あえて忘れることで上げられるパフォーマンスがあります。
「いまは必要のない余計なこと」を頭から追い出し、削がれた力を取り戻す。
そのための方法をお話しします。
INBOXを使い倒す
前回までで、「いま頭の中にあること」を吐き出し、整理するところまできました。
実際に頭の中にあることを、眼に見えるように整理してみたわけです。
おさらい
今回は、その整理した内容をもとに日々の運用方法についてお話しします。
日々の運用として、これから毎日やることは3つあります。
1.あたらしい気がかりはINBOXに吐き出す
2.INBOXを空にする
3.ノートブックを見直す
おさらいとして、整理した際の「枠組み(区分)」について、下に再掲します。
ノートブックの区分(タイトル) | ノートブックの役割・内容 |
INBOX | 頭から追い出したことをいちばんはじめに置く場所 |
取るべき行動 | しなければいけない行動 |
ビジョン | いつかやりたいことや価値観・習慣についてなど |
資料 | ジャンルごとの資料置き場 |
プロジェクトリスト | 連続した行動が長期に及ぶもの |
プロジェクト情報 | プロジェクト実行に必要な資料など |
連絡待ち | 誰かにまかせていること |
処分 | 役目を終えたノート置き場(ごみ箱) |
この「枠組み」はEvernoteの「ノートブック」と呼ばれるものでした。
「ノートブック」とは「ノート」を取りまとめたファイルのようなものでしたね。
思い出せましたか?では、はじめましょう。
毎日やること1 あたらしい気がかりはINBOXに吐き出す
いちばんはじめに「頭の中にあることを吐き出す」ということをしました。
これは、脳と心の負担を克服し、パフォーマンスを上げるために
・いま考える必要がないことは頭からすべて追い出す
・追い出したことを信頼できるシステムに預ける
ということでした。
「頭の中にあること」は一度吐き出しても、日々増えていきます。
同じように日々の運用の中でも「そのつど吐き出す」ということが必要。
「そのつど吐き出したもの」の行き先が「INBOX」です。
ここで一番大事なポイントは、本当に「そのつど」、INBOXへと吐き出していくことです。
「あとでまとめて」などとやっていると、忘れたり、思い出したりで、結局は脳と心に負担をかけることになります。
ほんとうは、そのつど吐き出しながら、「枠組み(ノートブック)」の中にそれぞれ仕分けしていけるのがベストです。
ですが、仕分け(整理)にはある程度の時間を要します。
吐き出すべき気がかりが生じたときに、いつも整理する時間まであるわけではないでしょう。
後でできる整理はひとまず置いておき、普段は吐き出すことに集中するのです。
具体的には、Evernoteの「ノート」に箇条書きしていきます。
ほかにも、気になったWebページや、撮影した写真、音声、Excelファイルなど、デジタルデータであれば何でもかまいません。
気がかりはINBOXに吐き出してしまいましょう!
毎日やること2 INBOXを空にする
かくしてINBOXの中には、たくさんの気がかかりが吐き出されます。
理想はなるべく早く、「ノートブック」に仕分けすることです。
とはいえ、そんなに仕分けばかりしている余裕もありませんよね。
自分はどうしているかというと、毎朝一番の日課として「INBOXを空にする」ということを続けています。
INBOXの中には、早く対応すべきものもあるはずです。
そういったものにモレがないように対応するには、「INBOXを空にする」ことは毎日1回が最低頻度といえるでしょう。
毎朝一番にしているのは、INBOXを空にすると同時に、その日のToDoリストを作成し、その日の予定を決めるためでもあります。
その日のToDoリストは今日が5月11日であれば、「20160511_日ごと」というノートとして、「取るべき行動」ノートブックに作成します
(関連投稿 → もう覚えるのやめた!あえて忘れる力~実践編 その2)。
当然ながら、翌朝まで待たずにやるべきこともあります。
1時間後に○○さんに電話する、など。
これはさすがに翌朝というわけにはいきません。
INBOXから早めにノートブックへの整理をするか、INBOXに直接整理して対応しましょう。
ちなみにEvernoteにはリマインダー機能があります。
絶対に思い出したいことは、該当の「ノート」に通知日時を設定すれば、
いつも身近なスマホで通知を受けることができるので安心です。
毎日やること3 ノートブックを見直す
INBOXへ吐き出す→ノートブックへ整理、というサイクルができました。
さいごにもう1つ。ノートブックの見直しです。
サイクルによって、頭の中が眼に見える状態になりました。
しかし、これを放置してしまえば「忘れた」「考えていない」のと同じ。
ノートブックの見直しについても、自分は毎朝1度は必ず行っています。
「取るべき行動」ノートブックが見直しの中心です。
前日のToDoリストであるノートに未了のものなどがあれば、この時点で繰り越しをします。
また、その週や月にやるべきことが記載されたノートついても目を通し、スケジュールの状況に応じて、日ごとのノートに転記をします。
週や月にやるべきこととしていたのは、具体的な実行日を保留していたもの。
これは随時確認をして、実行を促していかなければいけません。
その他のノートブックについても目を通しますが、目の通し方は慣れでもありますので、続けているうちに確立されます。
朝一番だけ見ていればよいというものでもありません。
自分の状況に応じて、Evernoteを開くクセがつくと活用が進みます。
前回のお話になりますが、買い物の際に思い出したいことは「@買い物」ノートを作成しました。
PC・スマホがあるスキマ時間に思い出したいことは、「@デジタル」ノートを作成しました。
自分の思い出したい状況にあわせて作ったノートについては、
その状況になったときに自分で見直すクセが必要だということです。
あとは自分しだい
全4回にわたり、「あえて忘れる力」についてお話をしてきました。
はじめにお話をしたとおり、別にEvernoteが必須なわけでもなく、私のやり方にあわせる必要もありません。
あくまで参考レベルです。
要は、「頭の中にある、そのときは余計なこと」をどこかに吐き出して、どれだけ「そのときはそのときに」集中できるかの環境をつくること。
パフォーマンス向上、ストレス軽減の効用が得られますので、
自分なりの「あえて忘れる力」を身に着ける機会になれば幸いです。
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きょうの執筆後記
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INBOXへの吐き出しとして、PostEver2というiPhoneアプリを使っています。
メモした内容をEvernoteに送信するアプリですが2つの特徴があります。
1つめはその日に何度、メモを送信しても、Evernote側ではひとつのノートにまとめてくれること。
2つ目はアプリの起動がとにかく速い!思いついたときに起動が遅いのはストレス。
それに起動するまでの間になにを思いついたか忘れます・・・(私だけ)。