『新しい・おすすめ』よりも『古い・おすすめじゃない』ことを話せる専門家ってどうですか?

古い・おすすめじゃないを話せる専門家

” 最先端の商品(サービス)はコレです。おすすめはコレです! ”

って、ウルサイなぁ…そうじゃない、それじゃないんだよ。って思うことありませんか? もしかしたらあなたも、お客さんからそう思わているかも。というお話です。

目次

「古い・おすすめじゃない」ことを求めている人たちがいる

本投稿日(2018年2月27日)現在、当ブログにおける次の記事がとくによく読まれています ↓

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3月15日の確定申告期限が間近ということもあり、いずれも確定申告に関連した記事です。

当ブログでは数多くの確定申告関連記事を投稿していますが、上記の2記事はその「読まれ具合(いわゆるページビュー)」が突出しているのです。

ちなみに。上記の記事には、次のような特徴があります ↓

  • 新しいモノではない
  • おすすめなモノではない

つまり。ひとつめの記事「税務署に書類を郵送する」というのはイマドキじゃなく、新しくない。イマドキはネットで送れます。わたし的には、本来そちらがおすすめ。

また、ふたつめの記事「簡易帳簿」についてもおすすめじゃありません。ほんとうにおすすめをしたいのは「簡易じゃない帳簿」。そのほうが節税メリットが大きいからです。

ということですから、上記2つの記事では「新しくもない(古い)こと」「おすすめでもないこと」を書いていることになります。

わたしは税理士という専門家の立場で記事を書いていますが。とかく専門家は「新しいこと」や「自分がおすすめする」ことばかりを書きがち・話しがちです。

もちろん、それはそれでよいのですが。「古いこと」や「おすすめではないこと」を書く・話すことでも、専門家は「一定の成果」を得られる。と、わたしは考えています。

ちなみに、ここで言う専門家とは「資格の有無」や「働き方」を問いません。個人事業の税理士でも、会社員でも、「専門分野」をもって仕事をしているのであれば共通です。

そう考えると、ほとんどの人が「なにかしらの専門家である」と言ってもよいでしょう。

では、「古いこと」や「おすすめではないこと」を書く・話すことでも、専門家が得られる「一定の成果とはなにか?」ということについてお話をしていきます。こちらです↓

  1. 「新しい・おすすめ」を求めていない人たちが一定数いることがわかる
  2. その人たちの支持を得ることができる
  3. 結果、「新しい・おすすめ」も提供することができる

それでは、順番に見ていきましょう。

 

《成果①》「新しい・おすすめ」を求めていない人たちが一定数いることがわかる

「古いこと」や「おすすめではないこと」を書くことで専門家が得られる成果のひとつめ。

それは、「新しい・おすすめ」を求めていない人たちが一定数いることがわかる、です。言い換えると、世の中がわかる、という成果。

冒頭でお話ししたとおり、わたしは「新しくもない・おすすめでもない」ことを、ブログ記事にして投稿しました。

その結果、現在では多くの人が、その記事を閲覧をしていることがわかっています(大人の事情で具体的数値を公開できないことをご了承願います)。

つまり。専門家にとっては「新しくもない・おすすめでもない」ことでも求めている人たちが一定数いることがわかりました。

世の中のすべての人が、「新しい」を探している・求めているわけではない。専門家が「おすすめ」することばかりを探している・求めているわけではない、ということですね。

これはあたりまえのことなのですけれど。いっぽうで、「あえて」記事にしてみなければ、「根拠」をもっては理解し得なかったことでもあります。

わからなければ、「新しい・おすすめ」に固執しかねないわけで。このあとお話をする、2つめ、3つめの成果には至らないということになります。

というわけで、2つめの成果に進みます。

 

《成果②》その人たちの支持を得ることができる

「古いこと」や「おすすめではないこと」を書くことで専門家が得られる成果のふたつめ。

それは、「新しい・おすすめ」を求めていない人たちからの支持を得られる、ということです。

これについて。わたしが自主開催しているセミナーや、経理コンサルティングの場ではじめて出会う人たちから、こんなことを言われることが少なくありません ↓

「モロトメさんなら、なにを聞いてもバカにされたり、怒られたりしないと思って申込みました」

ウラを返すと。税理士はなにか聞くと「バカにしたり、怒ったりする」というイメージをお持ちなわけです。

税理士のイメージっていったい・・・、ということではありますが。実際にその体験をした、あるいは、いま現在しているという話もお聞きします。

そのような背景の中で。わたしが、「古いこと・おすすめでないこと」であってもニュートラル(わりと中立的に)に記事にしていることが、読み手に安心を与えているとのこと。

たとえば。最先端を知らないことをバカにしない。自分(専門家)のおすすめを理解しなくても怒ったりしない、押し付けない。という雰囲気を記事から感じる。

つまり、「上から目線」や「傲慢さ」といった専門家のイメージを、「古いこと・おすすめでないこと」の記事が払拭をしてくれているわけです。

よく自己紹介やプロフィールに「親身な税理士」「誠実な税理士」という表現を見かけます(わたしも似たようなことを書いているのですけど・・・)。

でもこれって、相手からするとなんとも言いがたいものがありますよね。なにをもって親身で、なにをもって誠実なのか?と。

この点、親身だとか誠実だとかいう言葉を使うよりも、「古いこと・おすすめでないこと」も記事にしていることのほうがずっと効果が高いのではないかと推測をしています。

ちょっと余談になってしまいましたが。いちどここまでをまとめると。

「古いこと」や「おすすめではないこと」を書くことで、「新しい・おすすめ」を求めていない人たちがいることを知り。続いて、その人たちからの支持を得る、という成果がここまでのお話です。

 

《成果③》結果、「新しい・おすすめ」も提供することができる

「古いこと」や「おすすめではないこと」を書くことで専門家が得られる成果の3つめ。

それは、結果として「新しい・おすすめ」も提供できる、ということです。

《成果②》のところで、「新しい・おすすめ」を求めていない人たちからの支持について触れました。

これについて、専門家的には「じゃあ、古いこと・おすすめしないことを提供しなければいけないのか?」という疑問(あるいは不満)があることでしょう。

そんなことはありません。セミナーの参加者やコンサルティング希望者のほとんどが、「結果として」は、「新しい・おすすめ」の方向を目指していきます。

その理由は。自分が気になっていた「古い・おすすめではない」ことを理解・納得することができて、「新しい・おすすめ」にも耳を開くことができるようになるからです。

人間(と、一括りにしてしまいますが)、いきなり思っていなかったものを押し付けられるのはイヤですよね。

Aというものが気になっていたのに、「そんなのはいいからBだ!」とだけ言われてしまったらイヤな思いをするものです。

ですから、専門家から見て「古い・おすすめではない」ことでも、相手が気にしているのであれば、まずはその思いに応えることが入口になる。わたしはそう考えています。

「古い・おすすめではない」ことを書く・話すことでも、「新しい・おすすめ」を求める人たちの裾野を広げる、という成果が得られるのです。

 

まとめ

「新しい・おすすめ」ばかりでなく「古い・おすすめじゃない」を書く・話す専門家だっていい、ということについてお話をしてきました。

わたし自身、気がつけば「新しい・おすすめ」を推しがちにはなるのですが(そういう記事もありますね…)。

当然ながら、世の中にはいろいろな人が居て、いろいろな環境があります。万人に共通の答えはありません。人それぞれ、いろいろです。

だからまずは、その「いろいろ」を理解するために、「古い・おすすめじゃない」も書ける・話せると、自分の視野も広がるのかなぁという思いです。

イマドキじゃないなぁ、おすすめではないなぁ、ということでも書ける・話せる。それも、専門家としてのひとつの価値です。

 

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  きょうの執筆後記
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