『銀行融資の申込はあいだを空けなければいけない』からやるべき3つのこと

銀行融資を申し込む間隔

いちど融資の申し込みをしたら、すぐに「次」の融資を申し込むことはできません。要注意。

というわけで、「銀行融資の申込はあいだを空けなければいけない」からやるべき3つのことについてお話をしていきます。

目次

「次の融資」まで6ヶ月は空けてほしい

会社・事業における銀行融資について。次のような質問をいただくことがあります ↓

「ある銀行にいちど融資の申し込みをした場合、おなじ銀行に次の融資を申し込むのにどれくらいあいだを空ける必要がありますか?」

答えは、6ヶ月以上。少なくとも3ヶ月以上です。

ただし、ルールとして明確に決まっているわけではありません。あくまで、経験的・慣習的・目安的なところでの回答になります。

ある銀行に融資の申し込みをしたとして、その結果が「融資OK」であるのなら。そこから6ヶ月ていどのあいだは「貸したばかりなのだから、そんなにすぐは貸せませんよ」というのが銀行の思いです。

いっぽうで「融資NG」であるのなら、そこから6ヶ月ていどのあいだは「NGの理由も解消されないだろうから、申し込みを受け付けませんよ」ということになります。

融資がOKであるにせよ、NGであるにせよ。いちど融資の申し込みをしたら6ヶ月ていど(少なくとも3ヶ月ていど)は空いていないと、次の融資を申し込むのは難しい。

要は、いちど融資の申し込みをしたら、すぐに「次」を申し込むことはできないのです。これは要注意。

そこで、「銀行融資の申込はあいだを空けなければいけない」からこそやるべきことについてお話をしていきます。次の3つです ↓

「銀行融資の申込はあいだを空けなければいけない」からこそやるべきこと
  1. 「税引後利益+減価償却費 > 既存の返済額」を確認する
  2. 借りられるだけ借りる
  3. 複数の銀行とお付き合いしておく

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

「銀行融資の申込はあいだを空けなければいけない」からやるべき3つのこと

「税引後利益+減価償却費 > 既存の返済額」を確認する

融資の申し込みをするときに、まず確認をすべきことがあります。ずばり、こちらです ↓

融資の申し込み時に確認すべきこと

「税引後利益+減価償却費 > 既存の返済額」になっているかどうか?

いま現在、すでに受けている融資の返済ができるだけのチカラがあるかどうか。それが上記「不等式」の確認になります。

借りたおカネの返済原資は税引後利益です。税金を払ったあとの残りの利益(おカネ)があってはじめて返済ができる、と考えます。

減価償却費は、おカネの支払いは済んでいる費用なので、税引後利益に足し戻す。結果として、「不等式」の左辺は、「返済するチカラ」を表します。

これに対して右辺の「既存の返済額」とは、いま現在受けている融資の返済額です。

その左辺と右辺について。返済をするチカラの左辺が、既存の返済額である右辺を上回っているのなら問題ありません。

ところが逆に、返済をするチカラよりも既存の返済額のほうが多ければ。それは、おカネが目減りしている(あるいは目減りし続けている)ことをあらわします。

その状況であらたに融資を受けられたとしても、「目減りするおカネの補てん」にまわるだけです。返済するチカラを改善しない限り、いずれまたおカネが足りなくなります。

そのときに「前回融資から6ヶ月経っていない」とすれば、融資も受けられず、資金繰りに窮することになってしまいます。最悪は、会社が潰れてしまいます。

ゆえに、融資の申し込みをするときには、「税引後利益+減価償却費 > 既存の返済額」を確認しなければいけません。

逆に「税引後利益+減価償却費 < 既存の返済額」なのであれば、左辺(返済するチカラ)の改善をはかる。

どうがんばっても改善が厳しいのであれば、とるべき銀行対応は「融資の申し込み」ではなく、「リスケジュール(返済をゼロにするなどの条件変更)」です。

リスケジュールの判断を誤る・判断が遅すぎることで潰れてしまう会社もあります。気をつけましょう。

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借りられるだけ借りる

「税引後利益+減価償却費 > 既存の返済額」であり、いざ融資を受けるというのなら。借りられるだけの金額を借りましょう。

冒頭でお話をしたとおり、いちど融資を受けたら6ヶ月くらいのあいだは、その銀行から融資を受けることは難しいからです。

たとえば 500万円の設備投資をするにあたり、「できるだけ自己資金で、できるだけ借金は少なく」と考えて、200万円だけ融資を受けたとします。

ところがしばらくしてから、「おカネが足りなくなってしまったからやっぱりもっと貸して」というわけにはいきません。

そもそも 500万円の設備投資については、設備資金として500万円の融資申し込みをすることができるのですから。借りられるだけ(500万円)を借りておくべきだったのです。

また、仕入や経費支払いに充てる運転資金の融資も同じことです。所要運転資金増加運転資金から見て、借りられるはずの金額よりも少なく借りる。

ところがしばらくしてから、「おカネが足りなくなってしまったからやっぱりもっと貸して」というわけにはいきません。

いちど融資の申し込みをしたら、すぐに「次」を申し込むことはできないのです。

この点で、余計なおカネを借りるのはよくない、との考え方があります。そのとおりです。

ただし。それは、ほんとうに「余計なおカネ」である場合に限ります。ところが実際には、余計なおカネを持っている会社はほとんどありません。

あとになってから「やっぱり貸して」や「やっぱり借りておけばよかった」と言う会社が多いことが、それを証明しています。

自己資金であれ、借りたおカネであれ。まずは「月商の3ヶ月分」を目安に、おカネを持つようにしましょう。

余計なおカネを考えるのはそのあとのこと。それまでは借りられるだけ借りることです。

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複数の銀行とお付き合いしておく

いちど融資の申し込みをしたばかりでも、別の銀行であればチャンスはあります。

たとえば、A銀行に融資の申し込みをしたが断られてしまった… という場合でも、B銀行であれば申し込みをすることができます。

A銀行とB銀行とでは、融資の可否判断や、融資に対する姿勢がまったく同じではないからです。

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これがもし、A銀行としかお付き合いがなければ、6ヶ月くらいは「次」の融資を申し込むことは難しい。ゆえに、複数の銀行とお付き合いをしておくことにメリットがあると言えます。

この点で、民間の銀行だけでなく、公的な銀行である「日本政策金融公庫」ともお付き合いをしておくのがよいでしょう。

日本政策金融公庫は、民間の銀行融資を補完する役割を担っていることもあり、業績悪化時など民間銀行では融資が厳しいケースでも対応してもらえる可能性があります。

やたらとたくさんの銀行とお付き合いをする必要はありませんが、少なくとも「ひとつの銀行としかお付き合いをしていない」というのはやめましょう。

いざというときの選択肢が限られてしまいます。

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まとめ

「銀行融資の申込はあいだを空けなければいけない」からこそやるべきことについてお話をしてきました。

いちど融資の申し込みをしたら、すぐに「次」を申し込むことはできません。まずはそれを理解したうえで、やるべきことを押さえておきましょう。

「銀行融資の申込はあいだを空けなければいけない」からこそやるべきこと
  1. 「税引後利益+減価償却費 > 既存の返済額」を確認する
  2. 借りられるだけ借りる
  3. 複数の銀行とお付き合いしておく
銀行融資を申し込む間隔

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