おカネを受け取るまでが仕事!フリーランスの売掛金回収のポイント

フリーランスの売掛金回収のポイント

” あれ? あのお客さんからの入金がないぞっ! ”

と、困った経験はありませんか? ツケでの売上代金(=売掛金)をきちんと回収するために、フリーランスが押さえておくべきポイントについてお話します。

目次

おカネを受け取るまでが仕事!売掛金回収のポイント

フリーランスがやらなければいけないことのひとつに、「売掛金回収」があります。

「売掛金(うりかけきん)」とは、ツケによる売上代金のこと。お客さまに請求書を渡して、入金を待つ。このときの売上代金は、ツケであり、売掛金です。

入金を待つ以上、入金があるまでは「仕事が終わった」とは言えないわけで。

おカネをもらってナンボです。

したがって「売掛金回収」をなおざりにはできません。

じゃあ、誰がやる? フリーランスは「じぶん」がやるしかありません。

会社であれば、「回収担当」に任せることができたかもしれませんが。フリーランスは、売り上げることも回収することも、すべて「じぶん」がやるしかないのです。

というわけで、フリーランスが押さえておくべき売掛金回収のポイントについてお話しします。次の5つです ↓

  1. 請求書は「すぐ」に渡す
  2. 請求書に「期限」を明示する
  3. 期限に「1日」でも遅れたらすぐ督促する
  4. あとからの「値引」には応じない
  5. それでもありうる「回収不能」に保険をかける

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

 

フリーランスが押さえるべき売掛金回収 5つのポイント

売掛金の回収について、「入金がないっ!」ということにならないよう、フリーランスが押さえておくべきポイントについてお話をしていきます。

《ポイント①》請求書は「すぐ」に渡す

お客さまに「商品を納品した」あるいは「サービスを提供した」のであれば、すぐに請求書を渡しましょう。理由は2つです ↓

  • 請求が遅れた分だけ、入金も遅くなるから(請求しなければ入金されることはない)
  • お客さまから「請求がユルい人」だと見られてしまうから

あたりまえですが、請求書を渡さない限り、お客さまから支払いをしてくれることはありません(いわゆる「現金商売」を除く)。

にもかかわらず、「請求は後回し」にしているフリーランスをお見かけします。請求が遅れれば、入金も遅くなるのですからやめましょう。

また、請求が遅いと、お客さまから「ユルい人」認定をされてしまいます。「じゃあ、こちらもユルくてだいじょうぶだろう」とナメられる(入金が後回し、など)ことになりかねません。

フリーランスはただでさえ立場が弱いところがあるのですから、ムダにじぶんから隙をつくるようなことはやめましょう。

あたりまえのことをあたりまえにやる(仕事をしたらすぐ請求)、そこからです。

《ポイント②》請求書に「期限」を明示

「支払期限」を記載していない請求書を発行しているフリーランスがいます。

聞けば、「期限などなくても払ってくれるはず」とか、「なんとなく期限はなくてもいいかなぁ」とか。なんという人のよさ!、と言うべきか…

やめましょう。請求書には「支払期限」を明示するのが、フツーの商慣習です。躊躇することなどまったくありません。支払期限は明示する、の一択です。

支払期限なき請求については、支払いは後回し。資金繰りが悪いお客さまほど、そのように考えます。後回しの余地を残さぬよう、支払期限は明示しましょう。

また、支払期限はできる限り「早く」することです。なぜなら、回収までの時間が長引くほど、そのあいだにはなにが起きるかわからず、回収不能の可能性は高まるからです。

お客さまとのチカラ関係はあるかもしれませんが、世間一般と同程度の支払期限で請求をするようにしましょう(業種にもよりますが、基本は、毎月末締め・翌月末支払期限)。

ここで恐る恐るお客さまの顔色をうかがっているようでは、やはりナメられてしまうことにもなりかねません。

【参考】手付金をもらうのだってアリ

売上代金を早く回収できるほど、資金繰りはラクになります。この点で、お客さまから「手付金」をいただくのもひとつの方法です。

回収が早くなる、回収不能も少なくなるで一石二鳥です。「手付金だなんて思いもしなかった」というフリーランスは多いのですが、お客さまと交渉可能かをいちどは検討してみましょう。

《ポイント③》期限に「1日」でも遅れたらすぐ督促

明示した支払期限に対して、入金が1日でも遅れたら。お客さまにはすぐに督促をするようにしましょう。

そうはせずに、「まぁ、お客さまも忙しいのだろう」などと放置しているようでは、お人好しに過ぎるというものです。

督促が甘ければ甘いほど、相手の支払いはルーズになります。支払いが遅れてもなにも言われない、支払いが遅れてもだいじょうぶだ、と思われてしまうからです。

支払いが遅れるほど、回収不能の可能性も高まるのですから。期限に遅れることは許さない、という姿勢を示しましょう。

具体的には、期限に入金がなければ、遅くても翌日中には一報を入れることです。

とはいえ、この時点で「払えコノヤロー!」みたいなノリはよろしくないので。まずは、「期限に入金がないようなので確認でご連絡しました」というカンジで。

これだけでも全然ちがいます。言われた方からすると、うるさい相手だから遅れないようにしなきゃ、という意識が働くものです。

【参考】期限管理が大前提

「1日でも遅れたらすぐ督促」するためには、期限の管理ができていることが大前提になります。「あの売上の支払期限はいつだっけ?」などと言っているようではいけません。

手書き、Excel、請求書作成・管理ソフト(サービス)など、方法は問いませんが。売上代金の期限を一覧できる仕組みを持ちましょう。

《ポイント④》あとからの「値引」には応じない

売掛金の回収について、「値引き」という問題があります。どういうことかと言うと、請求をしたにもかかわらず、あとから「値引き」を要求されて回収金額が想定よりも少なくなる。

見積もりのときにまず値切り、請求のときにまた値切り、支払いのときにまたまた値切る。「名古屋の三たたき」なる言葉(商売にきびしい名古屋商人を指して)もあります。

さすがに「三たたき」まではないにせよ、一般に立場が弱いフリーランスは油断をしているとたたかれます。値引きを飲まされます。

じゃあ、どうするか? 契約書や発注書などにより、値引きを要求されにくい環境をつくりましょう。

そもそも口約束だけで仕事を請け負っていませんか? それでは、値引きを要求されてもしかたがありません。ですから口約束ではなく、メンドーがらずに書類にすることです。

お客さまから契約書・発注書の話が出なくても、こちらから提示をしましょう。お客さまに「むむむ… フリーランスなのに油断のできぬヤツ」と思わせる効果が期待できます。

ヒトは書類にしてあることには、口を出しにくくなるものです。それでも、値引きをお願いされるのであれば、「契約書(発注書)で決めましたよね」で片づけてしまいましょう。

《ポイント⑤》それでもありうる「回収不能」に保険をかける

ここまで4つのポイントを見てきました。それでも「回収不能」はありえます。お客さまが支払いを遅延する、倒産してしまう… ということはありえます。

そもそも、そのお客さまとは取引をして大丈夫なのか? というチェック(いわゆる「与信」)が必要なのですが。フリーランスにできることは限られているでしょう。

業界内での評判を周囲に聞いてみる、ネットでのウワサ・口コミなどを調べる。もうちょっとがんばって、帝国データバンクや商工リサーチの情報をとる、くらいでしょうか。

それでも、お客さまの「ほんとうのところ」はわからないことだらけですから、まさかの回収不能はあるわけです。

これについては、まさかに備えて保険をかけておく、という方法があります。

具体的な方法のひとつが、「経営セーフティー共済」。お客さまが倒産した場合、それまで積み立てておいた金額の10倍(回収不能になってしまった金額の範囲内)まで融資が受けられる制度です。

この制度を活用するために、平時から積み立てをしておくというのもよいでしょう(積み立てた金額は経費になります)。経営セーフティー共済について、詳しくはこちらの記事をどうぞ ↓

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また、倒産までいたらずとも、入金遅延や未払い時の「回収保証サービス」というものもあります。

これは、請求金額に応じてあらかじめ保証料を支払っておくことで、入金が遅延・未払いの場合には損害補填金が支払われるサービスです。

使いどころは要検討ですが、はじめての取引先や請求金額が大きい場合などには、利用を検討するのもアリでしょう。詳しいサービス内容はこちらから ↓

Misoca 回収保証 (クリックすると外部のページに飛びます)

 

まとめ

フリーランスの売掛金回収のポイントについてお話をしてきました。

言うまでもないことですが、「おカネを受け取るまでが仕事」です。売掛金回収もフリーランスの仕事として、しっかり取り組みましょう。

  1. 請求書は「すぐ」に渡す
  2. 請求書に「期限」を明示する
  3. 期限に「1日」でも遅れたらすぐ督促する
  4. あとからの「値引」には応じない
  5. それでもありうる「回収不能」に保険をかける

 

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  きょうの執筆後記
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