ヒト・モノ・カネ。いちばん大事なものは、どーれだ?
事業(仕事)をしていくうえではどれも大事ではあるけれど。いちばん大事にすべきアレのお話です。
ヒト・モノ・カネ、いちばん大事なものはどーれ?
経営資源の3要素と言われる「ヒト・モノ・カネ」。
Man(ヒト)、Material(モノ)、Money(カネ)の3つの頭文字をとって「3M」とも言われます。
これら3つの資源、どれが欠けても経営は難しくなりますが。「強(し)いて、いちばん大事なものはどれか?」と聞かれたら。
あなたなら、なんと答えますか?
カネが無ければ、ヒトもモノも無い
わたしなら、いちばん大事なものは「カネ」だと答えます。理由はこういうことです ↓
上図のとおり、ヒトもモノも、最初におカネが無ければはじまりません。
つまり。
ヒトが居なければ事業はできない。だけど、ヒトを雇う(雇わない場合でも自分の給料・生活費)のにも育てるのにもカネが要ります。
モノ(商品・設備)が無ければ商売ができない。だけど、モノを買うのにも維持するのにも、やはりカネが要ります。
ゆえに、いちばん大事な経営資源は「カネ」だと考えることができるわけです。
売上や利益を大事にする≠カネを大事にする
ここまでの話をまとめると。ヒト・モノ・カネという経営資源でもっとも大事なもののはカネである。
理由は、ヒト・モノを持つにもまずカネが必要だから。となります。
要は、先立つものはいつだって「カネ」なのです。
と、ここで。
「いやいや、おカネが大事なのはようくわかっている。ちゃんと売上や利益を見ながらおカネをつかっているんだ。」
と言う人がいます。そうそうそのセリフ。カネがいちばん大事と言いながら、実はカネを大事にできていない典型です。
残念ながら売上や利益を見ているだけでは、カネを大事にしているとは言えません。
経営資源については、ヒト・モノ・カネの3つに「情報」を加えて4資源だ、と言われることもあります。さらに「時間」を加えて5資源だ、とも言われます。
いずれにせよ、先立つものはいつも「カネ」である点では変わりません。
売上・利益・カネ、いちばん大事なものはどーれ?
売上や利益を見ているだけでは、カネを大事にしているとは言えない。その理由とは?
歴史が教えてくれるカネの大切さ
くどくどと語るまでもなく。売上・利益からでは、カネの大事さはわからないことを端的に示す言葉があります。
- 黒字倒産
- 勘定合って銭足らず
「黒字倒産」とは、試算表や決算書で利益が出ているにも関わらず、おカネがうまく回らずに倒産をしてしまうこと。
「勘定合って銭足らず」とは、売上や利益の計算に間違いはないものの、おカネが足りないことを表します。
いずれも過去の事例やことわざというカタチで、歴史が教えてくれる「カネ」の大切さと言えます。
売上や利益があっても、おカネが足りずに窮することがあるから気をつけなさい。歴史はそのように教えてくれているのです。
試算表・決算書は後始末でしかない
ちなみに。売上や利益が記されている試算表や決算書は、「後始末」でしかありません。
これは、試算表や決算書をつくることが大事ではないと言っているのではなく。大事ではあるけれど、その性質としては「後始末」だということです。
言い換えると、過ぎ去った過去を表わすものでしかなく、未来を見通すチカラはない。
試算表や決算書のなかにある、現金や預金(カネ)の残高も、過去のある日の残高をしめすばかりです。そのあとどうなるか、を示すものではありません。
そう考えると。試算表や決算書をつくるために帳簿をつける、経理をするというだけでは、「カネ」を大事にすることはできないことがわかります。
義務ともいえる経理をこなすだけでは、カネを大事にしているとは言えないのです。
では、なにをすれば、「カネ」を大事にすることはできるのか?
カネを大事にする=資金繰り表をつくる
なにをすれば、「カネ」を大事にすることはできるのか? その答えはずばり、「資金繰り」です。
いまある手元のおカネが、向こう1年、どのように増減していくのか? そんなおカネの見通しを、目に見えるカタチにしたのが「資金繰り表」です。
資金繰りの手段が「資金繰り表」
おカネの見通しを、目に見えるカタチにしたのが「資金繰り表」だと言いました。
が。資金繰り表は「耳にしたことはあるが、手をうごかしてつくってみたことはない」と、しばしば言われるようなシロモノです。その実物はこんなカンジです ↓
うげっ、と露骨に嫌気を吐くか。口を真一文字にムムムと唸るか… 見慣れぬ資金繰り表を押しやりたくなる気持ちはわかります。
しかしそのいっぽうで。このような資金繰り表を持たないから、先立つカネを見通すことができないという現実があります。
おカネの動きは複雑です。ひとつひとつの取引(モノを売った、モノを買ったなど)に関する動きは単純でも、取引がいくつも集まれば複雑になります。
もちろん、事業をしていれば取引はいくつもあるわけですから、おカネの動きは複雑にならざるを得ないのです。
そのように複雑にからんだ糸をときほどくのに、さきほどの資金繰り表は役立ちます。資金繰り表は複雑そうに見えて、からみあった取引の糸よりはずっとシンプルなのがウリです。
さぁ、資金繰り表をつくろう
資金繰り表は複雑そうに見えて、からみあった取引の糸よりはずっとシンプルです。
なんて言うけれど。ちっともシンプルじゃないじゃんか! という声も聴こえてきます。たしかに、資金繰り表をつくるには勉強と慣れが必要です。
とはいえ、カネが大事だとわかれば、資金繰り表が大事だとわかれば。あとは意気込みしだいです。学ぶ機会には事欠きません ↓
アタマのなかで思っているだけでは、「カネ」を大事にはできません。先を見通せなければ、いずれ「ヒト」「モノ」に使う「カネ」に窮してしまうかもしれません。
ほんとうに「カネ」を大事にするために、資金繰り表をつくりましょう。
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きょうの執筆後記
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