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フリーランスで開業するなら『3つのやるべきこと』

フリーランスが開業でやるべきこと

フリーランスで独立開業! でも、なにをしたらよいのかな?

と言うのであれば、まずはこれ。フリーランスで開業するなら『3つのやるべきこと』についてお話します。

目次

開業したフリーランスがまずはやるべき3つのこと

勤め人を辞め、晴れてフリーランスとして独立開業!

は、よいけれど。いったい何からはじめればいいのやら… と言うのであれば。「これはやっておくべき」ということについてお話します。次の3つです↓

  1. 青色申告承認申請書を税務署に出す
  2. 創業融資を受ける
  3. 税金・経理のしくみを勉強する

これらをやらずにいると、気がついたときには「あちゃ〜、やっておくべきだった…」と後悔をするばかり。

開業をするのであれば、四の五の言わずにまずはこの3つを早々に。

というわけで、このあとそれぞれについてお話をしていきます。

 

《やるべき①》青色申告承認申請書を税務署に提出する

開業したら、まずは税務署に「青色申告承認申請書」という書類を提出しましょう。

「青色申告?なにそれ?」「税務署なんてイヤだよ」などと言っていてモタモタしていると損をします。

なにはともあれ、この書類を税務署に提出することで得られるメリットはこちらです↓

  • 税金が安くなる特典が受けられる
  • 銀行からの融資が受けやすくなる

税金が安くなる特典が受けられる

「青色申告承認申請書」の書類1枚で、税金の額に差が出ます(「差」の詳細はこちらの記事を→フリーランスの最強節税「青色申告」のメリットをまとめ)。

この書類を税務署に提出して、「青色申告(あおいろしんこく)」の承認を受けることで、税金面でトクをすることができるのです。

いっぽうで。青色申告の承認を受けずに確定申告することを、青色申告に対して「白色申告(しろいろしんこく)」と呼びます。白色申告には税金でトクをするような特典はなにひとつありません。

税金は安いほうがよいですよね。だったら、青色申告を選びましょう。

【注意】「白色申告のほうがイイ」という間違い情報

かつて白色申告には、帳簿づけ(経理)や書類の保存義務がありませんでした。ゆえに、帳簿付けや保存義務がある青色申告よりもラクでいい、という意見がありました。
ところが、2014年以降、白色申告にも帳簿付けや保存義務が課せられています。もはや、特典がある青色申告を選ばない理由がないのです。

銀行からの融資が受けやすくなる

事業をはじめると、なにかと「おカネ」が必要になります。

自己資金(自分のおカネ)だけでやっていけることがベストではあるものの、自己資金が十分である人ばかりではありません。とくに事業をはじめた当初は、不十分であることがほとんどです。

そこで、銀行からの融資を検討します。このとき、銀行の審査が必要になるわけですが。

青色申告はここでも効果を発揮します。「帳簿付け・書類の保存をちゃんとやる」ことを条件に税金の特典を受けている青色申告には、「しっかり者」のイメージがあるのです。

「しっかり」した相手との取引を好む銀行は、白色申告よりも青色申告を好むことを覚えておきましょう。

「開業後2ヶ月以内に提出」する

青色申告承認申請書の提出には、大事なポイントがあります。それは、開業から2ヶ月以内に提出(詳しくは、下記【参考】青色申告承認申請書の提出期限を参照)すること。

これに遅れてしまうと、はじめての確定申告では青色申告ができず、1年めは白色申告になってしまいます。

これにより、青色申告の特典を受けられないときの税金の「損」は、数十万円単位(もしくはそれ以上)に及ぶことも少なくありません。

青色申告承認申請書は、たったA4用紙一枚の書類です。開業したら、さっさと税務署に出してしまいましょう。書類の書き方など詳しくはこちらを↓

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【参考】青色申告承認申請書の提出期限

青色申告の承認を受けるにあたっての「青色申告承認申請書の提出期限」は、正確には次のとおりです。

  • 青色申告をしようとする年の3月15日まで
  • その年の1月16日以後に事業を開始した場合は、その事業開始の日から2月以内

 

《やるべき②》創業融資を受ける

事業をはじめるタイミングでは、必ず、銀行からの融資を受けることを検討しましょう。融資をおすすめする理由は、次の2つです↓

  • 創業のときにしか利用できない融資制度がある
  • のちのちの融資が受けやすくなる

創業のときにしか利用できない融資制度がある

創業・開業のときにしか利用できない融資制度というものがいくつか挙げられます。

なかでも使い勝手がよいものとして、公的な金融機関である日本政策金融公庫の「新創業融資制度」(クリックすると日本政策金融公庫のページに飛びます)が挙げられます。

自己資金の金額や、事業者本人の経歴などに要件はありますが。それらの要件を満たしていれば、比較的受けやすい融資制度であるのが特徴です。そこは公的な金融機関ゆえ、と言えます。

この制度は「開業後、確定申告を2回終えていない人」が対象で、利用できるタイミングが限られています。融資を考えるのであれば、逃さずに利用しましょう。

のちのちの融資が受けやすくなる

創業時に融資を受けておくと。のちのち、「また融資を受けたい」というときには有利にはたらきます。

なぜ有利なのかというと。銀行から見て「貸したことがある」という実績と、「返済をしてもらった(返済をしてもらっている)」という実績ができるからです。

銀行は、実績を大事にします。いちど貸したことがある、それをきちんと返してもらった、ということはプラス材料なのです。

結果として、2度め以降に融資を受けるときには、過去の実績が役立ちます。融資の審査がスムーズになります。

ですからあとあとのことを考えて、金額は少なくても、創業時に融資を受けておくというのはおすすめです。

おカネが足りなくなってから、なんて言わないで

融資のハナシをすると、「いまはいいや。おカネが足りなくなってから借りる」という人がいます。

それは間違いです。なぜなら、銀行はおカネが無くて困っているような危ない人に融資をすることはありません。貸してもだいじょうぶ(そう)な人にしか融資はしません。

開業後、たいへん多くのケースで「想定外」に伸び悩みます。計画どおり、思ったとおりのスピードで商売を軌道に乗せられることはまれなのです。

開業後3年で廃業は7割、などというデータもあるわけで。想定外に伸び悩み、おカネが足りずに… なんてことにはならないように。

創業融資を利用して、資金に余裕を持ったスタートを切りましょう。おカネがあることで、より長く、伸び悩みの期間に耐えることができます。詳しくはこちらの記事を↓

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【参考】銀行融資の受け方がわからなければ

銀行からの融資の受け方がわからない、不安があるという場合には。専門家の支援を受けるのもひとつの方法です。
わたしもお手伝いをしています。詳しくはこちら→「銀行融資プランニングサービス」

 

《やるべき③》税金・経理のしくみを勉強する

開業したあとは目の前の仕事に一生懸命で。気がつけばはじめての確定申告がもう間近。なにもわからないうえに、なにもしていない。あぁ困った、どうしよう… そんな話を見聞きします。

これによるデメリットは、経理がタイヘンだとか、確定申告が間に合わないとか、そんな単純なことばかりではありません。

もっと重大な、ほんとうのデメリットは次のとおりです↓

  • 数字を日々の判断材料に使うことができない
  • 計画的な節税ができない

「しくみ」を理解することはフリーランスの最低限

ここで大事なことは、「しくみ」を理解することです。「やり方」は二の次、三の次です。にもかかわらず。「やり方」に躍起になる人たちがいます。

会計ソフトはクラウドサービスが便利だとか、メンドーだから税理士に頼むだとか。それらは「やり方」の話でしかありません。

クラウドでも税理士でも良いですが。本人が「しくみ」を知らないままであれば、やはり前述したデメリットを被ります。

「やり方」だけでは、せいぜい「早く経理ができた」「早く確定申告ができた」までです。それだけです。もったいない。

なぜ、この数字が必要なのか? なぜ、税金は安くなるのか・高くなるのか? など。「なぜ(=しくみ)」を知らなければ、デメリットを回避できません。

ただ経理をする・ただ申告をしていたのでは、「数字を日々の判断材料に使う」ことも「計画的な節税」もできないのです。「やり方」よりも、まずは「しくみ」を学びましょう。

「しくみ」を教えてくれる本を読もう・セミナーへ行こう

勉強の方法はいろいろです。インターネット、書籍、セミナーなどなど。探せばいろいろあります。

繰り返しになりますが、ポイントは「なぜ(=しくみ)」を学べる教材を探すことです。ネットでも、書籍でも、セミナーでも、教材を探すときには気をつけましょう。

「やり方」を教えてくれるのであれば、「なぜ(=しくみ)」も教えてくれるかどうかです。

書籍のおすすめをまとめた記事はこちらです↓

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セミナーは、わたしも毎月開催をしております。よろしければ、セミナー案内ページをどうぞ↓

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まとめ

フリーランスで開業するなら『3つのやるべきこと』についてお話をしました。

開業時に、なんとなくやり逃がすようなことがないように確認をしておきましょう。逃せば、のちのち後悔をすることばかりです。

  1. 青色申告承認申請書を税務署に出す
  2. 創業融資を受ける
  3. 税金・経理のしくみを勉強する

 

 

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  きょうの執筆後記
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