銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力3選

銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力3選

いついかなるときでも銀行融資が受けられるように、会社が空けておきたい「余力」についてお話をしていきます。

目次

なにごとも余力がだいじ。

いついかなるときでも銀行融資が受けられるように・受けやすくなるように、会社が空けておきたい「余力」があります。ずばり、次の3つです↓

銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力3選
  1. 担保
  2. 決算書
  3. 信用保証協会付き融資

これらに「余力」があると、銀行融資は受けやすくなるものです。とはいえ、余力とは具体的にどういうことなのか? このあと順番にお話をしていきます。

はたして、自社には「余力」があるのか? を確認してみましょう。

銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力3選

【余力1】担保

銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力、1つめは「担保」です。担保の対象は、不動産とか定期預金とか。

昔ほどではありませんが、「融資をする代わりに担保がほしい」と言われることはあるものです。なんだかんだ言って、担保が無いよりあったほうが融資が受けやすいのは間違いありません。

そういう意味では、担保に提供できるモノを余力として持っておくのがよいでしょう。

担保は、会社が所有するモノばかりではなく、社長個人が所有するモノでもかまいません。社長個人名義の不動産とか、社長個人名義の定期預金とかでもOKです。

いざというときには、そういったモノを担保に提供できることを銀行に伝えれば、融資が受けやすくなることを覚えておきましょう。

たとえば、3,000万円の価値がある不動産を、会社あるいは社長が持っているとして。それを銀行に担保提供することで、3,000万円ていどの融資を受けられるものと考えられます。

1,000万円の定期預金だとしたら、やはり、1,000万円ていどの融資を受けられるものと考えられるところです。

したがって、あとどれくらいの「余力」があるのか? は、把握しておくようにしましょう。不動産の担保価値がどれくらいなのか? については、こちらの記事を参考にどうぞ↓

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【余力2】決算書

銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力、2つめは「決算書」です。決算書の余力を示す指標として、「債務償還年数」「資産超過額」が挙げられます。

まずは、債務償還年数から。算式で言うと「いまある借入金の残高 ÷(税引後利益+減価償却費)」です。これは「税引後利益+減価償却費」を年間の返済原資と見たときに、あと何年で返済できるかチカラがあるかをあらわす指標になります。

この債務償還年数が短いほど、余力があると考えておきましょう。ちなみに、債務償還年数が 10年を超えるあたりから、融資を受けにくくなってきます。銀行からすると、いまの返済原資に対して借入金残高が多すぎる(これ以上の融資は危険)、という見方です。

債務償還年数について、くわしくはこちらの記事もどうぞ↓

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もうひとつの指標「資産超過額」とは。資産が負債を超過している金額のことです。算式で言うと「資産の総額 − 負債の総額」になります。

この資産超過額が多いほど、会社には余力がある、というのが銀行の見方です。逆に、負債が資産を上回る(資産超過額がマイナスになる)ことを「債務超過」と呼び、きわめて融資が受けにくくなります。

言うまでもありませんが、負債が多すぎるのであり、これ以上の融資をするのはどう考えても危険だからです。

2つの指標、債務償還年数と資産超過額について、同時に「余力」を増やす方法があります。それは、「利益を出す」ことです。利益を出せば、債務償還年数は短くなります。利益を出せば、資産が増えて負債は減ります。

そんなカンタンに言うけど、利益を出すのだってタイヘンだ! とのご意見はもっともです。ただ、ほんとうは出せるはずの利益を出し惜しんでいることもありますから、そこは注意しなければいけません。

利益が増えると税金が増える。だから、経費を増やして利益を減らして税金を減らす。そんなことをしてはいませんか? 債務償還年数と資産超過額の余力が少なくなってしまいます。気をつけましょう。

ところで。さきほど、担保があれば融資が受けやすくなる、という話をしました。この点で、利益あっての担保であることは覚えておきましょう。

つまり、利益が不十分(大きな赤字とか)だったりすると、いくら担保があっても融資をしてもらえない… ということがあります。担保はあくまで担保であって、本来、借りたおカネは利益をもって返済するものだ、というのが銀行の考え方です。

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【余力3】信用保証協会付き融資

銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力、3つめは「信用保証協会付き融資」です。

民間銀行からの融資は大きく分けて2つ。信用保証協会付き融資と、プロパー融資とがあります。信用保証協会付き融資とは、会社が返済をできないときには信用保証協会が肩代わりをしてくれる融資です。

いっぽうのプロパー融資は、信用保証協会の肩代わりがない融資。会社が返済をできなければ、銀行が 100%の損失をこうむる融資になります。

というわけで、銀行としては安心・安全な信用保証協会付き融資をおすすめしたいわけですが。信用保証協会付きには「上限」があります。

一般枠と呼ばれるものについては、無担保で 8,000万円が上限です(一般枠のほかに特別枠もあります)。また、8,000万円は「制度上」の上限であって、各会社の規模・状況によって、8,000万円未満になることもあります。

目安としては、年間売上高の3割〜5割ていどが上限だと考えておきましょう。

ではもしも、信用保証協会付き融資の上限が 5,000万円の会社があったとして。すでに 5,000万円めいっぱいまで融資を受けているとしたらどうでしょう?

銀行としては、プロパー融資で対応するしかありません。会社の業績が良ければまだしも、そうでもない場合には融資を躊躇することになります。

これに対して、上限 5,000万円のうち 3,000万円までしか、信用保証協会付き融資を受けていないとしたらどうでしょう?

2,000万円の余力があるということですから、銀行としては信用保証協会付きで融資をしやすい状況です。会社の業績が悪くなった場合にも、2,000万円までなら融資を受けられる余力があると見れば、プロパー融資を出しやすい状況でもあります。

したがって、信用保証協会付き融資に余力があると、信用保証協会付き融資そのものが受けやすいのはもちろん、信用保証協会付き融資の余力を活かしてプロパー融資も受けやすくなるのはポイントです。

受けやすいからと、いつもいつも信用保証協会付き融資を受けて、信用保証協会付き融資の上限めいっぱいにしている会社もあるでしょう。けれどもそれは、あまり良い借り方とは言えないということになります。

信用保証協会付き融資の余力は残しつつ、タイミングを見計らって、プロパー融資を伸ばしていきましょう。具体的なタイミングについてはこちらの記事もどうぞ↓

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まとめ

いついかなるときでも銀行融資が受けられるように・受けやすくなるようにしておきたいものです。そのためには、本記事でお話をした3つの「余力」が役に立つことを押さえておきましょう。

銀行融資を受けるために会社が空けておきたい余力3選
  1. 担保
  2. 決算書
  3. 信用保証協会付き融資
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