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選べる銀行が減っていくときに社長が銀行融資について考えるべき5つのこと

選べる銀行が減っていくときに社長が銀行融資について考えるべき5つのこと

銀行業界は地方銀行を中心に、再編が進んでいるところです。結果、選べる銀行が減っていくときに、社長が銀行融資について考えるべきこと、についてお話をしていきます。

目次

借りる側が銀行に選ばれる時代が来る。

本投稿日現在(2021年8月31日)、銀行業界は地方銀行を中心に、「再編(提携・統合・合併)」が進んでいるところです。基本的には、これからしばらくは、銀行の数が減っていくものと考えられます。

すると、会社が融資を受けるにあたって、選べる銀行が減っていく… ということはあるでしょう。では、そのとき社長はなにを考えるべきなのか? について、このあとお話をしていきます。

少し前までは、銀行の数も多く、低金利の背景もあったために、「借りる側が銀行を選べる状況」でした。ところが、これから銀行の数が減れば、こんどは「借りる側が銀行に選ばれる状況」になります。

もし、銀行から選ばれなかったら? 当然、融資が受けられない・受けにくくなるということが起きるでしょう。そんなことにならないように、選べる銀行が減っていくときに、社長が銀行融資について考えるべきことがこちらです↓

選べる銀行が減っていくときに社長が銀行融資について考えるべき5つのこと
  1. 金利交渉の重要性が上がる
  2. 情報提供の必要性が上がる
  3. 信頼を失う行為にいっそう注意しなければいけない
  4. ノンバンクからの資金調達も考える
  5. 銀行に足を運ぶ

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

選べる銀行が減っていくときに社長が銀行融資について考えるべき5つのこと

金利交渉の重要性が上がる

銀行の数が減った先に起きることのひとつに、「金利上昇」が挙げられます。これまでは、銀行の数が多かったために、銀行間の競争によって「過剰な低金利」による融資が多くありました。

そうでもしなければ、他の銀行に融資先を取られてしまうからです。ところが今後、銀行の数が減れば、銀行間の競争は落ち着きます。すると、過剰な低金利で融資をする必要はなくなるため、金利はいまよりも上昇するでしょう。

であるならば、金利交渉の重要性が上がる、ということです。これまでは、じゅうぶん低金利でしたから、金利交渉がうまくできずとも、大きな問題はなかった。けれども、これから金利が上がれば、その金利を下げるための交渉も必要になります。

では、金利交渉に必要なものとはなんなのか? まずは、「利益」です。借りたおカネの返済原資は利益ですから、その利益が大きいほど銀行は安心。貸したい、と考えます。

利益が必要だなんて、あたりまえの話ではありますが。金利交渉を考えると、これまで以上に利益が重要になる、ということです。利益のほかにも、「定性評価(数字以外の評価)」をふまえて、銀行格付を上げる努力も必要になります↓

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情報提供の必要性が上がる

銀行が融資の金利を下げるためには、「情報」も必要です。たとえば、社長個人の資産。銀行は、社長個人が不動産や預金をもっているとわかると、それを安心材料に金利を下げることもあります。

これまでは、個人の資産について情報提供してこなかった社長も、これから銀行が減っていくときには、積極的に情報提供すべきところでしょう。融資の受けやすさや、融資条件の良し悪しに影響します。

ちなみに、情報提供したからといって、担保に取られるとは限りません。ひとまず、情報提供したうえで、もし「担保にほしい」と銀行に言われたら、断ればいいだけのハナシでもあります。

また、試算表を定期的に提示する、経営計画書を作成・提示する、といった情報提供も効果的です。試算表があれば、銀行は融資先の商売を理解しやすくなります。経営計画書があれば、銀行は融資先の将来性をはかりやすくなります。結果として、融資が受けやすくなる。融資条件が良くなる。

逆に、こういった情報提供があまりに少ないと、銀行の側から「選ばれなくなる」ということもあるでしょう。

いま銀行は、融資支援に加えて、本業支援(融資先の事業支援)で生き残りをはかろうとしています。試算表や経営計画書は、その本業支援に必要な情報です。そういった、銀行が欲しい情報を提供できるかどうかで、銀行から支援を受けられるかどうかが変わるものと考えておきましょう。

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信頼を失う行為にいっそう注意しなければいけない

銀行から信頼を失う行為、というものがあります。たとえば、資金使途違反です。当初は、設備資金(設備投資に使うおカネ)として借りたおカネを、実は、運転資金(仕入代金や経費の支払)に使ってしまった… とか。

こういった資金使途違反があると、以後、その銀行からは融資が受けられなくなることがあります。とはいえ、これまでであれば、「ほかの銀行」で借りることもできました。

でも、これから銀行の数が減った場合には、もう「ほかの銀行」はないかもしれません。すると、会社は銀行融資自体が受けられない… ということにもなかねないわけです。

したがって、銀行からの信頼を失う行為には、いっそう注意しなければいけなません。

なお、比較的よくある信頼を失う行為として、「大風呂敷を広げる」というものがあります。銀行に提示した経営計画書に「良いこと」を描きすぎた結果、実際には全然ダメでした… というケースです。

銀行は必ず、経営計画書と実績の比較をしています。その場かぎりの勢いで、経営計画書に良いことを描きすぎないよう、注意しましょう。具体的には、「計画の8割は必達」です。立てた計画はなにがなんでも、8割は達成する。でなければ、銀行からの信頼を失いかねません。

ノンバンクからの資金調達も考える

銀行が減るということは、銀行融資の選択肢が減るということであり、銀行から融資が受けにくくなるということでもあります。

ひとくちに銀行といってもいろいろですから、これまでは、「あっちの銀行がダメならこっちの銀行で」という選択肢がありました。これからは、その選択肢が減る。あるいは、なくなります。

ではもし、銀行から融資を受けられなければ。でも、どうしてもおカネが必要だとしたならば。ノンバンクからの資金調達も、選択肢に加えざるをえないでしょう。

基本的には、銀行融資に比べるとデメリットが目立つため、わたし個人はノンバンクをおすすめしていません。が、銀行融資がムリだとなれば、話は変わってきます。

従来からあるノンバンク融資に加えて、いまはオンライン融資(AI融資)もあれば、ファクタリングなども活況です。日ごろから、しくみやデメリットなどを確認しておくのがよいでしょう。

そのあたり、よろしければこちらの記事もどうぞ↓

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銀行に足を運ぶ

銀行そのものの数が減る、ということばかりではなく、その銀行の店舗が減る、ということもあります。それはすでに起きていることであり、「最寄りの支店がなくなった…」という会社もあるでしょう。

すると、社長は不便になりますが、銀行もまた不便になります。いままでは、銀行担当者がすぐに足を運べた距離だったのに、そうもいかなくなった。結果、銀行担当者の足が遠のくケースは少なくありません。

また銀行は、店舗が減るだけではなく、人員も減っています。すると、銀行担当者ひとりあたりの担当先も増えますから、ますます足が遠のいてしまう。銀行との接点が減ると、おのずと情報提供が少なくるのはデメリットです。

にもかかわらず、情報提供の必要性が上がることは、さきほどお話をしました。であるならば、これからは、社長のほうから銀行に足を運ぶことも考えましょう。とくに、定期的な試算表の提示・説明です。

これまでは、銀行担当者が来たときに渡していたかもしれませんが。これからは、定期的に、支店まで持っていく。目安は、四半期にいちどがおすすめです。

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まとめ

銀行業界は地方銀行を中心に、再編が進んでいるところです。結果、選べる銀行が減っていくときに、社長が銀行融資について考えるべきことを押さえておきましょう。

選べる銀行が減っていくときに社長が銀行融資について考えるべき5つのこと
  1. 金利交渉の重要性が上がる
  2. 情報提供の必要性が上がる
  3. 信頼を失う行為にいっそう注意しなければいけない
  4. ノンバンクからの資金調達も考える
  5. 銀行に足を運ぶ
選べる銀行が減っていくときに社長が銀行融資について考えるべき5つのこと

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