領収書やレシートが無いのだから経費にはならない。
そんな考え方や行動にはなっていませんか? それ、もったいない!
領収書もレシートも無くても、「仕事」についておカネを使ったのなら経費です。というお話をしていきます。
「領収書が無いから」と経費にし損ねる残念なフリーランスの残念な1日
フリーランスにとって、領収書やレシートは「税金の割引クーポン券」だと言われることがあります。
領収書やレシートを「証拠」として、「経費」にすることができる。結果、税金が安くなるという効果があるからです。
ですから、領収書やレシートは、捨てまい、失くすまい、見逃すまいと気を付けていることでしょう。
いっぽうで。「領収やレシートが無い経費」を、経費として見落としている場合があります。たとえば、こんなカンジです↓
- 09:15 お客さま先までバスで移動 → バス代を現金で払う(領収書なし)
- 10:30 お客さまに出産祝金を渡す → 祝金を現金で払う(領収書なし)
- 12:30 お客さまと割り勘でランチ → ランチ代を現金で払う(領収書なし)
- 14:00 お客さまとの打合せ用のお茶を自販機で買う → お茶代を現金で払う(領収書なし)
- 16:00 移動中にフリマで仕事に関する本を買う → 本代を現金で払う(領収書なし)
- 18:00 ビジネス交流会に参加 → 参加費を現金で払う(領収書なし)
上記は、「領収書が無いから」ということで経費にし損ねてしまった、残念なフリーランスの残念な1日です。
えっ、領収書やレシートが無くても経費にできるの? と思ったあなたは要注意。いいんです、できるんです。
それが「仕事」に関する支払なのであれば、領収書やレシートが無くても経費にできます。
ただし、「たしかに経費」であることを説明ができるように備えておくことは必要です。税務調査で聞かれることもありますし。
というわけで。「領収書が無いから」ということで経費にし損ねないために、どうすればよいかをお話していきます。
バス代を現金で払ったら?
バス代や電車代などを現金で支払う場合、基本的に領収書やレシートはありませんよね。
また、駅の券売機などで領収書を発行できる場合でも。電車に乗るたびに発行している、というのではメンドーでしかたありません。
このように、バスや電車は「そもそも領収書やレシートが無い」という商慣習なのですから、領収書・レシートが無くてもだいじょうぶです。その代わり・・・
出金伝票をつくる、または、交通費精算書をつくるべし。
領収書・レシートが無いので、代わりの証拠として、「出金伝票」をつくる。または、「交通費精算書」をつくります。
それぞれの具体的なつくり方は、こちらの記事を ↓
出金伝票にしても交通費精算書にしても、バスや電車に乗ったことを忘れてしまったらつくれません。忘れたぶんだけ経費が減り、税金は高くなってしまいます。
バス代や電車代については、毎日経理(帳簿につける、会計ソフトに入力する)をするスタイルがおすすめです。
祝金や香典を渡したら?
結婚祝金、出産祝金、香典などの慶弔費については、領収書が無いのが普通です(一部地域では、領収書を発行する慣習もありますが)。
そんなところで、「領収書ください」とも言えないわけで。
では、慶弔費は経費にできないのかというと。もちろん、そんなことはありません。その代わり・・・
出金伝票をつくる、加えて、案内状などの証拠を残すべし
領収書の代わりに出金伝票をつくるのは、さきほどのバス・電車代と同じです。
それとあわせて、「事実の証拠物」を残しておくことをおすすめします。これが無ければダメだというわけではありませんが、説得力に差が出ます。
たとえば、結婚式の案内状、出産・誕生を知らせるハガキ、葬儀の案内状などを出金伝票といっしょにしておきます。
そのようなものが無ければ、名前などを記載したあと(渡せる状態)の祝儀袋や香典袋のコピーを取っておくこともひとつの方法です。
割り勘で飲食をしたら?
お客さまなどと割り勘で飲食をする場合。お店のレジの都合などで、人数分の領収書をもらえないことがあります。
また、自分以外の人が領収書をもらわずにいるために、自分ももらいにくい。という、場の雰囲気で領収書をもらえないこともあることでしょう。
そんなときでも、経費にすることをあきらめなくてもだいじょうぶ。その代わり・・・
出金伝票をつくるべし
やはりそんなときも、再三登場している「出金伝票」の出番です。
割り勘の飲食が仕事に関係あるのであれば、その事実を「出金伝票」に記載をして、領収書・レシートの代わりに保管をしておきましょう。
出金伝票についての具体的な使用方法や注意点などは、こちらの記事もどうぞ ↓
自販機で飲み物を買ったら?
自動販売機で飲み物を買う(最近では飲み物ばかりではなく、いろいろ買えますのでそれらを含めて)。領収書やレシートは出てきません。
それはわかってはいるけれど、「コンビニに行くのはメンドーだから」と自販機を利用することもあるでしょう。
仕事に関する自販機の利用であれば、もちろん経費にできます。その代わり・・・
出金伝票をつくるべし
またしても出金伝票の出番でございます。
自販機での買い物なんて、金額もタカが知れている。ということかもしれませんが、経費の計上は積み重ねです。
細事をおろそかにしたり、軽視したりしていると、大事も逃してしまいます。一事が万事、経理はコツコツやりましょう。結果、節税が待っています。
フリマでモノを買ったら?
フリマ(フリーマーケット)ではいろいろなモノが売られていますね。本や家電、家具、インテリアなど。仕事に使えるものもあるでしょう。
そんなフリマでお買い物。「領収書ください」なんて言ったら、ドン引きです。ドン引きはされなくてもびっくりされることでしょう。
しかたない、自腹を切るか・・・ だいじょうぶですよ、経費にしても。その代わり・・・
出金伝票をつくるべし
なんでもアリだな、出金伝票。と思われるころでしょうか。でも、悪だくみはいけませんよ。とクギを刺しておくことにします。
あくまで、「事実」あっての出金伝票です。
経費のほとんどが領収書・レシートではなく出金伝票だ、ということであれば。税務調査官は仕事柄、その「事実」を疑いたくもなるでしょう。
そもそも出金伝票は、事実を疑われるさだめにあることをゆめゆめお忘れなく。
そう考えると、フリマでそのモノが売っているところを写真に収めておく。なんていう証拠もアリか、いや、それはやり過ぎか。あなたのご判断にお任せします。
領収書なしの交流会に参加したら?
フリーランスをしていると、ビジネス交流会や勉強会などに参加をする機会もあるでしょう。
そのような場所では、必ずしも領収書が用意されていないことがあります。主催者なんだから、それぐらいちゃんと用意しとけよな!プンプン
もうなにも言わずともだいじょうぶだとは思いますが、経費でOKです。その代わり・・・
出金伝票をつくるべし。案内パンフなどを取っておくべし。
出金伝票をつくるのは言わずもがな。加えてやっておくとよいのは、その交流会の案内パンフレット(ネットであれば画面コピー)など、事実がわかるものを取っておくこと。
交流会で交換した名刺、というのも証拠としてよいですね。最近では、名刺はアプリで管理という人も少なくありません。
交流会後に交換した名刺をアプリに登録しておけば、その登録日をもって交流会の事実を証明する効果はあるでしょう。
まとめ
「領収書が無いから」と経費にし損ねる残念なフリーランスにならないために、といいうことでお話をしてきました。
いちばんのポイントは、領収書・レシートが無くても経費にはできるということです。
そしてもうひとつ大事なこと。それは、すぐに経理(帳簿につける・会計ソフトに入力する)をすることです。
領収書・レシートが無いということは、おカネを払った記録が手元に残らないということになります。おカネを払った事実を自分自身が忘れてしまうかもしれません。
忘れてしまう前にきちんと経理をする。できることを確実にやる、それこそが節税の王道です。
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きょうの執筆後記
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