銀行が気にする『他行との取引』で融資を引き出そう

銀行が気にする「他行との取引」で融資を引き出す

”銀行から、「他行との取引状況は?」って聞かれたんだけど。答えなきゃダメ?”

答えたほうがよいですが、答え方もだいじです。というわけで、銀行が気にする「他行との取引」で融資を引き出そう、というお話をしていきます

「他行との取引」は銀行融資を引き出す材料になる

銀行は、会社・個人事業者に融資をするにあたり、「融資をしてもだいじょうぶか?」をチェックしています。

つまり、貸したおカネをきちんと返してもらえそうな相手かどうかを見ています。

このとき、見るべきポイントはいろいろあるわけですが(たとえば決算書とか)、そのひとつに「他行との取引」が挙げられます。

銀行は、融資先(あるいは融資検討先)の会社・個人事業者について、じぶんの銀行以外の銀行との取引について気にしているのです。

これは、「他行との取引」しだいで、じょうずに融資を引き出せる。ということでもあります。

では、銀行は具体的に「他行との取引」のどのようなところを見ているか? というと、こちらです ↓

銀行は「他行との取引」のどこを見ているか
  1. 取引銀行の数は?
  2. 取引先銀行はどこ?
  3. 取引条件はどう? 
  4. メインバンクの動きは?

これらについて、銀行はなにを考えているのか? をこのあとお話していきます。

銀行の考え方を知り、融資を受けやすい「他行との取引」とはどういうものなのかを押さえておきましょう。

本記事では、基本的に民間の銀行を対象にしています。また、正しくは「金融機関」と表記すべきところもありますが、一般的な呼称である「銀行」の表記で統一します。

 

銀行は「他行との取引」のどこを見て、なにを考えているのか?

銀行は、融資先(あるいは融資検討先)の会社・個人事業者について、「他行との取引」のどこを見て、なにを考えているのでしょうか? 

どこを見ているのか? ということを起点にしてお話をしていきます。

取引銀行の数は?

まずはじめに、ここで言う「取引」とは「融資」に限ります。預金をしているとか、出資をしているとか、そういうことは除きます。

銀行が融資をするにあたり、他行との「融資取引」をどう見ているか? という点に絞ったお話です。

そのうえで。銀行にはこんな行動原理があります ↓

他行が貸すならウチも貸す

ゆえに。取引銀行の数が多いことは、銀行が「ウチも貸したい」という動機になりえます。

おカネを借りるには「信用」が必要です。銀行は相手を信用するからおカネを貸します。

であるならば。たくさんの銀行から融資を受けている会社・個人事業者は、それだけ「信用されている」ということだ。と、銀行は見ているわけです。

言い換えると、「借金が多いほど信用される」ということでもあり。なんだかおかしなハナシに聞こえるかもしれませんが、銀行融資におけるだいじなポイントとして押さえておきましょう。

いっぽうで。取引銀行の数が多すぎるという場合には、「移り気な取引をするのかな?」と警戒をされることになります。

つまり、気に入らないことがあるとすぐに他の銀行に乗り換えてしまう、とか。そういう相手を好きになれないのは、銀行ばかりではないでしょう。

ということで。取引銀行の数は基本的には多いほうがよいですが、取引銀行の選び方は妥当か(やたらめったらではないか)、といった点も重要です ↓

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取引先銀行はどこ?

取引銀行の「数」もさることながら。「どこ」の銀行と取引をしているのかも、銀行は注目しています。

たとえば。地方銀行から見て、もしも融資先の会社がメガバンクからプロパー融資(信用保証協会の保証無し融資)を受けているとしたら?

「おぉ、この会社、メガバンクも信用するイイ会社なんだ。ウチも貸したい!」と、またしても貸したくなってしまいます。

ですから、じぶんの銀行よりも上位の銀行から融資があるような会社・個人事業者を、銀行は信用してしまうところがある。と、言えます。

これは、おカネを借りる側の会社・個人事業者からすれば、アピールポイントになることを覚えておきましょう。「ウチ、メガバンクからプロパー融資あります」みたいな。

また、上位の銀行だけではなく、同列の銀行・ライバル銀行についても注目しています。たとえば、地方銀行であれば、他の地方銀行が気になることでしょう。

銀行からすれば、同列の銀行・ライバル銀行ががんばるなら、じぶん(自行)もがんばる。負けたくないのです。

よって、ライバル関係にあるような2つの銀行と取引がある場合、両者にあえて取引条件(金利など)を開示して競わせる、ということが考えられます。

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取引条件はどう? 

たとえば、融資金額、返済期間、返済方法、金利、担保、保証など。これらの取引条件を他行がどうしているのか? 銀行は注目をしています。

これまでのお話から想像できるとおり、他行の取引条件が良ければ、「ウチもがんばろう」です。

ライバル銀行が提示している金利が低ければ、自行の融資が奪われてしまうかもしれません。だから、ウチも金利を下げよう(下げるしかない)となるわけです。

逆に、他行の取引条件が悪ければ。それは、融資に消極的だということですから、「ウチもやめとこう、ムリはしないでおこう」となります。

良いときも悪いときも銀行の行動は横並び。これを忘れてはいけません。

したがって、おカネを借りる側としてやるべきことは、他行の取引条件が良いときはそれを積極的にアピールする。融資を引き出す材料にする。

他行の取引条件が悪いときには、できる限り言わない・見せないようにすることです。

いずれにせよ。自社・じぶんが、取引銀行とどのような条件で融資を受けているのか、きちんと状況を把握することからです。

おすすめは、銀行借入一覧表を作成しておくこと。これを見て、どう銀行に対応するかを考えましょう ↓

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メインバンクの動きは?

メインバンクの定義はいろいろあるようですが。ひとまずここでは、「もっとも融資残高が多い銀行」と定義します。

そのメインバンクの動き、というものを他行は気にかけているものです。

なぜなら、もっとも融資を積極的にしているメインバンクこそが、その会社・個人事業者のことをもっともよくわかっているはずだからです。

メインバンクが融資を増やす動きであれば、会社・個人事業者の状況は良い、という目安にします。

逆に、メインバンクが融資を減らす動きであれば、会社・個人事業者の状況は悪い、という目安にします。

基本的に、他行はその目安にしたがって、メインバンクの動きに追随するものだ。ということを押さえておきましょう。

また、気をつけるべき点として。安易にメインバンクの融資残高を減らさないことです。たとえば、繰り上げ返済とか、他行への乗り換えとか。

メインバンクから融資を引き上げられたなどの誤解をされかねませんから、必要に応じて他行には事情説明も忘れずに。

くわえて、リスケジュールの際には、まずメインバンクから交渉をすることです。

他行から交渉をしても、「メインバンクの◯◯銀行さんはどう言っているんですか?」と聞かれるばかりでハナシは前に進みません。

ですからまずは、メインバンクからリスケの了解をとったうえで、他行との交渉になります。結果、他行もメインバンクに追随します(リスケに応じます)。

まとめ

銀行が気にする「他行との取引」で融資を引き出そう、ということについてお話をしてきました。

融資を検討するにあたり、銀行はいろいろなことを見ているわけですが、「他行との取引」もまた見られていることを覚えておきましょう。

銀行がどこを見て、なにを考えているのかがわかれば、銀行融資をスムーズに進めることに役立ちます。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!