どこの税務署に確定申告をすればいいの?引っ越したらどうするの?

納税地

確定申告って、どこの税務署にすればいいの? 引っ越しをしたらどうするの?

個人事業者・フリーランスが確定申告をする際の税務署はどこなのか、に関するお話をしていきます。

目次

確定申告はどこの税務署に…?

個人事業者・フリーランスは、毎年3月15日までに税務署に確定申告書を提出しなければいけません。その「税務署」について。

  • 確定申告書はどこの税務署に提出すればいいいの?
  • 好きな税務署に申告をすることはできないの?
  • 引っ越しをしたらどうするの? などなど。

個人事業者・フリーランスが疑問に思う「自分が関わる税務署はどこ?」ということについてお話をします。

 

【問】確定申告書はどこの税務署に提出すればいいいの?

まずは、毎年の確定申告書をどこに提出すればいいのか、ということについて。

フツーは、住所を所轄する税務署へ

普通は、自分の住所がある地域を所轄する税務署が、確定申告書の提出先になります。

税務署ごとに所轄する地域が分かれていますので確認をしましょう。下記のページに各税務署の「管轄地域」が掲載されています ↓

国税庁公式WEBサイト「国税局・税務署を調べる」

オフィスの場所または居所を所轄する税務署も可

前述したとおり、普通は「住所」を所轄する税務署ですが、例外も認められています。

例外は2つあり、1つは「オフィス(事務所)がある場所」を所轄する税務署、もう1つは「居所」を所轄する税務署です。

オフィス(事務所)がある場所とは

文字どおり、オフィス(事務所)の所在地ということです。住所に代えて、オフィスの所在地を所轄する税務署に確定申告書を提出することができます。

ただしその場合、開業時には「開業届」への記載が必要です。開業後に変更したい場合には「納税地の変更届」の提出が必要です。詳しくは後述します。

居所とは

居所とは、住所とは別に一定期間継続して生活をしている場所のことを言います。

たとえば、仕事の都合でしばらくのあいだ住所とは違う場所で寝起きする、というケースが考えられます。会社員で言えば、単身赴任先のイメージです。

居所を所轄する税務署に確定申告をする場合、開業時には「開業届」への記載が必要です。開業後に変更したい場合には「納税地の変更届」の提出が必要です。詳しくは後述します。

 

【問】好きな税務署に申告をすることはできないの?

前述したとおり、通常は、「住所」のある地域を所轄する税務署に確定申告をすることになります。

いっぽうで例外的に、「オフィス(事務所)の所在地」または「居所」を所轄する税務署に申告をすることも認められています。

例外を選ぶときには、「開業届」や「納税地の変更届」といった対応が必要になるので注意しましょう。

【補足】「納税地」とは

申告・納税の対象になる「住所」またはそれに代わる「オフィスの所在地」や「居所」のことを、税金用語で「納税地(のうぜいち)」と呼びます。

開業時には「開業届」に記載する

住所ではなく、オフィスまたは居所を所轄する税務署に確定申告をしよう、と開業時に決めた場合には。開業届への記載が必要です↓

image1

  1. オフィスの所在地で申告をしたい場合には「事業所等」にチェックを入れる。居所で申告をしたい場合には「居所地」にチェックを入れる。
    オフィスまたは居所の場所、オフィスまたは居所の電話番号の情報を記載する
  2. 住所とその電話番号を記載する

上記の開業届は、選択をしたオフィスの所在地または居所を所轄する税務署に提出します。

開業後の変更は「納税地の変更届」を提出する

開業時には住所を所轄する税務署に申告をしていたが、その後、オフィスの所在地を所轄する税務署に申告をしたい。というような場合には。

「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」という書類の提出によって、手続きをすることが必要です。

変更前(たとえば住所)と変更後(たとえばオフィス所在地)の情報を記載する様式になっています。

上記届出書に変更内容を記載のうえ、「変更前」の所轄税務署に提出をしましょう。変更前の、というところに注意です。変更後の所轄税務署ではありません。

また、注意点で言うと、届出書の名称は「変更に関する…」となっています。後述する「異動に関する…」という届出書と間違えないように気をつけましょう。

振替納税(銀行口座引落の納税)をしている場合には再手続き

開業後に、所轄税務署を変更する場合には、注意点があります。それは、「振替納税」の再手続きです。

確定申告による税金を、振替納税(銀行口座から引落で納税)していた場合には、振替納税の再手続きが必要になるのです。

具体的には、「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」という書類を、変更後の所轄税務署に提出します。

これを忘れると、振替納税ができずに税金が未納付扱いとなってしまうので要注意です。

なお、変更前と変更後の所轄税務署が変わらない場合には、再手続きの必要はありません。

【補足】従業員への給与支払がある場合には再手続き

従業員への給与支払いがある場合、「給与支払い事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出も必要になります(変更前の所轄税務署に)。

 

引っ越しをしたらどうするの?

住まいを引っ越した、オフィスを引っ越した、というような場合には。税務署への届け出が必要になります。

「納税地の異動届」を提出する

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」という書類の提出によって、手続きをすることが必要です。

引っ越し前と引っ越し後の情報を記載する様式になっています。

上記届出書に変更内容を記載のうえ、「引っ越し前」の所轄税務署に提出をしましょう。引っ越し前の、というところに注意です。引っ越し後の所轄税務署ではありません。

さきほども触れましたが、「変更に関する…」のほうの届出書と取り違えないようにご注意を。

振替納税(銀行口座引落の納税)をしている場合には再手続きに要注意

確定申告による税金を、振替納税(銀行口座から引落で納税)している場合には、振替納税の再手続きが必要です。

具体的には、「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」という書類を、引っ越し後の所轄税務署に提出します。

この書類の提出を忘れると、振替納税ができずに税金が未納付扱いとなってしまうので要注意です。

なお、引っ越し前と引っ越し後の所轄税務署が変わらない場合には、再手続きの必要はありません。

【補足】従業員への給与支払がある場合

従業員への給与支払いがある場合、「給与支払い事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出も必要になります(引っ越し前の所轄税務署に)。

 

まとめ

どこの税務署に確定申告をすればいいの?引っ越したらどうするの? について、お話をしてきました。

全国に税務署はたくさんありますが、自由勝手に好きな税務署に申告できるわけではありません。

いっぽうで、住所地に代えて、オフィス所在地や居所を選択できることを覚えておきましょう。その際の手続き漏れにも注意です。

 

 

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