” 税務署はヒトのあら探しばかりして! ”
気持ちはわかりますが、それ言わないほうがいいですよ。というわけで、社長・個人事業者が「税務調査で言ってはいけない言葉」についてお話をします。
不慣れな税務調査で、うっかり口を滑らせることがないように
税務調査だ、となれば。社長・個人事業者にとっては、「一大事」ということも少なくないでしょう。
たまにやってくる税務署・調査官への対応は不慣れなものでもありますから、それもやむなしです。
それはそれとして。不慣れだからといって、税務調査の現場で、うっかり口を滑らせることがないように気をつけなければいけません。
税務調査では言ってはいけない言葉・ことがあるのです。それがこちら ↓
- はい(なんでもかんでも)
- ウソ、テキトー
- 税務署・調査官の悪口
- 前の調査ではなにも言われなかった
- ぜんぶ税理士に聞いてくれ
税務調査の前にはしっかりと確認をしておきましょう。
それでは、このあと順番に見ていきます。
社長・個人事業者が「税務調査で言ってはいけない言葉」
税務調査で言ってしまわないように気をつけるべき、5つの言葉・ことについてお話をしていきます。
はい(なんでもかんでも)
税務調査官を前にすると、なんでも従わなければいけないような気になってしまう。ということもあるでしょう。
ふだん接することがない税務署・調査官には、「怖い」イメージがありますものね。
とはいえ。調査官に言われたことについて、なんでもかんでも「はい」と答えることには気をつけなければいけません。
なぜならば、税務著・調査官と言えども、間違ったことや理不尽なことを口にすることはあるからです。
たとえば、「(会社の)パソコンを貸してください」とか。これは、会計ソフトや取引先とのメールなどを直接チェックするために、パソコンをいじらせて。ということです。
が、そこまでする必要はありません。パソコンの中に、税務調査に必要な情報があるのであれば、それを紙に印刷して見てもらえばじゅうぶんです。
また、調査官がパソコンを触れば、誤操作でだいじなデータを消してしまう「可能性」があります。調査とは関係がない機密情報まで目に触れてしまう「可能性」があります。
カンタンに、パソコンを貸したりしないように気をつけましょう。
もうひとつ例を挙げると、「コピーをお願いします」とか。「必要以上」の内容についてのコピーであれば断ることも選択肢のひとつです。
たとえば、間違えてしまった処理の証拠として、そのもとになる領収書などをコピーする。これは、OKでしょう。
いっぽうで、正しい処理(税額控除など)であることの証拠として、そのもとになる領収書などをコピーする。これは、コピーの必要はないでしょう。
それでも、調査官がコピーを要求するのは「税務署内での報告」のためです。ちゃんと調査をしてきましたよ、という報告をするため。
しかしそれならば、その調査官はなんのために現地に来て調査をしているの?ということになってしまいます。
現地で調査をして確認したもの、ましてや正しいと確認したものにまでコピーは必要なのか、ということです。
少々極端な例ではありましたが、必要以上に大量のコピーを要求されることはありえることです。
なんでもかんでも、言われたままにコピーをするのではなく。なにを、どういう理由でコピーを取るのかは確認しましょう。というお話です。
ウソ、テキトー
言うまでもないことですが、調査官から聞かれたことについて、ウソをついてはいけません。
理由は2つあります。ウソつきは、重いペナルティの対象になりうるから。そして、徹底的に追及をされるきっかけになるからです。
ウソをついてごまかした税金の額に対しては、35%増しの「重加算税」という重いペナルティ(罰金)を受ける可能性がある。ということを覚えておきましょう。
加えて、ウソをついたことがわかれば、他にもウソをついているのではないかと疑われることになります。そうなれば、税務調査はさらに長く・深く・きびしいものになるでしょう。
調査官はその道の「プロ」です。納税者はウソをつくことを知っています。ウソを見抜く術(すべ)を持っています。バレやしないだろう、なんて考えないことです。
また、ウソではないにしても、テキトーに回答することもよくありません。
たとえば。確証もないままになんとなく「〇〇だったかもしれませんねぇ」などと言ってしまうと、その「〇〇」がのちのち問題になることは少なくありません。
あとからよくよく考えてみて、「やっぱり〇〇じゃなくて、△△でした」みたいなことはあるわけで。そうなると、税務署は「いちど言った〇〇はなんだったのか?」とウソを疑いはじめます。
したがって、テキトーに答えてはいけません。記憶があいまい・ちょっと思い出せない、ということであれば、「調べてあとで回答します」の対応がベストです。
調査官になにかを聞かれると、なんだかすぐに答えなければいけない気持ちになってしまうものですが。焦らず落ち着いて、あくまで事実を回答するように気をつけましょう。
税務署・調査官の悪口
たとえば、「税務署は、ヒトのあら探しばかりする!」とか、「税務職員は、税金でメシを食ってんだろ!」とか。
税務署や調査官が聞けば「悪口」にあたるようなことを言うべきではありません。
もちろん、調査官の態度・言動などに腹が立って… ということはあるでしょう。とはいえ、悪口を言っても相手の気分を害するだけです。
人間、悪口を言われればアタマにきますから、事態がよくなることはありません。調査官にムキになられても困るばかりでよいことはありません。
ですから、言い返すのであれば「悪口」ではなく、「主張」にしましょう。
もしも調査官の言っていること・やっていることが間違っている、というのであれば。そう言えばいいだけです。気持ちはわかりますが、悪口のほうはグッと飲み込みましょう。
前の調査ではなにも言われなかった
税務調査がはじめてではない、という場合について。
調査官に指摘されたことに、「前の調査では言われなかったけど」と応えるのはよろしくありません。
その理由は2つあります。ひとつは、前の調査の分まで蒸し返される可能性があるから。もうひとつは、調査官の気持ちを逆なですることになりかねないから。
まず、税務調査については、前回は前回、今回は今回です。前の調査で言われなかったのは、「たまたま」言われなかった・気づかれなかっただけのこと。
したがって、「前の調査では言われなかったけど」というハナシは通用しないのです。間違いがあるのであれば、今回はその間違いを正さなければいけません。
この点で、「見逃してしまった前回調査の分も修正を…」と言われてしまうのはイヤですよね。間違いの内容によっては「蒸し返し」もありうることですから、前の調査のことは言わないことです。
また、「前の調査では言われなかったけど」などと言われても、調査官からしてみれば「だからなに?」といったところです。
なぜなら、先ほども触れたとおり、前回は前回、今回は今回だからです。言いたくなる気持ちはようくわかりますが、調査官にケンカを売ることになりかねません。
結果、前回分まで蒸し返されるのではたまりませんから、やはりグッとこらえましょう。
ぜんぶ税理士に聞いてくれ
顧問税理士がいる、という場合について。
調査官からの質問に対して、なんでもかんでも「税理士に聞いてくれ」と答える社長・個人事業者がいます。
これは、税務署に与える心象としてよいものではありません。
税務調査に対する協力姿勢が感じられない、とか。経理・税務に対する関心の低さから申告内容に誤りがあるかもしれない、などと見られてしまいます。
もちろん、細かい税法のハナシなど、顧問税理士にまかせてよい・まかせるべきこともありますが。「なんでもかんでも」税理士に任せる、というところに問題があります。
調査官からの質問は、すべてが難しい内容というわけではありません。ちょっとした事実の確認・内容の確認などであれば、難しいことはないはずです。
もし、「コレって答えてだいじょうぶかなぁ…?」と迷うことがあるのであれば。「いちどきちんと確認して、あとで回答します」とその場は答えて、税理士と相談すればよいでしょう。
いずれにせよ、調査官が社長や個人事業者に直接たずねていることについては、基本的には「本人」が回答すべきです。
それでも、税理士が答えるべき・答えたほうがよい内容だということであれば。そのときはきっと、横にいる顧問税理士が割って入ってくれるはずです。
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まとめ
社長・個人事業者が「税務調査で言ってはいけない言葉」についてお話をしてきました。
税務調査については不慣れだ、という社長・個人事業者が少なくないことでしょう。
不慣れなあまり、うっかりと言ってはいけない言葉を口にすることがないように。事前に確認をしておきましょう ↓
- はい(なんでもかんでも)
- ウソ、テキトー
- 税務署・調査官の悪口
- 前の調査ではなにも言われなかった
- ぜんぶ税理士に聞いてくれ
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きょうの執筆後記
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