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銀行からおカネを借りる!融資先銀行の選び方

銀行の選び方

銀行からおカネ借りよう。でもどこの銀行に行けば…?

事業と借入は切っても切れない間柄。

事業の開業から成長、不調時にいたるまで。銀行融資を考える機会は決して少なくありません。

そんなとき。どこから借入をすればいいんだろう?という疑問についてお話をします。

目次

事業の成長にあわせて銀行を選ぼう

銀行選びの基準はさまざまあります。たとえば、

  • いろいろなところにATMがある
  • 窓口のある店舗が近所にある
  • 手数料が安い
  • 預金金利が高い
  • 借入金利が低い
  • 昔からのなじみがある
  • 銀行の知名度、安全度 などなど

ところが。いざ、「事業での借入」を考えるなら。その融資先銀行を選ぶ視点は変わってきます。それは、

事業の成長、会社の成長にあわせた銀行選び

という視点です。自身の事業や自社の成長の状況にあわせて、融資先銀行を選ぶことがたいせつです。

成長の状況に合った銀行とは?

次の4つの状況にわけて、このあとお話をしていきます。

  • 創業時、開業時
  • 年商1億円超
  • 年商3億円超
  • 年商10億円超

 

開業・創業時は「公庫と信金・信組」

事業の開業・創業時に選ぶべき銀行は、次の2つです。

  • 日本政策金融公庫
  • 信用金庫、信用組合

なぜ、この2つの銀行(金融機関)を選ぶべきなのか。それぞれの特徴を踏まえて説明します。

日本政策金融公庫(旧 国民生活金融公庫)

100%政府出資の「政府系」金融機関です。創業者、中小企業の融資と言えばまずココで。それが日本政策金融公庫(以下、「公庫」)です。

「国民生活の向上に寄与すること」を目的に掲げる公庫だけあり、民間金融機関が嫌がるような融資にもっとも積極的な姿勢を見せます。

そんな民間金融機関が嫌がるような融資、というのが開業・創業時の融資です。なにしろ、実績がない、実績に乏しい相手にお金を貸すのは誰でもイヤでしょう。

開業・創業時の融資は、「まず公庫」と覚えておきましょう。

信用金庫、信用組合

続いてのおすすめは信用金庫(以下、「信金」)と信用組合(以下、「信組」)です。ともに地域に根付いた金融機関ということで共通しています。

信金は、管轄区域内の個人や中小零細企業が会員となり、地域の繁栄をはかる相互扶助を目的にする金融機関。

信組も同じく相互扶助の考えに基づいています。組合員ひとりひとりが預金し、必要なときに融資を受けられるように、という金融機関が信組。

信金と信組、どちらも地域密着型。そして、個人や中小零細企業に優しいのが特徴です。

信用保証協会

ここで信用保証協会について。その前に唐突ですが、「プロパー融資」について。各銀行が直接おカネを貸すことを「プロパー融資」と言います。

開業・創業時には、個人や中小零細企業に優しい「信金・信組」をさきほどお勧めしましたが。実は、信金・信組が直接おカネを貸してくれるというのはケースとして稀です。

つまり、この段階でのプロパー融資は非常に難しい。優しいと言えども本音のところでは、開業・創業を相手におカネを貸すのは不安なことでしょう。そこで、信用保証協会の登場です。

信用保証協会(以下、「保証協会」)は、都道府県ごとに設立された機関。公庫と同様に公的な機関ではありますが、公庫のように直接おカネを貸すことはありません。

その代わりとして、保証協会が行う業務が「保証の代行」です。具体的に言うと、

  • 信金・信組は創業者に対して、直接おカネを貸したくない、貸しづらい  ↓
  • 保証協会が創業者に信用を与える(保証をつける)↓
  • 保証協会の信用にもとづいて、信金・信組が創業者におカネを貸す ↓
  • 万一、創業者が借りたおカネを返済できない場合。保証協会が肩代わりする

というのが「保証の代行」のしくみです。このしくみによる借入のことを、「プロパー融資」に対して、「保証協会付き融資」と言います。

敷居が低い日本政策金融公庫、敷居が高い保証協会付き融資

ということで。開業・創業時のおすすめ金融機関は、「公庫」もしくは「保証協会付きの信金・信組」です。

ではどっちがいいの?という話なら。「公庫」を選びましょう。

誤解を恐れずに言うと、「保証協会付き融資」を受けるよりも、「公庫の融資」のほうが敷居は低いからです。

「敷居」についての詳細は機会を改めますが、どちらが融資を受けやすいかで選ぶなら、迷わず「公庫」をとりましょう。

ケースバイケースの部分はありますが、「保証協会付き融資」は決算が2回終わってから。2期が過ぎてから、あたりを目安に活用をはじめるとよいでしょう。

 

年商に応じて、信金・地銀・メガバンクのプロパーも

開業・創業期を超えて、会社の成長の過程では。事業の年商を基準に、融資先金融機関を考えます。

この段階では、事業の実績も出てきます。公庫や保証協会付き融資とあわせて、民間金融機関のプロパー融資も活用できます。

事業の実績のひとつである「年商」を基準に、プロパー融資を狙える民間金融機関の目安をお話しします。

年商1億円超

この成長段階での融資先金融機関なら、「信金・信組」です。まだ事業の規模も小さいときには、個人や中小零細企業に優しい「信金・信組」を相手に選びましょう。

年商3億円超

一歩成長を遂げたこの段階では「地方銀行(以下、「地銀」)」です。

地方銀行は、各地方に強い営業基盤を築き、地域密着型であるのは「信金・信組」と同じです。ただし、地銀がターゲットとする融資先企業規模は、「信金・信組」よりも上になります。

その規模が、年商で3億円あたりから。

年商10億円超

さらに成長を遂げると、いよいよ「メガバンク」。メガバンクは大都市に本店、全国に支店展開を広げる大型金融機関です。「都市銀行」とも言われます。

メガバンクには潤沢な「融資財源」がありますので、融資対象先はおのずと融資金額が大きくなる大規模企業となります。そんなメガバンク活用の目安は、年商10億円あたりから。

 

まとめ

融資先銀行の選び方についてお話をしてきました。

もちろん、融資先がひとつである必要はありません。信金のプロパー融資と信金の保証協会付き融資、という組み合わせもあります。加えて、公庫というのも可能です。

むしろ積極的に、組み合わせも活かすべきでしょう。

ただし、「信金・信組」が相応規模の企業なのに、「メガバンク」を考えるというのは得策とは言えません。ほとんどの場合、ムリだからです。

自身の事業にふさわしい金融機関について、理解しておきましょう。

 

 

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  きょうの執筆後記
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