金利3%は高い?利息を嫌って会社をダメにする3つの考え方【銀行融資】

「金利が高い」の考え方

” 金利3%? 高っ! そんなんで借りないし ”

あなたの会社・事業にとって、金利 3%はほんとうに高いんですか? というわけで、利息を嫌って会社をダメにする3つの考え方についてお話をしていきます。

目次

金利3%は「ほんとうに」高いのか?

中小企業がよく利用する「保証協会付き融資」について。信用保証協会への保証料も含めれば金利は3%近くになる。高いっ!

というようなハナシがあります。だから借りない、というハナシです。ほんとうに利息は高いのでしょうか? ほんとうに借りないほうがいいのでしょうか?

銀行への利息を必要以上に嫌った結果、手元のおカネが不足して会社をダメにしてしまう。ということがあります。

そこで、利息を嫌って会社をダメにしてしまう考え方についてをお話していきます。次の3つです ↓

利息を嫌って会社をダメにする3つの考え方
  1. 具体的金額を計算していない
  2. じぶんの人件費と比較をしていない
  3. 銀行と金利交渉ができると勘違いしている

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

利息を嫌って会社をダメにする3つの考え方

銀行への利息を必要以上に嫌っている、と言える社長・個人事業者に共通する3つの考え方について。

じぶんは当てはまるものがないか、確認をしてみましょう。

《考え方①》具体的金額を計算していない

銀行融資と金利について、このような会話になることがあります ↓

  • わたし 「銀行融資を受けるなら、いまは借りどき(※)ですよ」
  • 社 長 「だって、金利高いよ。なんだかんだと3%くらいになりそうだし」
  • わたし 「なるほど。で、ひと月で何円の利息になるか計算してみましたか?」
  • 社 長 「えっ?いや、してないけど…」

※ 銀行融資には「借りどき」があります ↓
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たしかに、「3%」という金利自体は低いものではありません。低金利の世の中でもありますから、「3%が高い」という感覚はよくわかります。

けれども、金利を「具体的な利息の金額」に置き換えてみたらどうでしょう? というのが上記の会話です。

実際にちょっとやってみましょうか ↓

【問】融資金額 500万円、金利 3%の融資を受けた場合のひと月の利息は?

【答】500万円 × 3% ÷ 12ヶ月 = 12,500円

上記のとおり、造作もない計算です。ひと月の利息は 12,500円。

会社・事業の規模にはよりますが、手元のおカネが500万円増えれば、資金繰りは相当変わる(ラクになる)と言えるでしょう。

これに対して、ひと月の利息は 12,500円。さらに言うと、1日あたり 400円ちょっとです。

と、ここまでお話をすると。「あ、意外と高くはないのかも…」という反応に変わることがしばしばあります。

もちろん、12,500円の利益を増やすには、〇〇円も売上をあげなければいけないじゃないかっ! というご意見もありますが。

それよりもまず。月に 10,000円くらいであれば、経費を見直す・削減することもできるでしょう。というケースも少なくありません。

ほかにも高い経費はあるはずなのに、金利ばかりを目の敵にしないことです。利息を負担して得られる効果のほうにも目を向けてみましょう。

そのあたりのことが、次にお話をする考え方になります。

 

《考え方②》じぶんの人件費と比較をしていない

利息の金額自体は決して高くない、というお話をしました。とはいえ、利息としておカネを支払わなければいけないのは間違いありません。

そこで利息について、そこにおカネを支払うだけの価値があるのか? ということを考えてみましょう。こんな会話があります ↓

  • 社 長 「毎月の支払い日前は資金繰りでタイヘンだよ。ま、なんとかやりくりしてるんだけどね」
  • わたし 「融資を受けて、手元のおカネを増やしたほうが良くないですか?」
  • 社 長 「でも、銀行に利息を払わなきゃいけないしねぇ…」
  • わたし 「社長が資金繰りで動かれる人件費のほうが、利息よりもずっと高いと思いますけど」

できることなら利息を払いたくない、という気持ちはわかります。しかし、いっぽうで社長が資金繰りに奔走しているというのであれば本末転倒でしょう。

そもそも、社長・個人事業者がすべき仕事はほかにあるわけで。場当たり的に「なんとかやりくり」するような後ろ向きな資金繰り(※)は、しないほうがよい仕事です。

(※ 後ろ向きな資金繰りに対して、計画的に銀行融資を活用するような行為は、前向きな資金繰りです)

したがって、「しないほうがよい仕事をしなくてもすむための利息」と考えれば。利息におカネを支払う価値はじゅうぶんある、と言えるでしょう。

また、資金繰りの苦労は、社長・個人事業者にとって大きなストレスにもなります。おカネが尽きれば、会社・事業は潰れてしまうからです。

たとえ、銀行からの融資によるおカネであったとしても、そのおカネが手元にあることで、ツラい資金繰り(日繰り)から開放されるのは大きなメリットです。

ストレスに思い悩む時間を減らすためにも、積極的に融資を受けて、手元のおカネを増やすことをおすすめします。

【補足】減ったおカネは借りなおす

手元の資金を増やすために借りたおカネは、毎月の返済が進めば減っていきます。すると、ふたたび資金繰りは厳しくなります。

そうなる前に「借りなおす」ことが大切です。借りたおカネは返してばかりではいけません。自己資金だけでも資金繰りがラクだ、言えるまでは借りることです。

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《考え方③》銀行と金利交渉ができると勘違いしている

もっと金利が安ければ借りてもいい、と言う社長・個人事業者がいます。

じぶんの会社・事業が、銀行と金利交渉をできるだけの状況であれば、そのような姿勢もよいでしょう。

ところが、金利交渉をできるような状況にないのにもかかわらず… ということがあります。きちんと利益が出ていない(あるいは出さないようにしている)ような会社・個人事業者です。

では、貸し手の銀行と、借り手の会社・個人事業者と、どちらの立場が強いのか? 言うまでもなく、強いのは貸し手の側の銀行です。

アブナイ相手には貸さなければいいし、文句があるなら貸さない、と言えるのが銀行です。

そう考えると。社長・個人事業者は「金利が高い」と言っているばかりでは、おカネを借りることができません。

必要なおカネを借りなければ、資金繰りに苦労して、社長・個人事業者がしなくてもよい仕事をしなければいけなくなる。というのは、さきほどお話をしたとおりです。

金利の主導権は銀行にある以上、金利が高いのはあたりまえ、金利交渉ができないのはあたりまえなのです。

それでも金利をどうにかしたい、というのであれば。銀行の考え方を理解して、直接的に交渉するよりも、「銀行が金利を下げざるをえない」という状況を狙いましょう ↓

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まとめ

利息を嫌って会社をダメにする3つの考え方についてお話をしてきました。

「利息が高い!」というハナシがありますが、それが「ほんとうに」高いのかは確認が必要です。

その確認の際の目安として、3つの考え方に着目してみましょう。

利息を嫌って会社をダメにする3つの考え方
  1. 具体的金額を計算していない
  2. じぶんの人件費と比較をしていない
  3. 銀行と金利交渉ができると勘違いしている

 

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  きょうの執筆後記
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