源泉徴収された・振込手数料が差し引かれた『売掛帳』の書き方・記載例

源泉徴収・振込手数料を差し引かれた売掛帳

”源泉徴収されて入金された、振込手数料が差し引かれて入金された。売掛帳はどう書くの?”

ということで、そんな場合の「売掛帳」の書き方・記載例についてお話をします。

源泉徴収された・振込手数料が差し引かれた「売掛帳」の書き方・記載例

フリーランス・個人事業者の経理(帳簿づけ)に登場する「売掛帳(うりかけちょう)」。

掛け(いわゆる、ツケ)による売上について、「売上金額の把握」や「代金回収の管理」をするためのだいじな帳簿です。

その売掛帳に関して、よくある質問がこちら ↓

  • 源泉徴収されて入金されたときの書き方は?
  • 振込手数料が差し引かれて入金されたときの書き方は?

ということで、上記のケースにおける売掛帳の書き方・記載例を見ていくことにしましょう。

 

青色申告特別控除 10万円の場合の売掛帳

青色申告は、青色申告特別控除 10万円を受けるか・65万円を受けるか、によって「帳簿のつけ方」が異なります。

そこでまずは、10万円控除の場合から見ていきます。

とはいえ、65万円控除の場合でも「考え方」は同じです。「わたしは65万円控除」という人も、いっしょに確認をお願いします。

源泉徴収されたときの売掛帳

次の「事例」について、源泉徴収されて入金されたときの売掛帳の書き方・記載例を見ていきましょう。

事例

得意先である ◯◯社との取引は以下のとおり。

  • 3月31日 売上 108,000円(消費税込)←納品が完了・請求書を発行
  • 4月20日 入金 97,790円 ←源泉徴収 10,210円

上記の事例に対する、◯◯社の売掛帳は次のとおりです ↓

売掛帳(◯◯社)
日付 摘要 売上金額 受入金額 残高
3月31日 掛売上 108,000   108,000
4月20日 預金入金   97,790  
源泉所得税   10,210 0

上記のとおり、源泉徴収された金額を「源泉所得税」として記録します。この記録がないと、源泉徴収された金額(10,210円)だけ、残高に残ってしまいます。

源泉徴収についても売掛帳に記録をすることで、残高がきれいになくなりゼロになる。ということです。

源泉徴収のことをもっと知りたいときの参考記事

売掛金と源泉徴収の仕訳・決算【フリーランスの確定申告・経理】

2018.02.06

振込手数料が差し引かれたときの売掛帳

次の「事例」について、振込手数料が差し引かれて入金されたときの売掛帳の書き方・記載例を見ていきましょう。

事例

得意先である ◯◯社との取引は以下のとおり。

  • 3月31日 売上 108,000円(消費税込)←納品が完了・請求書を発行
  • 4月20日 入金 107,352円 ←差し引かれた振込手数料 648円

上記の事例に対する、◯◯社の売掛帳は次のとおりです ↓

売掛帳(◯◯社)
日付 摘要 売上金額 受入金額 残高
3月31日 掛売上 108,000   108,000
4月20日 預金入金   107,352  
振込手数料   648 0

上記のとおり、差し引かれた振込手数料の金額を「振込手数料」として記録します。この記録がないと、差し引かれた金額(648円)だけ、残高に残ってしまいます。

振込手数料についても売掛帳に記録をすることで、残高がきれいになくなりゼロになる。ということです。

源泉徴収された・振込手数料を差し引かれたときの売掛帳

源泉徴収もされたし、振込手数料も差し引かれた。というときの売掛帳も見ておきましょう。これまでの2つのケースの合わせ技です。

事例

得意先である ◯◯社との取引は以下のとおり。

  • 3月31日 売上 108,000円(消費税込)←納品が完了・請求書を発行
  • 4月20日 入金 97,142円 ←源泉徴収 10,210円、差し引かれた振込手数料 648円

上記の事例に対する、◯◯社の売掛帳は次のとおりです ↓

売掛帳(◯◯社)
日付 摘要 売上金額 受入金額 残高
3月31日 掛売上 108,000   108,000
4月20日 預金入金   97,142  
源泉所得税   10,210  
振込手数料   648 0

源泉徴収されたケースと、振込手数料を差し引かれたケースを合わせただけ。とくに難しいことはありませんよね。

 

青色申告特別控除 65万円の場合の売掛帳

続いて、青色申告特別控除 65万円の場合の売掛帳について見ていきます。

この場合、会計ソフトを使って帳簿をつけているはずです。

会計ソフトでは、売掛帳を直接つくらずとも、「仕訳(≒取引を記録)」することで、売掛帳が自動的・同時につくられます。

したがって、仕訳と売掛帳とを対比するカタチで確認をしています。

【参考】会計ソフトにおける「売掛帳」の名称

会計ソフトによっては「売掛帳」の名称がない・使われていない場合があります。代わりとして「補助元帳」など別の名称で、売掛帳と同機能の帳簿が用意されています。

源泉徴収されたときの仕訳と売掛帳

次の「事例」について、源泉徴収されて入金されたときの仕訳と売掛帳の書き方・記載例を見ていきましょう。

事例

得意先である ◯◯社との取引は以下のとおり。

  • 3月31日 売上 108,000円(消費税込)←納品が完了・請求書を発行
  • 4月20日 入金 97,790円 ←源泉徴収 10,210円

上記の事例に対する、仕訳は次のとおりです ↓

日付 勘定科目(借方) 金額 勘定科目(貸方) 金額 摘要
3月31日 売掛金 108,000 売上高 108,000 ◯◯社 掛売上
4月20日 普通預金
事業主貸
97,790
10,210
売掛金 108,000 ◯◯社 売上入金
同上 源泉所得税

ちなみに、会計ソフトでは、仕訳をする際に「補助科目」や「タグ」などを使うことで、勘定科目の内訳を管理(得意先ごとの売掛帳を作成)することができます。 

◯◯社の売掛帳は次のとおりです ↓

売掛帳(◯◯社)
日付 相手勘定科目 摘要 売上金額 受入金額 残高
3月31日 売上高 掛売上 108,000   108,000
4月20日 普通預金 預金入金   97,790  
事業主貸 源泉所得税   10,210 0

振込手数料が差し引かれたときの仕訳と売掛帳

次の「事例」について、振込手数料が差し引かれて入金されたときの仕訳と売掛帳の書き方・記載例を見ていきましょう。

事例

得意先である ◯◯社との取引は以下のとおり。

  • 3月31日 売上 108,000円(消費税込)←納品が完了・請求書を発行
  • 4月20日 入金 107,352円 ←差し引かれた振込手数料 648円

上記の事例に対する、仕訳は次のとおりです ↓

日付 勘定科目(借方) 金額 勘定科目(貸方) 金額 摘要
3月31日 売掛金 108,000 売上高 108,000 ◯◯社 掛売上
4月20日 普通預金
支払手数料
107,352
648
売掛金 108,000 ◯◯社 売上入金
同上 振込手数料

 ◯◯社の売掛帳は次のとおりです ↓

売掛帳(◯◯社)
日付 相手勘定科目 摘要 売上金額 受入金額 残高
3月31日 売上高 掛売上 108,000   108,000
4月20日 普通預金 預金入金   107,352  
支払手数料 振込手数料   648 0

源泉徴収された・振込手数料を差し引かれたときの仕訳と売掛帳

源泉徴収もされたし、振込手数料も差し引かれた。というときの仕訳と売掛帳も見ておきましょう。これまでの2つのケースの合わせ技です。

事例

得意先である ◯◯社との取引は以下のとおり。

  • 3月31日 売上 108,000円(消費税込)←納品が完了・請求書を発行
  • 4月20日 入金 97,142円 ←源泉徴収 10,210円、差し引かれた振込手数料 648円

上記の事例に対する、仕訳は次のとおりです ↓

日付 勘定科目(借方) 金額 勘定科目(貸方) 金額 摘要
3月31日 売掛金 108,000 売上高 108,000 ◯◯社 掛売上
4月20日 普通預金
事業主貸
支払手数料
97,142
10,210
648
売掛金 108,000 ◯◯社 売上入金
同上 源泉所得税
同上 振込手数料

 ◯◯社の売掛帳は次のとおりです ↓

売掛帳(◯◯社)
日付 相手勘定科目 摘要 売上金額 受入金額 残高
3月31日 売上高 掛売上 108,000   108,000
4月20日 普通預金 預金入金   97,142  
事業主貸 源泉所得税   10,210  
支払手数料 振込手数料   648 0

 

【補足】売上計上時に源泉徴収の仕訳をするのもアリ

本文中では、入金時に源泉徴収の仕訳をしていますが、「便宜的」に、売上計上時に源泉徴収の仕訳をするのもアリです。「便宜的」の詳細はこちらの記事を ↓

売掛金と源泉徴収の仕訳・決算【フリーランスの確定申告・経理】

2018.02.06

なお、売上計上時に源泉徴収の仕訳をした場合の売掛帳は次のとおりです ↓

売掛帳(◯◯社)
日付 相手勘定科目 摘要 売上金額 受入金額 残高
3月31日 売上高 掛売上 97,790   97,790
4月20日 普通預金 預金入金   97,790

上記のとおり、そもそも売掛帳には源泉所得税の金額が記載されないこととなります。

 

まとめ

源泉徴収された・振込手数料が差し引かれた「売掛帳」の書き方・記載例についてお話をしてきました。

フリーランス・個人事業者の帳簿づけに欠かせない売掛帳。源泉徴収や振込手数料についても、誤りなく作成をできるようにしておきましょう。

 

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