会社が融資を受けるにあたり、銀行に提示する書類や資料について。3つのポイントをはずすと役に立たないので気をつけましょう、というお話です。
ポイントをはずすと役に立たない。
会社が融資を受けるにあたり、銀行に対して「自主的」に書類や資料を提示する、ということもあるでしょう。たとえば、「融資の依頼書」や「決算の報告書」「経営計画書(経営改善計画書)」など。
そんなときに、会社が気をつけるべきポイントがあります。こちらです↓
- できるだけ少なくまとめる
- なにをしてほしいのか?を書く
- あたりまえ・いまさらなことも書く
これらのポイントをはずした書類や資料だと、せっかく提示したのにじゅうぶんな効果を発揮しない、役に立たない… ということはあるものです。場合によっては、融資を受けづらくしてしまうことさえあります。困りますよね。
というわけで。このあと、3つのポイントを順番に見ていきましょう。
銀行に書類・資料を提示するときに会社が気をつけるべきポイント3選
《ポイント1》できるだけ少なくまとめる
銀行に書類・資料を提示するときに会社が気をつけるべきポイント、1つめは「できるだけ少なくまとめる」です。
ヤマのような書類・資料を銀行に提出する・提出した!という武勇伝調のハナシを見聞きすることがありますが。それは、おすすめできない。そういうことです。
よく言われることとして、銀行員は忙しい。だから、ヤマのような書類・資料をじっくり読み込む時間はないし、読みたくもない。そのように考えておいたほうが良いでしょう。
もっとも、銀行員に限らず、ヤマのような書類や資料を好むヒトはあまりいませんよね。だったら、好まれないことはやめたほうがいい、というハナシでもあります。
じゃあ、どうするか?
まず、「A4用紙1枚」にまとめることをルールにしましょう。「融資の依頼書」や「決算の報告書」などであれば、A4用紙1枚におさまるようにする。
もう少しボリュームが必要な「経営計画書(経営改善計画書)」などであれば、「各項目」は最大でもA4用紙1枚におさめる。結果として、ヤマのような書類・資料になるのを防ぐことができます。
それからもうひとつ。文章は、端的に書くようにしましょう。ダラダラとした「長文」はできるだけ避ける。そのためには、「タイトル」と「箇条書き」を多用することです。
項目のアタマには、わかりやすい「タイトル」をつける。本文を読まずとも済むようなタイトルであればベストでしょう。また、本文も文章をつなげるのではなく、箇条書きにすれば読み手はラクになるものです。
とにかく、「。」から「。」までが長い文章を避ける。できるだけ、端的に書くようにしましょう。きっと、銀行員の方にも喜んでいただけるはずです(目の前では喜ばないと思いますけど)。
さいごに、もうひとつ。A4用紙の枚数が多くなる場合には「目次」もお忘れなく。枚数が多い書類・資料を見るとき、銀行員の多くは「目次」の有無を確認しているものです(わたしの経験則だと)。
当然、目次があるほうが、書類の全体像をつかみやすくなります。各項目を探すのにも便利です。だから、目次をつける。
そのときには、各用紙に「ページ番号」をつけておくのもポイントです。ページ番号がないと、目次の効果が半減しますし、書類がバラけたときに揃えるのに難儀します。
[ad1]《ポイント2》なにをしてほしいのか?を書く
銀行に書類・資料を提示するときに会社が気をつけるべきポイント、2つめは「なにをしてほしいのか?を書く」です。
銀行に「してほしいこと」があるのであれば、それをきちんと書くこと。明文化するようにしましょう。「融資の依頼書」は、その典型です。
新規融資をお願いします、ということはもちろん。融資金額や返済期間など、銀行にしてほしいことを記載します。
新規融資のほかにも、「金利の引き下げ」や「担保・保証の解除」といったお願いごともあるでしょう。やはり、書類としてはっきりと記載をすべきです。
そもそも、銀行にお願いごとをするときに「口頭だけ」で済ませる会社は少なくありません。けれどもそこには、会社にとっての「危険」が存在することは理解しておきましょう。
その「危険」とは? お願いごとが「誤って伝わる」危険や、お願いごとが「放置」される危険です。
銀行にお願いをするときの窓口は、銀行の「担当者」。その担当者から、上司や融資審査の担当者などに話が伝達された後、支店長によって決裁されることになります。決裁をするのは、いつもの担当者ではありません。
この点で。担当者から支店長まで、話が正しく伝わるかどうかは「賭け」だと言えます。だれしもいちどはやったことがあるだろう「伝言ゲーム」がその理由です。
あいだにヒトが入れば入るほど、情報は歪みます。歪んでしまった情報では、会社のお願いごとを聞き入れてもらうのは難しくなってしまいます。
だから、さいごまで正しく情報を伝えるために、あえて書類にする。なにをしてほしいのか?を明文化するのです。
ここで、もうひとつポイントがあります。渡す書類には、「期限」を書きましょう。融資の依頼であれば、「回答は〇月〇日までにほしい」と書きましょう。
期限がないと、やはり「放置」の可能性が高まります。いっぽうで、はっきり期限を書かれると、銀行はそれを無視することはできません。書類を重んじる銀行ゆえに、書類に書かれたことは威力を発揮する。そのように理解しておきましょう。
[ad1]《ポイント3》あたりまえ・いまさらなことも書く
銀行に書類・資料を提示するときに会社が気をつけるべきポイント、3つめは「あたりまえ・いまさらなことも書く」です。
たとえば、「会社の概要」や「社長の経歴」「商売の内容」など。お付き合いがある銀行であれば、あたりまえなことであり、いまさら言うまでもないだろう。それでも、書いたほうがよい書類・資料もあります。
おもなところでは、「経営計画書(経営改善計画書)」です。ちなみに「経営改善計画書」は、現状で赤字など「改善」を強く要求される会社の経営計画書を言います。
経営計画書にしても、経営改善計画書にしても。自社を俯瞰的に、中長期的に、そして戦略的に考える書類であることから、「商売」を見直すことは少なくありません。
商売そのものをガラッと変えるということはないにしても、「あたらしい顧客層を狙う」とか、「あたらしい販路を開拓する」など、いわゆる「商流」が従来とは変わることはあるわけです。
ところが、そのあたりは伝えなければ伝わらないことでもありますから。従来の商流も含めて、銀行に伝える必要があるでしょう。具体的には、「商流図」として書類・資料に織り込むのが効果的です↓
商流図については、商流が変わったときに限らず。銀行の担当者や支店長が変わったときなどには、「あらためて」書類として提示するのがおすすめです。
会社のほうでは、「自社の商売を銀行はわかっているだろう」と思っていても、銀行のほうでは意外とわかっていないこともあります。とくに、担当者や支店長に異動があったときには、「引き継ぎ」されていないことだってあるでしょう。
「会社の概要」や「社長の経歴」なども同じことです。あたりまえ・いまさらなことだとは考えず、折を見て、書類・資料として銀行に提示するようにしましょう。
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まとめ
会社が融資を受けるにあたり、銀行に書類や資料を提示するときに。3つのポイントをはずした書類や資料だと、せっかく提示したのにじゅうぶんな効果を発揮しない、役に立たない… ということはあるものです。
場合によっては、融資を受けづらくしてしまうことさえありますので、じゅうぶんに気をつけましょう。
- できるだけ少なくまとめる
- なにをしてほしいのか?を書く
- あたりまえ・いまさらなことも書く