フリーランスが『マネーフォワード・freee』を使うときの注意点7選

フリーランスが『マネーフォワード・freee』を使うときの注意点7選

「カンタン、ラクチン」などと言われるクラウド会計ではありますが。 意外と注意すべき点はあるもので。

フリーランスが「マネーフォワード・freee」を使うときの注意点についてお話をしていきます。

目次

カンタン・ラクチンとも言い切れないクラウド会計

フリーランスが、経理(帳簿つけ)や確定申告のために「マネーフォワード」や「freee」といったクラウド会計を使うときの注意点をお話ししていきます。

フリーランスの方から相談が多い部分、あるいは、フリーランスの方が気づいてない・間違いが多い部分です。

「カンタン、ラクチン」などと言われるクラウド会計ではありますが。 意外と注意すべき点はあるのです。

というわけで。じぶんはだいじょうぶかな? と、セルフチェックをしてみましょう。こちらの7つです↓

フリーランスが「マネーフォワード・freee」を使うときの注意点
  1. 開始残高の設定
  2. 各種データとの連携
  3. 勘定科目「現金」の取り扱い
  4. 自動仕訳の設定
  5. 決算整理
  6. 試算表・推移表の確認
  7. 総勘定元帳・仕訳帳の印刷

それでは、このあとくわしく見ていきましょう。

 

フリーランスが「マネーフォワード・freee」を使うときの注意点

《注意点1》開始残高の設定

これから、「マネーフォワード・freee」を使いはじめるという場合。まずやるべきことに、「開始残高の設定」があります。

この「開始残高の設定」がわからない、とのご相談は少なくありません。

おもなところでは、 「マネーフォワード・freee」を使いはじめる時点で、「現金」や「預金」をいくら持っていたか。

これを「開始残高」として設定する必要があります。

設定ができていないと、「現金が実際の残高と合わない」「預金が通帳の残高とは合わない」ということが起こってしまう…。

また、「開業費」も開始残高の対象のひとつになります。開業費とは、「開業日以前に開業するために使ったおカネ」のこと。

開業日前であっても、開業のため、仕事のために使ったおカネであれば経費になります。そのような開業費を漏れなく経費にするために、開始残高の設定が必要です。

「マネーフォワード・freee」にはそれぞれ、「開始残高の設定」に関する機能もありますが。すべての会計ソフトに共通する「仕訳」で設定するのがおすすめです。

くわしくはこちらの記事をどうぞ↓

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《注意点2》各種データとの連携

「マネーフォワード・freee」といった、いわゆる「クラウド会計」の売りのひとつに「データ連携」があります。

ここで言う「データ」とは、「銀行の預金」や「クレジットカード」「電子マネー」などの取引データのこと。

それらの取引データを、「マネーフォワード・freee」と連携させることで、取引の手入力をなくす(あるいは減らす)ことが可能です。

手入力が増えれば、時間がかかるし、疲れるし、間違えも起きやすくなる。ですから、できる限りデータ連携をするのがおすすめです。

ところが、データ連携できるはずのデータを連携せず、わざわざで手入力をしているというフリーランスの方もいます。

聞けば、「データ連携がよくわからないので…」と。もったいないので、データ連携を検討するようにしましょう。

マネーフォワードであれば、「データ連携」の機能を使って。freeeであれば、「口座」の機能を使って連携します。

そこまで難しい機能ではないので、それぞれのヘルプページを見れば対応できるはずです。

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《注意点3》勘定科目「現金」の取り扱い

さきほど、データ連携はクラウド会計の売りのひとつだ、という話をしました。データ連携の機能を使うことで、メンドーな手入力を減らすことができる。

この点で。現金の入金や出金に関わる取引はどうでしょう?

銀行の預金やクレジットカードのように、だれかが取引を記録してくれることがありません。

預金であれば通帳があるし、クレジットカードであれば利用明細があります。現金にはそれがない。

ですから、現金の取引に関しては、レシートや領収書を見て手入力することになります。メンドーです。

にもかかわらず。あたりまえのように、 手入力をしているフリーランスは少なくありません。

ぜひいちど、現金取引をやめる(あるいは少なくする)ことを検討してみましょう。

現金の代わりに、預金やクレジットカードなどで支払う。そうすれば、前述した「データ連携」の機能を使うことができます。手入力をしなくてすみます。

結果として、「現金」という勘定科目を使わない。「現金出納帳」をつくらない。現金がない、という経理でもOKなのです。

そもそも、プライベート用の現金と、仕事用の現金とを分けている(財布を分けている)というフリーランスは少ないことでしょう。

1つの財布のなかにプライベート用と仕事用とが混在しているなかで、仕事用の現金残高をどう把握するというのか? 把握できるはずがありません。

であるならば、やはり「現金」という勘定科目を使わない。「現金出納帳」をつくらないことです。くわしくはこちらの記事もどうぞ↓

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《注意点4》自動仕訳の設定

さきほどから「データ連携」という話をしています。その「データ連携」を有効に使うためには、「自動仕訳の設定」が重要です。

ここで言う「自動仕訳」とは。データ連携によって、ある取引を取得した際、自動的に「勘定科目」や「摘要(メモ書き)」などを確定させることです。

つまり、いちいち勘定科目を選んだり、摘要の入力をしなくていい。けれどもそれは、自動仕訳の設定がきちんとされていればこそです。

設定が不十分だと、手直しが必要だったり、場合によっては間違えてしまったり… かえって手間になることもありえます。

たとえば、銀行借入金の返済について。元金と利息との合計額で通帳から引き落とされている場合。自動仕訳の設定によって、自動的に元金と利息とに区分をすることができます。

ところが、その設定ができていないと。元金と利息の合計額をすべて、元金返済として処理してしまったり、あるいは、利息支払として処理してしまったり…

いずれも間違いです。手直しが必要になります。

自動仕訳は、マネーフォワードであれば「自動仕訳ルール」の機能から、freeeであれば「自動登録ルール」の機能から設定できます。

ただし、少々コツがいるところではありますので。税理士に相談してみる、教えてもらうのもおすすめです。

おカネがかかることではありますが、自動仕訳をマスターすれば将来にわたりメリットがありますから、じゅうぶんに元が取れるものと考えます。

《注意点5》決算整理

経理(帳簿つけ)には「決算整理」というものがあります。

たとえば、減価償却。減価償却とは、1つあたり10万円以上のモノを買ったときに、いちどに経費にするのではなく、数年間に分けて経費にする。という経理の考え方です。

200万円のクルマを4年で減価償却するとしたら、毎年 50万円ずつ経費にすることになります(このときの経費 50万円を「減価償却費」と呼びます)。

この 50万円を決算(12月31日)のときに経費として処理をするのが「決算整理」です。

けれども、決算のときまで、決算整理のことを忘れていた場合。決算になって突然、経費が 50万円増える。つまり、利益が 50万円減ることになります。

実はそんなに儲かっていなかった… と、びっくりです。がっかりもします。

そんなびっくりやがっかりをしなくていいように。50万円をさらに 12か月で等分して、毎月の経費として処理しておくのがおすすめです。

似たようなところで、「家事あん分」も挙げられます。

家事あん分とは、プライベートにも仕事にも両方関わる費用のうち、仕事分だけを経費にするという考え方です。

たとえば、自宅兼事務所の家賃。自宅分は経費になりませんが、事務所分は経費になります。

自宅兼事務所(自宅分の床面積が70%、事務所分の床面積が30%)の家賃が毎月 10万円とした場合。

ひとまず10万円全額を「家賃」として経費にしておく。そのうえで、決算のときに自宅分を経費から除く。という決算整理があります。

けれどもやはり、この決算整理を忘れていると。決算になって、突然 84万円の経費が減ることになります(10万円 × 12ヶ月 × 70%)。びっくりです。

経費が減れば、利益が増えて税金も増えます。思っていたよりも税金が増えるとなれば、なおびっくりもするでしょう。

「マネーフォワード・freee」には「減価償却」や「家事あん分」のための便利な機能もありますが。「毎月」ではなく、「決算」のときにまとめて処理になるのが難点です。

毎月処理するとなると、少々難易度が高いところでもありますから。さきほどの「自動仕訳の設定」と合わせて、税理士に相談する・教えてもらうのもおすすめです。

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《注意点6》試算表・推移表の確認

「マネーフォワード・freee」を使って、「じぶんで経理をしている」と言うフリーランスでも、試算表や推移表の確認まではしていない… という方がいます。

言い換えると、経理(帳簿つけ)しっぱなし、ということです。

経理しっぱなしとなると、 間違いに気がつくことができません。間違えてしまうことはあるわけで、確認をするのは重要です。

また、経理しっぱなしとなると、「経理の結果、どうだったのか?」を知る機会もなくなります。

経理はその作業自体が目的ではなく、作業によって得られる結果を、日ごろの「判断」に活かすことが目的です。

というわけで、試算表や推移表の確認をするようにしましょう。

マネーフォワードであれば、「試算表」と「推移表」の機能。freeeであれば「試算表」と「月次推移」の機能があります。

とはいえ。試算表や推移表の確認も、難易度は高めです。 WEBや書籍などで勉強することもできますが、ここも税理士に教えてもらうのはひとつの方法です。

経理の正確性を高めたり、数字を活かして判断の精度を上げることは、将来にわたって大きく役立ちます。おカネをかけるだけの価値があるところではないでしょうか。

ちなみに。いくどとなく、「税理士に相談」みたいなことを言っているのは、わたしが税理士だから「税理士推し」をしているわけではありません。

税理士に「入力作業」を丸投げして、その代金としておカネを支払うのはもったいない(クラウド会計を使うのであれば、それほどの時間・労力をかけずにじぶんでできる)。だいじなおカネを使うのであれば、より専門性が高い部分のほうが良いのでは? との老婆心であることを申し添えます。

《注意点7》総勘定元帳・仕訳帳の印刷

「マネーフォワード・freee」を使っているフリーランスが注意すべきこととして、「総勘定元帳などの印刷」が挙げられます。

経理・税金のルールとして、帳簿の印刷・保存が必要になるのですが、それができていないというフリーランスが少なくありません。

具体的には、毎年確定申告が終わったら、「総勘定元帳」「仕訳帳」を印刷して保存するようにしましょう。

「マネーフォワード・freee」には、「総勘定元帳」「仕訳帳」をPDFやCSV形式でエクスポートできる機能があります。

税務調査のときには原則、「紙」での確認になりますので、いつでも印刷できるようにはしておきましょう。

会計ソフトを変えるときには、CSVデータがあると便利です。仕訳帳は、 PDF だけではなく、 CSV でも保存しておくのがおすすめです。

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まとめ

「カンタン、ラクチン」などと言われるクラウド会計ではありますが。 意外と注意すべき点はあるもので。

じぶんが気づいていないことがないか、間違えていることがないか、確認をしておきましょう 。

フリーランスが「マネーフォワード・freee」を使うときの注意点
  1. 開始残高の設定
  2. 各種データとの連携
  3. 勘定科目「現金」の取り扱い
  4. 自動仕訳の設定
  5. 決算整理
  6. 試算表・推移表の確認
  7. 総勘定元帳・仕訳帳の印刷
フリーランスが『マネーフォワード・freee』を使うときの注意点7選

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