貸してはいけない。と、銀行は考えるわけです。

では、その簡易キャッシュフローが、現状では「不十分」だとした場合はどうでしょう。さきほどの例で言えば、返済額で 200万円分くらいの融資は受けたい。でも、それだと、簡易キャッシュフローが 100万円ほど不足してしまう…

こんなときこそ、経営計画書の使いどころになります。経営計画書とは、「将来の数字」を記載した書類です。いまは簡易キャッシュフローが 500万円でも、これから先は 600万円になります、7という計画であれば、返済額で 200万円の融資は受けられることになります。

もちろん、ただ経営計画書があればいい、というハナシではありませんので。計画の「妥当性」については、じゅうぶんな検討が必要になります。極端を言えば、なんの根拠もないのに、数字ばかりが右肩上がりの計画では銀行も信用しない、ということです。

また、計画した数字を実現するためには、「行動」が欠かせません。数字の実現には、どういう行動が必要なのか? だれが、いつ、なにを、どのように、どのくらい行動すればいいのか? これを「行動計画」としてまとめることが重要です↓

こうして、妥当性のある経営計画書を提示できれば、いま現在の簡易キャッシュフローが不足していたとしても、融資を受けられる可能性が高まります。

債務超過

会社にとって「良くない財務状態」として、「債務超過」が挙げられます。債務超過とは、「資産 <負債」の状態であり、言い換えると、純資産(自己資本)がマイナスの状態です。

資産よりも負債が大きいということは、実質的な破たんを意味しているため、債務超過になると、銀行からの融資が受けにくくなります。それでも、融資が受けたい場合にはどうしたらよいのか?

ここで、経営計画書の出番です。銀行が債務超過を嫌うことは、話をしました。だとしたら、その債務超過をいつ解消できるのかを、銀行に説明して、納得してもらう必要があります。

このときのポイントは、「3年」です。これから3年以内に、債務超過を解消できるかどうか。それだけの利益をあげられるかどうかが、銀行から見たときの目安になります。

逆に、債務超過を3年で解消できないようだと、銀行は「危険な会社だ」との判断から、融資をすることが難しくなるでしょう。すでに債務超過が大きすぎる、ということです。

なんにせよ、口頭だけで「3年以内に債務超過を解消できます!」といっても、アテにはなりませんから。書面としての経営計画書の提示が有効になります。このような状況での経営計画書を、「経営改善計画書」などと呼ぶこともありますが、本質的には経営計画書と変わりません。

ところで、債務超過とは「資産 < 負債」をあらわすことは話をしました。その債務超過かどうかを判断するには、「貸借対照表」が必要だということになります。

したがって、経営計画書をつくるにあたっても、計画貸借対照表(予測貸借対照表ともいう)を作成して、銀行に提示できるのがベストです。計画損益計算書に比べると、だいぶ難易度は上がりますが、計画貸借対照表があるのとないのとでは、経営改善計画書の説得力に差が出るのは間違いありません。

具体的な作りかたについては、こちらの記事も参考に↓

どうしても難しければ、顧問税理士に相談をするのもよいでしょう。経営計画書が銀行融資に役立つかどうかは、「説得力」の大きさにかかっています。できるだけのことをして、経営計画書の説得力を高めることが大切です。

融資条件の改善

さいごにもうひとつ、経営計画書の使いどころとして、「融資条件の改善」が挙げられます。融資条件とは、金利や担保・保証、返済期間など、融資を受けるにあたっての条件全般です。

銀行にとって良い条件であれば、会社にとっては悪い条件となり、会社にとって良い条件であれば、銀行にとっては悪い条件になります。ゆえに、会社は、銀行にとって良い条件ばかりにならないように、条件の改善に努めなければいけません。

そんなときに、プラスの影響をもたらすのが「経営計画書」です。銀行融資の7〜9割くらいは、決算書で決まることは話をしました。ウラを返すと、1〜3割くらいは「ほかの要素」も加味されるということです。

その「ほかの要素」のひとつにあたるものが、経営計画書になります。経営計画書に記載された「内容」自体が有効であることはもちろん、ほかにも有効なポイントはあるものです。

まずは、「経営者の資質」が挙げられます。経営計画書を作成しようとする社長は、計画性があって、場当たり的な経営をしない社長であるはずだ、との見方につながるところです。

当然、銀行としては「好ましい社長」だと言えます。

また、経営計画書を作成できる、さらには、計画の実行・管理ができるとなると。その会社・社長の「経営管理能力は高い」との証にもなります。中小企業にあっては、少数派でもあり、銀行から見ると「この会社・社長は、ひと味違うぞ」となるところです。

いずれにせよ、融資先の評価上は「プラス」であり、なんのプラスもないよりは、融資条件の改善にも応じやすくなります。したがって、融資条件を改善したいのであれば、決算書だけではなく、経営計画書もあわせて、銀行と話をするようにしましょう。

繰り返しになりますが、経営計画書は作成するだけではなく、実行・管理がより重要です。作ったきり、社長の机の引き出しにしまわれているのでは意味がありません。

ですから、実行・管理している「証拠」として、銀行には「予実績比較表」を提示するようにしましょう。文字どおり、予定(計画)と実績の比較をした帳票です。

その予実績比較表を、試算表とあわせて、おおむね四半期にいちど、銀行に提示することをおすすめします。これを見た銀行は、「あぁ、ちゃんと計画を実行・管理しているんだな」と感心をするはずです。


まとめ

融資を受けるにあたって、どんな場面で経営計画書を銀行に提示すると、プラスの影響があるのか? 銀行融資における経営計画書の使いどころについて、お話をしてきました。

経営計画書を作成している会社、それを実行・管理できている会社は多くありませんが。銀行融資に、よりプラスの影響を求めるのであれば、提示する場面を心得ておきましょう。

銀行融資における経営計画書の使いどころ
  • 簡易キャッシュフローが不足
  • 債務超過
  • 融資条件の改善
銀行融資における経営計画書の使いどころ

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