税務署から怪しまれる!?フリーランスの決算書あるあるワースト5

税務署が怪しむフリーランスの決算書

” よっしゃあああ! 決算・確定申告おしまい!! ”

というあなたに水を差すようで悪いのですが。ほんとうに大丈夫なの? ということで。

税務署から怪しまれるかもしれない「フリーランスの決算書あるあるワースト5」についてお話をします。

税務署が怪しむフリーランスの決算書あるあるワースト5

決算・確定申告おしまい! と税務署に書類を出す前に。

ちょっと確認をしてみませんか?

税務署から怪しまれるかもしれない「フリーランスの決算書あるある」について。

あなたがつくった決算書。もしかしたら、間違いや勘違い、不勉強や不注意による「問題」があるかもしれません。

その問題が税務署の関心を招くとしたら… って、別におどかすつもりはないのですけれど。

やっぱり税務署から怪しまれるなんてイヤですものね。

というわけで。できあがった決算書の最終確認として、フリーランスの決算書あるあるワースト5を確認してみましょう。こちらです ↓

  1. 利益が少なすぎる
  2. 接待交際費ドーン、雑費ドーン
  3. 現金がマイナス
  4. 売掛金がない
  5. 在庫がない

それでは上記について、順番に見ていきましょう。

【補足】

本記事で言う「決算書」とは、青色申告であれば「青色申告決算書」、白色申告であれば「収支内訳書」を指します。

 

利益が少なすぎる

まずは決算書のうち「損益計算書(白色申告であれば収支内訳書)」について。「収入 − 経費」で「利益」を計算する書類ですね。

その「利益」が少なすぎる。というのが、ひとつめのあるあるです。

ここで言う「利益」とは、損益計算書の最終値「所得金額」を指します(白色申告であれば収支内訳書の最終値「所得金額」)。

では、なにをもって「利益が少ない」と考えるのか? その基準は、「その利益で生活ができるかどうか」にあります。

利益の中から税金や社会保険料、さらには生活費を支払うわけですから。生活ができないほど、決算書の利益が少ないようであれば税務署はこう考えるはずです ↓

もしかして、売上を抜いてない? それとも、経費を水増ししてる?

つまり、利益が少なすぎれば、税務署から脱税を疑われるきっかけになるということです。

もっとも、生活に必要な金額というのはひとそれぞれですから。具体的に「利益が◯円以下だとマズい」というようなことでもありません。

ですからそこは、世間一般、社会常識的に見てどうか? です。住んでいる場所や家族構成などから考えて、その利益で生活ができそうか、です。

もしも、家族4人で貸家住まい、決算書の利益が 100万円だとしたら? 「いやいや、フツー生活できないでしょ」となりますよね。極端な例でしたが、考え方はそういうことです。

フツーに考えて「利益が少ないかなぁ」というのであれば。プライベートの支出をムリに経費に計上したりしていないか、を振り返ってみましょう。

ちなみに、決算書の利益が少なくても。たとえば、開業間もない時期で貯金を取り崩して生活している、ということはあるでしょう。

あるいは、事業収入のほかに給与収入もあるとか、配偶者にも給与収入があるとか、利益が少なくても生活できる理由があるのであれば問題ありません。

 

接待交際費ドーン、雑費ドーン

2つめのあるあるも「損益計算書(白色申告であれば収支内訳書)」についてです。

損益計算書には、いろいろな勘定科目の経費が並んでいますが。たとえば、その中にある「接待交際費」の金額が、他の経費とはケタ違いに大きい。接待交際費がドーンと目立つ。

というのは、税務署的には気になるところです ↓

プライベートの飲み食いなんかが混じってるんじゃないの?

実際、混じっていることがあるわけであり。多額の接待交際費については、税務調査で論点になることは少なくありません。

とはいえ。「ほんとうに仕事に関係あるんだし」ということもあるでしょう。その場合には、少し「見せ方」を変えてみることをおすすめします。

飲食代についてはなんでもかんでも「接待交際費」にしているケースがありますが、飲食の目的が打合せ・商談などであれば「会議費」にするとか。

「損益計算書(白色申告であれば収支内訳書)」に、もともと「会議費」の言葉はありませんが、自由に使える「空欄」が用意されているのでそこを使いましょう。

というように、接待交際費に限らず、ひとつの勘定科目に大きな金額が集中するのは、対税務署としてはイマイチです。他の勘定科目に分散することも検討するようにしましょう。

また、「雑費」に大きな金額を計上している決算書もよくありません。たとえば、雑費が数十万円、みたいな。

「雑費」とは「他の勘定科目にあてはまらない経費」であり、多額の雑費は「なに?なに?」という税務署の関心を招くばかりです。

雑費の金額は極力ゼロ。そうでなくても数万円ていどまでにしておくことをおすすめします。雑費ではなく、経費の内容がわかる勘定科目を使いましょう。

 

現金がマイナス

ここからは、決算書のうち「貸借対照表」についてです(白色申告の収支内訳書、青色申告の10万円特別控除には貸借対照表はありません)。「資産」や「負債」を計算する書類ですね。

その「貸借対照表」の左上、もっともはじめにある「現金」。この「現金」の金額がマイナスになっているのはいけません。

会計ソフトで決算書をつくってササっと印刷すると、なんか「ちゃんとできた」ように見えてしまうものですが。実際にはそうでもなかったりする、ということです。

「現金はマイナスにならない、ぜったいに」というのが会計・経理のルールです。じぶんのサイフの中をのぞいたときに「わ〜、現金がマイナスだ〜」という人はいませんよね。

現金は有るか無いか、です。どれだけ現金が少なくてもゼロまで、マイナスはありえない。ゆえに、会計・経理の世界でも「現金マイナス」はありえません。

ということは、現金がマイナスになっている貸借対照表は間違いだということです。当然、税務署は思うでしょう ↓

こんなキホンも間違えているなんて、ほかにもいろいろ間違えてるんじゃないの?

もしかしたら売上の計上を漏らしているのではないか、ほんとうは経費ではないものを経費にしてしまっているのではないか、など。税務署は想像してしまうにちがいありません。

ちなみに。現金マイナスは「決算時」に限ったことではありません。現金は日々、マイナスになってはいけません。

この点については、わかっているはずの税理士事務所であっても見落とすことがあるほどの「あるある」です。

現金ひとつで、決算書・申告書全体の信用を落とすことがないように注意しましょう。

絶対に破ってはいけない『現金出納帳』3つのルール

2017.06.07

 

売掛金がない

4つめのあるあるも「貸借対照表」について。「売掛金」がない、です。つまり、売掛金の金額欄に数字がない。

「売掛金」とは、ツケによる売上の代金のうち、いま現在未回収の金額を指します。

商店街の八百屋さんのような現金商売であれば別ですが。請求書を発行して入金を待つスタイルの仕事であるならば、売掛金には「なにかしらの金額」があるはずだろう。

というのが税務署の考え方であり、売掛金がない貸借対照表を見てこう思うでしょう ↓

売上の計上が漏れてるんじゃないの?

計上すべきはずの売掛金の処理が漏れていたとすると、結果として、売上の計上が漏れることになります(簿記という技術のしくみ上)。

売上が漏れていれば、利益が過小になり、税金も過小になります。税務署としては見逃せないポイントです。

とはいえ。ほんとうに、決算日時点では売掛金がなかったのだ、ということもあるわけで。そんなときは、そうですねぇ、注意書きをしてみるのはいかがでしょう。

具体的には、「青色申告決算書」の3ページめの右下にある「本年中における特殊事情」。ここに、「決算日現在、売掛金はありません」とあえて書いてみるとか。

書けば読んではくれるでしょう(どう思うかはともかくとして)。であるならば、「ただ金額が無い」よりは、「無いものは無い、と書いてある」ほうがよいだろう、という私見です。

わたし、ちゃんと(売掛金とか)わかってますから。というアピールプレイです。ご賛同いただけるようでしたらお試しを。

 

在庫がない

さいご、5つめのあるあるも「貸借対照表」について。在庫がない、です。

貸借対照表の「棚卸資産」が在庫を指します。その「棚卸資産」に金額がない、というケースです。

これは、仕事の種類によるところなので、「通常は在庫を持っているだろう」というような業種の場合の話になります。

たとえば、商品を仕入れて売るような仕事、材料を仕入れて自分で製品をつくって売るような仕事。

このような仕事の場合、フツーはいくらかの商品や材料などがあるものです。仕入れたけれど、まだ売れてはいない商品や材料があるはず。すると、税務署はこう考えます ↓

経費(仕入)が過大計上なんじゃないの?

会計・経理では、仕入の金額は「経費」になりますが、まだ売れていない分(=在庫)にあたる仕入金額は経費にできないことになっています。

したがって、ほんとうは在庫があるのに、決算書には在庫がないとなれば、経費(仕入)が過大になります。結果、利益が過小、税金が過小。問題になります。

在庫を計上するにあたっては、在庫をどう数えればいいのか、計算すればいいのかという悩みはよく聞きます。

これについて、極論で答えるならば、「だいたいでいいから、なにかしらの金額を載せるべし」です。在庫があるのによくわからないからゼロ、がいちばんよくありません。

たとえば、いろんな種類・いろんな仕入単価のボタンがたくさんあって、とてもひとつひとつなんて数えられない…というのなら。

ボタンひとつあたり、おおむね◯円。ボタンひとつあたり、おおむね◯グラムと決めちゃう。つまり、ボタンのグラムあたり単価を決めます。

あとは、ボタンをガサっと秤(はかり)に載せて計量。「ボタンの重さ×グラムあたり単価」で、在庫金額を計算します。大雑把ではあるけれど、在庫ゼロよりはだいぶマシです。

在庫を持つ商売をしているのならば、在庫は載せる。基本です。

 

まとめ

税務署が怪しむフリーランスの決算書あるあるワースト5についてお話をしてきました。

ちょっとした間違いや勘違い、不勉強や不注意で、不利益を被ることがないようにしましょう。ムダに税務署から怪しまれないように気をつけましょう。

  1. 利益が少なすぎる
  2. 接待交際費ドーン、雑費ドーン
  3. 現金がマイナス
  4. 売掛金がない
  5. 在庫がない

 

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  きょうの執筆後記
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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!